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【緊急】東急田園都市線 脱線・衝突事故について

※10/7  1:00頃に加筆しております。
皆さん、こんにちは。
鉄道員Kです。

相変わらず本業が忙しく、中々更新できていない状態となっていて、誠に申し訳ありません。
最近、少々時間がとれるようになってきたので、執筆の溜まっている記事の公開準備をしていたのですが、そんな矢先にこのニュースが飛び込んできました。

この記事を書いている今現在も、鷺沼駅~渋谷駅間が不通となっております。
都心と郊外を結ぶ大動脈であるだけに、影響が長引くと多くの方の生活に影響が出てしまいますね。
今記事では、現段階(10/6 16:00時点)でわかっている報道から、この事故を分析していきます。


・事故の経過

各種報道によると、10月5日の午後11時ごろ、神奈川県川崎市の東急田園都市線・梶が谷駅で、渋谷行きの各駅停車が停車していた別の回送電車に衝突し、回送電車が脱線しました。
回送電車の乗務員3名(見習運転士、指導運転士、車掌)と、各駅停車に乗っていた乗客(149名) 、乗務員(2名)には怪我はありませんでした。

事故の流れとしては、梶が谷駅の留置線に引き上げようとしていた回送電車が、速度超過の信号を受け、非常ブレーキで停止。
回送電車側の乗務員は、停止位置を修正するためにブレーキ解除をしようとしましたが、そのタイミングで防護無線(緊急事態等で、近隣列車に停止を指示する警報)を受信したため、起動せず停止し続けました。

このとき回送電車の最後部が渋谷行きの電車が進む線路にはみ出していることに、渋谷行きの運転士が気づき、急ブレーキをかけたものの間に合わず衝突したということです。

・浮かぶ疑問点と考えられる原因

現在も調査中のため、はっきりとした原因を断言することは出来ませんが、私が気になるのは、

なぜ、留置線に回送電車が入りきっていない状態で、渋谷行きの電車の進路が開通していたのか?

という点です。
本来電車が在線(線路上にいる状態)しているときに、その区間に他の列車が入ることは出来ません。
(専門用語で「一閉塞一列車の原則」とも言われます。)
今回の事故でも、回送電車が所定の停止位置に止まる前に非常ブレーキが作動して停車したため、回送電車は留置線に収まりきっていない状態でしたので、本来であれば渋谷行きの進路上に回送電車がいると信号装置が認識し、渋谷行きの電車に対して「停止信号」が現示されるはずでした。

しかし、実際には渋谷行きの電車の進路は開通状態を示していたため、それに従って走った結果衝突したということになります。

こうなると、列車が在線しているのにも関わらず信号が開通状態だったということになり、安全を担保すべき信号装置に不備があったということになります。
ヒューマンエラーというよりは、技術的な不備の可能性が高いのかなと思われます。

・乗務員に落ち度はなかったのか

各種報道では、「回送電車は見習運転士が担当していた」旨の報道が相次いでいます。

今回の事故について、私が声を大にして言いたいのは、「見習運転士と事故の因果関係はない」ということです。

そもそも、見習運転士は単独では乗務しません。必ず指導役の「師匠」が一緒に乗務しますから、不慣れが招いた事故という論調は無理があります。
今回の事故では、回送電車が留置線に引き上げようとしていた最中に、速度超過で停止位置より手前に停止しましたが、これ自体もよくあることです。

というより、各種報道の表現が誤解を招いているのですが、この回送電車は速度超過というよりは、留置線に安全に停止するために段階的に設けられた制限信号(速度照査等とも言われます)の厳しい数値に対して引っかかって停止したという表現が適切です。
このことはむしろ、安全装置がきちんと動作していた証拠です。
(実際、見習の経験値を増やすためにわざと信号に引っかかって、その後の対処法を指導するということはよくあります。私もやったことがあります。)

また、再起動時に防護無線を受信したため停止し続けたのも規定通りの取り扱いですし、渋谷行きの運転士も回送電車が見慣れない位置に停止しているのを認めてブレーキ操作をしていることから、現段階では乗務員の取り扱いには問題はなかったと断言できます。
(これが、回送電車側が非常ブレーキを掛けたのを誤魔化すために無断退行した…とかなら話は変わりますが。おそらくその可能性はないと思います。)

むしろ、早い段階で報道陣に対して「見習運転士が担当していた」という情報をいたずらに流した東急電鉄側の態度が気になります。
人為的ミスとして、個人に責任転嫁しようとしている風にすら感じました。
(社員を守る気がないとも言えます)

また、テレビのコメンテーターや鉄道ジャーナリストの方々の論調も、見習運転士に焦点を当てたものが多く、世論のミスリードを招くばかりでなく、事故調査にも影響を与えかねないと感じました。
私は元々、こうした事態に出てくる鉄道ジャーナリストと呼ばれる方々をあまりよくは思っていませんが……

・今後の見通し

最後に今後の見通しですが、今回は国交省の運輸安全委員会が調査に入ってます。事故の規模を考えると、検証には時間がかかりますし、検証が終わらないと事故車の移動は出来ません。
事故車の移動が出来ないと運転再開ができませんので、少なくとも今日(10/6)の復旧は無理だと思いますし、沿線の皆様には明日以降についても、代替ルートの利用を考える必要があります
(おそらくですが、事態の深刻度を考えると調査には時間がかかると思われます。)
※10/7 0:00に運転再開いたしました。

お読みの方の中には、「もうちょっと運転できる区間が増えないのか…」と思われる方もいるかも知れませんが、事故の起きた梶が谷駅の周辺で折り返し運転が可能な駅が限られていること、車両基地の位置関係から現状の鷺沼駅~中央林間駅の折り返し運転が精一杯だと思われます。
鷺沼駅~渋谷間では車両を大規模に留置している場所が現場である梶が谷駅位なため、そもそも運転する車両がないという問題もあります。

また梶が谷駅は大井町線の車両を留置していることから、大井町線についても運行可能な本数が限られますし、東急メトロ半蔵門線についても、鷺沼駅と長津田駅に車両を留置している関係から、使える車両が大幅に足りないため、明日以降も関係路線では混乱が続くと予想されます。
ご利用される皆様においては、今のうちから代替ルートの確認を今一度行ってください。

いずれにせよ、早期復旧、そして早期事故原因究明が急がれますね。




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