そうだ、福井に行こう。みたいな気持ちになる優しき世界の「イエスタデイをかぞえて」BLCD感想

今回は、綾ちはる先生原作「イエスタデイをかぞえて」のBLCD感想です。原作は入手して読みました。

ちるちるさんの詳細↓↓↓


 

ネタバレのない感想
興津さんの気弱な王子さま演技が堪能できる。でも攻め。というか、そこまで濡れ場がある作品ではないので、純粋な恋愛ストーリーを楽しみたい方にオススメです。クオリティには間違いなし!何せお相手が吉野さんだから。そして吉野さんが好きな人はきっと吉野さんのヤンキーっぽい感じの演技も好きだと思いますが(偏見過多ですみません、某自転車アニメ作品での人気キャラが好きなもので)一応ヤンキーみたいなタイプとして描かれてはいるけど、とっても心優しいタイプのヤンキーです。校舎の裏で野良猫にミルクあげたことありそう。普通の大学生同士の恋物語なんだけど、冒頭で主人公が交通事故に遭います。(作品紹介文や帯に書いてあるのでネタバレではないなず)

そんなわけで、ネタバレありの感想
三島冬至さん(CV吉野裕行さん)が事故に遭い、気が付くと黒いスーツを着た老人の死神に願いを一つ叶えてやると言われます。三島さんは自分の恋人である椿武彦さん(CV興津和幸さん)と出会った1年前から人生をやり直し、恋人にならないことを望みます。この時の、死神は2人いて、スーツを着ている方は飛田展男さん、もう一人はちょっと口調なおじいさんでアロハシャツを着ている方を戸部公爾さんが演じられています。
気が付くと、大学で仲良しの友人たちといる間に転寝をして起きたところで、単なる夢かと思うと本当に1年前の日に戻っているのです。タイムリープものみたい!このあたりでは恋人である椿さんは出てきません。なぜなら、この日に合コンに行った帰りに二人が知り合いになるからなのです。やり直しの人生のために合コンを断り、一人で部屋にいるのが辛くて夜の街をフラフラしてると何と合コン終わりの友人達に会い、椿さんに一緒に帰ろうと言われます。あー、この興津さん、裏表がほぼなくていい人で頼まれたら断れなくて女の子にモテるだろうな、という感じの声に聞こえました。耳から癒しの成分が得られます。
本来は家飲みして友達になってと頼まれる過去だったのですが、今回のやり直し人生を変えるべく携帯の連絡を聞かれても教えたくないと突っぱねて断ります。(携帯持ってたのに持ってないとか言っちゃうあたりがかわいい)そして、断られても椿さんは諦めず、なんと別な日に仲良しの長谷川さんと由香子さんと一緒に三島さんのバイトのカフェバーに来ます。
ここの「お待たせしましたー、ジャガイモのニョッキでーす」(小説だとソース名もついてるけど)の吉野さんのセリフ大大大大大好き!!!(唐突)そして会話の都合なのかCDだとちょっと犬食いしてるっぽいのを長谷川さんに指摘されつつ食べている音が聞けて、咀嚼音大好きなので大変ありがたいです。連絡先教えないと言われても会いに来る椿さんに「ストーカー」って言うと、それでいいよって言う椿さん、ちょっと変だけどかわいい。ここから、拒否しても拒否しても諦めない男、椿さんの優しい攻撃の手は緩むことなく、普通になんか一緒にいるし、普通に喋る関係にはなっちゃいます。隙間隙間で、椿さんと恋人同士になるまでの回想も挟んできて、事故さえなければ二人がずっと一緒にいられたんだろうなぁと切なくなります。
中でも、椿さんの飼い犬のラブラドール、マリアが亡くなった後、大学で様子がおかしく早退した椿さんを追いかけて二人で喫煙所で話しているシーンはすごく心に沁みました。静かに泣くとはこういうことか、という感じの興津さんの泣く演技…!ずっと聴いていたい…!!マリアが居なくなって、本当は二人の付き合いが始まったはずの日、わざわざ長谷川さんに頼んで家飲みをします。そこでの長谷川さんとの会話も結構良くて、前の関係だと二人が付き合っていることは知らされずにいたはずなのに、やり直しでは長谷川さんから「意識し過ぎでは」と指摘されてしまうことになっています。男同士だしずっと一緒にはいられないだろと言った三島さんに、「すごいな、お前。いつまでも一緒にいたいんだ?」と言う長谷川さんに感謝の気持ちを抱きました。無性に彼女に会いたいと長谷川さんが帰ってしまったあと、椿さんは三島さんに好きだと告げます。それを受け入れられずに無理して断るのですが、ここからの「嫌いだ」の言い方が最高なんですよ!!!吉野さんの演技の真骨頂!!嫌いって言いながら違うんだよね〜の塩梅が流石です。わざとらしくもないし、自然だけど、嫌いって言ってるけど好きなのが分かる〜というのは、声優さんには当たり前の技術なのかもしれないですが私からしたらもうすごいとしか言えません。
その後、付き合ってるわけではないものの家には泊まりに来るし一緒に狭いベッドで眠るだけ関係のまま、椿さんが由香子さんが話していた死神についての話をします。その後から、椿さんは夢の中で三島さんが死ぬ夢を見るといって不安げになり、三島さんは事故の日の前に身辺整理を始めます。椿さんを突き放そうと呼び出すも、バイトを辞めるなど普段とは違うことで何かを察した椿さんに連れてってと言われて、感情が乱れて自分が死ねばいいと言って雨の中飛び出してしまいます。(小説では長谷川さんからの電話があったことになってます)
公園で1年前の合コンの日に渡された椿さんの連絡先の紙を見つけ、電話すると、その会話をしながら椿さんが見つけてくれるんです。ここでの会話が本当に素敵です。辛くてどうしょうもなくて嫌いと言う三島さんのセリフ、自分を嫌いだと言う度に好きだって言われてる気がするんだという椿さんのセリフ。吉野さんと興津さんの繊細な演技が素晴らしいです。
このあと、初めての濡れ場シーン。ありがとうシャワー、ありがとう耳元で変なことを言う攻め。

ようやく死神との件を話すと、椿さんも夢の中で三島さんを亡くす夢を見ると言って信じてくれます。やり直しの前の二人なら三島さんから好きだと言われてるのかなと悔しがる椿さんに、素直じゃなくて言えなかったと言うと、好きだと言ってねと言われる。ここの「俺の好きな顔で笑うし、俺の好きな声で好きって言うし」のセリフに勝手に「好きな声!!!!わかる!!!」と共感を激しくしました。(キモい)

例の日、二人で死神を待つと現れたのは黒スーツの死神。結果としては、「恋人関係にならないためのやり直し」にはならなかったということで、死にたくないというと、そのままあっさり死ななくていいことに。なんかのひっかけかと疑うと、ラブラドールのマリアが亡くなるときに椿さんの幸せを願ったからというのです。釈然とはしないものの、死ななくていい二人は喜び合います。そして、その二人を見つめるのは、死神となった椿さん(黒スーツ)と三島さん(アロハシャツ)。

CDだと、「今日のために死神になったんじゃないか」というセリフだけでさらっとしてたけど、原作にはちゃんとこう書いてありました。

今日この日、こうして年若い二人を救うために、二人は死神になったのだ。

原作130ページより

原作未読の方のイマイチ最後の結末がよくわからない、という感想があるのは、しっかりとした小説の表現に比べるとここの意味がちょっと掴めないからなのかな、と思いました。
とにかく、二人は死神になってずっと一緒にいられるんだ…という結末にほっこりでした。


ここで、CDが一枚目で終わるんです。あれ、話終わってるけど…と思ったら、なんと小説での「イエスタデイをひろって」パートがあるんです。

CD二枚目の方は椿さん視点。三島さんが事故にあって、その後と、三島さんとの出会いの思い出から始まります。椿さんは実は大学受験の日に三島さんに救われていたというのが分かります。顔が綺麗なせいで高校でなんとなくいじめられ、前髪を伸ばしたら目が悪くなり、眼鏡をかけて受験会場に行く途中でそのいじめっ子に遭遇して落とした眼鏡を自分で踏んでしまうという。アンラッキーにも程がある。と、ここで見知らぬ人に声をかけてくれるコミュ力高めヤンキー少年三島さんが現れて助けてくれるんです。落とした割れた眼鏡を拾い集めてケースにしまって受験会場まで手を引いてくれる。ここで、三島さんの出身の福井の話が出ます。吉野さんの「くそ寒い」の言い方が最高…。生まれ変わったらせめて日本のどこかしらにふらっと行けるようになりたい。会場まで送り届けてくれて、椿さんの長い前髪を見て自分は合格したらピアス開けるから、髪を切れと三島さんが言います。「一緒にしようぜ。大学デビューってやつ?」萌えが過ぎる。この時の出会いが、椿さんにとっての三島さんとの初めての出会いなんです。
淡々と、亡くなってしまった現実では通夜に行くことになっていく日々が過ぎる内に、マリアの亡くなった時に告白したことや、同じ授業を取るに至った経緯、合コンで初めて会話して友達になり、いじめっ子同級生に絡まれて自分の恋心に自覚するなどのシーンが回想されていきます。CDの一枚目で三島さんのモノローグで語られていたものが再度聞けるので、より立体感があるというか想像しやすかったです。
葬儀が終わり、三島さんのお母さんが住んでいた一人暮らしの部屋の片付けに来て、部屋にある椿さんのものなどを持ち帰るように言います。そして、公園まで散歩に付き合ってと言われてから、そこで三島さんの携帯を見たと言われます。中身は見てないけれど、椿さんからのメールには保護がかけてあったことで、母として息子が椿さんのことを好きだったと思うと言われるシーン、すごく辛くて涙が出ました。三島さんが死んでしまったことがそれでも受け入れられずに静かに絶望している椿さんの声がものすごく切なかったです。
椿さんの誕生日、三島さんが二人で祝いたいと言って、家で料理を振る舞い最後に結ばれるシーンは、大変初々しくて良かったです。なんか、家事してる時に三島さんがつい敬語になっちゃうところが可愛かったです。あと、吉野さんの演技はかわいい系みたいなタッチじゃ無いんだけど息遣いとか控えめでいいなぁと思いました。この時、誕生日プレゼントに本当は好きと言ってもらいたいといいかけてやめたことが描かれています。
現実は、そのあとようやく、長谷川さんから電話で、三島さんが死ぬ間際に、椿さんを好きだと伝言を頼まれていたことを伝えられ、もういない三島さんの部屋に走っていきます。ここは全力疾走と涙、とにかく辛いところで、確かに一枚目では二人は恋人同士で幸せになっているのを知っていても釣られて泣きたくなるくらいでした。自分が出会わなければよかったのかと思うと、そこにアロハシャツの死神が現れて、もう大丈夫と言ってくれ、気が付くと三島さんが生きている(やり直した方の)現実にもどっているのです。パラレルワールドでも、ちゃんと三島さんは生きているルートにしてくれるのありがたい。二人は同棲も考えて、ハッピーな感じで終わります。

この話の肝は、三島さんと椿さんの出会いのポイントがズレてるところだなぁと思いました。三島さんが椿さんを受験の日に会っていた人だと知ってしまっていたら、そこからやり直してしまうと成り立たない関係だったけど、三島さんが合コンの日からやり直していたときに既に椿さんは三島さんのことを好きでいたわけなので…。本当に、椿さんが出会いについて話してなくて良かった。二人で福井の寒い冬の海を眺めるシーンはないものの、それが容易に想像できる終わり方でした。

何回も聞いていると、死神の飛田さんと興津さんの話し方、死神の戸部さんと吉野さんの話し方が同一人物っぽさがあって声優さんってすごいなぁと思いました。

フリートークは11分ほど。収録を終えてリラックスモードの吉野さんと、ずっと静かな役だったので大きな声で発散する興津さんでした。私は吉野さんのフリートークを聞いたのは少ししかないんですが、シャイな人同士の微妙な空気感が良かったです。印象的なシーンからの大学の学食の話で興津さんのお気に入りメニューとか、吉野さんが合コンと思ったけど違った話とか聞けました。節度のある話の運びがオトナでいいですね…。死んだ後に一つだけ願いを叶えるなら、では吉野さんの真面目なお答えと、興津さんの男の人ならではの銭湯についてのかわいいお願いでした。購入者だけだからということでちょっと攻めた感じのトークがありがたいです。ドラ〇ンボールの話って世代的に共通言語なんだな〜ってほっこりしました。

というわけで感想でした。
やはりBL小説のCD化は、CDだけでも楽しめて、小説を読むと細部がより立体化してくるし、楽しいなあ、もっと増えるといいなあ、と思いました。(興津さん受けの小説からのCDが出たら狂喜乱舞する) 

調べたら、綾ちはる先生は八町いちあき先生として作品を出されているそうです。「イエスタデイをかぞえて」についてのポストも発見しました!

吉野さんらしいエピソードですね!

https://www.atis.cc/recreport/atis093/interview.html

↑↑収録インタビュー。やはり吉野さんとの収録にはドキドキしていったらしい興津さん。過去と現在をいったりきたりするから同じシーンやセリフがあるけど全部使い回しでなく演じているようなので、やはり何回でも聞き込む価値のあることが分かります!

ではでは、また次の記事で…!

(もしも人生をやり直したらもっと昔から推し殿の仕事を追いかけていたいような気もする)(しかし応援はじめてからまだ2年ちょいという新規ファンである自負もあるのでこのままでいい)(脳内が推し殿のことで日々を過ごしていてこれでいいのか自問自答するけど迷惑をかけていなければいいかと思っています)(迷惑じゃないことを祈るばかり)


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gie チップは必要ありません😊どうか、あなたの心を癒したり支えになったりするような作品に出会えますように祈っております!今後ともよろしくお願い致します!