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花冷え

春の初めの 花冷えの もやがかかった 朧月おぼろづき… 
君が ぽつりぽつりと呟く…


幼い頃 髪を切って捨ててしまった ブロンドの髪のお人形… 

死んでしまった仔犬…

あの日 逝ってしまった 同級生…

割れてしまった お気に入りのグラス…

落として 無くしてしまった 瑪瑙めのうのブローチ…

変わってしまった 親友…


無明の淵むみょうのふちを漂う君は 戻らない過去の 刹那を呟く…

溢れる透明な頬の雫を 拭いもせずに…


それは 心移ろう人間の 変化へんげと刹那…

僕は 君の白桃はくとうの頬をそっと 手で包み込む…

微笑みは 今は要らないのだと
心虚ろな 君の黒葡萄の瞳に囁く…


泣くがいい… 思いっきり

君の心の中の 虚ろな暗闇くらやみから 少しでも抜け出せるように…



僕が いつまでも 命続く限り そばにいるから…

ありのままの感情を 吐き出すが いい…

そして… 過去を振り返り 過去を流して…
現在いまを その尊い一瞬を 生きるのだよ…


徐々に 君の心の薄氷うすごおりが 溶け始めるような そんなおもむき


ゆるゆると やんわりと 癒される事
それが 君には必要だから…


ふと 君の指先が 僕の指先に 触れる…

指を絡めて 君が僕を見つめる… 心の内を 共有するように…


ふたりして これからも そうやって歩むのだと…


僕の言の葉ことのはに 君の瞳に煌めきが戻り始めた

安堵したのだね

そして 口づけを しよう…

いつかまた 君が微笑みを取り戻すように…


その刹那も 悲しみも 空虚な心も 
いつしか懐かしき想い出になるのだから…


そうやって 揺蕩たゆたいながら人は成長し ぬくもりを感じながら 

もっと優しさと 苦悩を共にしながらも
生きている喜びを 痛感するのだ


【あとがき】
暖かかったと思ったら、風が強く肌寒い今日。
【花冷え】と言う言葉が頭に浮かびました。


『過去は戻らない』
『今の一瞬が尊い』そんな事を思い、言葉が溢れました。
そして…感情は閉じてはならない。
感情を溢れ出して、号泣して、そしてまた前を向くのだと。

過去の刹那は心に残るけれど、それをバネにして数倍逞しく生きるのが人間なのだと。

思考では判っていても心では解っていない私ですが(笑)🤭

画像はお借りしています

【ご紹介ありがとうございます】


💖ぶどうスパークさん💖


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