プラン9・フロム・アウタースペース (1959🇺🇸)
原題: PLAN 9 FROM OUTER SPACE(1959、アメリカ、79分)
●監督:エドワード・D・ウッドJr.
●出演:グレゴリー・ウォルコット、モナ・マッキノン、デューク・ムーア、トム・キーン、トー・ジョンソン、ベラ・ルゴシ
この前観た『アッシャー家の崩壊』に比べたら画質は全然悪くないしむしろ見やすい。
ただ、肝心のタイトルがクレジットと重なって見づらいなというあたりから怪しい雰囲気が……
エド・ウッド監督の代表作である本作は、虚無を煮詰めた搾りカスである『死霊の盆踊り』と比べたら一応ストーリー展開などあるし、「SFホラー茶番劇」を標榜した学芸会としては十分成立しているのかなと思った。
宇宙人がゾンビの力を使って地球人を脅そうとするというような珍妙なあらすじ。
「地球人は進歩と共に宇宙人を認めなくなった。ゾンビを使って我々の力を認めさせる」という宇宙人の台詞がこの映画のマヌケなムードを象徴している。
数人を除いてほとんど素人演技で、英語でも棒読みだというのが伝わるのがすごい(パイロットの妻とか)。
台詞だけではなく動き自体も棒演技で、驚いたリアクションもさっき2~3回練習しただけの動きを繰り返したみたいな予定調和の動き。
死体が動いたり緊迫感はありそうな展開になっていても、カットは緩慢でクローズアップもほとんどなくワンショットで淡々とことが進む。
音楽の盛り上がり度合いによって「あ、今緊迫シーンなんだ」とかろうじて判断できる。
「商業的自殺」という言葉があるが「じゃあ芸術的生存か」といわれるとそっちの方も死んでるし……、そもそも死んでることに気づいてないというか。
空中を歩きつづけるワイリーコヨーテを見てるような「えっ?この映画このままで大丈夫なの?」という不安の中終わってしまう。
ティム・バートンがエド・ウッド監督を敬愛しているのはあまりにも有名だ(僕もバートンのおかげで知った)が、ある意味では彼がこの映画を超える作品を作ることは不可能だろう。
