社畜の心に愛を教えてくれる全人類に読んでほしいBLだけどBLじゃないようなBL「雷神とリーマン」感想

今回はRENA先生原作「雷神とリーマン」の感想です。こちらは、漫画の特典としてドラマCDが出ていて、そちらに興津さんが出ているので知りました。1巻の内容がCDになっているのでそちらの感想と、それ以降の漫画の感想になります。

視聴はここから↓


こちらは4巻の単行本の特典CDなので、フリートークなどはなく、最後のトラックに2人の立場が逆転バージョンのミニドラマ(単行本4巻の書き下ろし)がついています。

ネタバレなし感想
大阪弁最高。興津さんの大阪弁が聞けるCDとしてはめちゃくちゃ最高です。声のトーンは高すぎずやや低め。そしてコメディ要素があるので、わーっとなったり突っ込んだり、そしてゲイの主人公なので、時にキュンとときめくなどの色々な表情を楽しめます。お相手の雷神は安元さん。安元さんはやはり、こういう話が一見通じないようなキャラクターがしっかりできるタイプなんだなぁと思いました。普通の人間としてより、どこか違うスタンスがあるっていう空気感がばっちりでした。見た目高校生に見える時のやや高いボイス、本来の雷神姿の低いイケボと2つの声が楽しめます。
CDだけ聴くとほのぼの異種族の淡いBLな感じ?に思えますが、本編は始めとはまた違ったどんどん深い内容になりますので損はさせません!!!(ダイマ)

ここから、ネタバレあり感想に突入します。
主人公は社畜の大村さん(CV興津和幸さん)で、いつも寝不足、残業にまみれて疲れたサラリーマンです。2年前まではノンケの先輩と同居していて片思いをしていましたが、ノンケの先輩には恋人が出来てからは一人暮らし。そしてその寂しい家に帰ると、そこには雷遊と名乗る雷神の雷遊さん(CV安元洋貴さん)がいます。なかば強引に自分を人間にしろと言ってくる雷遊さんに、大村さんは戸惑いつつも最終的には部屋に置くことにします。
ここでのやりとりからもう、素晴らしかったです。
雷神の浮いてて色々な見た目に戸惑っているところのモノローグが面白い。「でんでん太鼓…背負っとる…」が。でもこれ、CDだけのセリフです。情景描写などを説明するための補足のためのセリフがとても自然なので、漫画を読まなくてもすんなり理解できるのもこのCDのいいところです。雷遊さんに「帰れ」という大村さんの全力変顔と興津さんの言い方も好きです。

次の日には、大村さんの心の痛みを感じて雷遊さんが大村さんを空に上に連れて行くところ、すごい感動的なシーンなんですが、ここも飛んでいくときの叫びがすごい面白いです。

本編の流れとCDは少し順番が違うのですが、大村さんが仕事してる時に名前を読んだら雷遊さんがすぐに来てくれて「惚れてまうやろ」の言い方が好き。仕事を頑張るなんて当たり前のことだからという大村さんに、当たり前など関係ないと言う雷遊さんに私の心が慰められます。最後、スーツ姿になった雷遊さんに「グハッ」てなります。ここもCDオリジナルなセリフ。

順番前後で、2人で一緒にベッドで寝る話。雷遊さんと同衾してイケナイ気持ちに耐える大村さん。雷遊さんの見てきた、世界の始まりから人間が生まれていくまでの話。普段知ってるようなことだけど、改めて漫画で読んでもこの世が今あるようになってるのって奇跡だなあと思います。翌日、2人で握り飯を作るのでコンビニにいく大村さんの鼻歌が聞けます。興津さんの鼻歌演技大好きなのでここもポイント高し。出掛けに炊飯器開けるなって言われて開けちゃう雷遊さん可愛い。初めての梅干しに怒る雷遊さんで、安元さんの本気の大声が聞けます。おにぎり食べて幸せになれるBLって良いよね…!!
パソコンに興味を持って教えてもらうと、すぐにストレスの倒し方を調べてくれて、抱きしめ合うことに。何これ優しい世界…。雷遊さんの体温が冷たいのを暖かくしてもらって、ぐっすり寝られる。
最後のトラックで、4年前から添い寝だけするという肉体関係を持ってた㮈村はなむらさん(CV木村昴さん)に呼ばれて会います。サブキャラ豪華すぎる…!!ちょっと怪しいゲイ友の雰囲気満載でした。誘われて路地裏で抱きしめられて、雷遊さんのことを思い出して家に帰る。過去のノンケの先輩に、密かに恋をしていた思い出。雷遊さんに必ず人間にすると約束する大村さん。物語がこれから始まりそう、なところで本編は終わってしまいます。でも、単行本で漫画を全て読んだあとでここの誓いを聞くとじ~んとしました。

SpecialTrackには、雷遊さんと大村さんの立場逆転バージョンのお話が入っています。全然動じない人間の遊世さんに、ちょっとお馬鹿な感じのほむらさん(火の神)がたじたじとなる。作者のRENA先生は、ご自身の作品の二次創作?(スピンオフとかifものとか)をPIXIVに沢山載せてくださるのでそれも楽しく拝読しました。

CDはここまでなのですが、1巻には合間に2人で家具を買いに行くとか、惣菜を買ってラーメンなどを家で作って食べる、雷遊さんがお風呂に入るなどのエピソードが入ってます。そのどこのシーンでも、ちょっぴりおとぼけ発言の雷遊さんにツッコミつつキュンキュンする大村さんとか、あと2人を見かける腐女子の店員さんコンビが出てくるんですがついつい共感してしまいます。私の勝手な偏見ですが、BLに出てくる女子キャラがいいと名作って思ってます。別に腐女子とかでなくてもいいんですが、さっぱりしてるとかいい感じの気風のいいキャラとか、女性からみて好ましい書き方の漫画が好きです。

ここからは漫画の続きについてです。
2巻は、雷遊さんが学校に行きたいといい出して、大村さんの父方の親戚の高校生、繭雛利久まゆびな りくさんに頼みます。正体を見せて頼んで、とりあえず利久さんのお父さんの経営してる高校に行って、昭和のヤンキーみたいなお友達と仲良くします。このリーゼントの2人が友達で、雷遊さんがおかしなことをしても気が付かないあたりがほっこり。屋上で大村さんが早起きしておにぎりを作ってくれてる回想とか、それを嬉しそうに食べてる雷遊さんが可愛い顔してるんです。ああ、アニメで見たいよ…!!!!(まだアニメ化諦められない人)
2巻は2人で図書館に行くシーンがあって、雷遊さんは全ての記憶を忘れることができないと聞いた大村さんが、今日の思い出を楽しいものにしよう、と言うんですが、ここの雷遊さんのモノローグのセリフが、今読み返すと涙腺が刺激されます。
2巻は学校で陰キャでちょっといじめられてる重山千賀子さんが、雷遊さんによって救われるエピソードが入ります。見た目で差別、上下関係、などの人間のあるあるなこと神様視点でぶっ飛ばす雷遊さん。まじで教育的BLです。大好き。利久さんと愉快なお友達も、チカコさんとお友達になります。
そして、2巻は出張に出た大村さんを待つ雷遊さんが、急に様子がおかしくなり、大村さんが火傷を顧みずに雷遊さんを抱きしめて落ち着かせる、ということが起きます。名前を呼ばれて「らいゆう」の文字が水に沈むコマが素敵。寂しさから消え入りそうな状態になったという雷遊さん。
雷遊さんは火傷した大村さんを甲斐甲斐しく面倒を見て、休みの日に約束していた水族館デートに行きます。2巻は、おまけのページに変身に失敗したチビ雷遊さんのお話がついてて、そこは私も(大村さんと同じく)悶え死にました。

3巻はお友達の雅士さんの親戚の海の家でバイトする話から。雅士さんのおじさん、セパタクローやってるあたりがRENA先生節を感じます…。そこでも怪力、夏に浮かれ、大村さんファーストをぶちかます雷遊さん。頑張ると褒められるのが嬉しいのを体験し、2日続けて浮き輪を借りに来た兄妹のお兄さんを褒めてて、なんかじんわりする。大村さんは普通にリゾート決め込んでて、大体ヨダレ垂らして寝てて「すぴょすぴょ」してるのがめっちゃいい…。RENA先生のオノマトペの使い方が好きです。

海の家のあと、いくつかショートストーリーがあるのですが、カラオケの話がお気に入り。大村さんのデスボイス、聞きたいな…!

すっかり仲良くなったチカコさんちにお邪魔してシフォンケーキを作るのを手伝わせてもらう話。ここで結婚の概念に触れる。奇しくも大村さんは親戚の結婚式に呼ばれて、ちょっとゲイとして独り身の肩身の狭さを味わい、父親の具合が悪くなっていることを兄の葵さんから聞きます。帰り道には雷遊さんが待っていて、心が慰められる大村さん。(シフォンケーキを食べる時は「まむまむ」って書いてあるのが好きでした)
夏祭りで順調に利久さんとチカコさんが距離を縮めていくのと、そこで貰った金魚が一匹亡くなってしまう話で、雷遊さんはまた命の儚さを感じます。そして、お盆休みの日に大村さんの管理しているおばあちゃんの家である古民家に2人でいき、豊かな自然に囲まれた場所で過ごし、この先ここで暮らすと考えていると大村さんは話します。満天の星を見つめながら、将来のことに思いを馳せるシーンで、大村さんといたいと雷遊さんに言われて嬉しいと答える大村さんの笑顔が美しく見えて、初めて読んだ時にも泣いてしまいました。
読み返す度に、何回でも泣いてしまいそうになるシーンです。

4巻、利久さんとチカコさんが大村さんに呼ばれて来ると、なんとあの高知の家にいる時に金色に輝く玉になってしまった雷遊さんがいました。チカコさんの話で雷遊さんは「子孫を残したい」という願いを話します。自分の願いがはっきりしたことと、大村さんが見せた笑顔に安心して元の姿に戻れたのですが、逆に大村さんはそこから悩むようになります。
2人で1巻の時に花見に行って見に行った雷遊さんお気に入りの桜を秋に見に行き、そこで雷遊さんが生まれ変わりの話をしてくれますが、大村さんは今生きてる自分が一番でいたいといいます。ここで、2人の先に別れが待っていることが実感されてきて、素敵なシーンなのに切ない。チカコさんと利久さんが恋人になったことを知り、自分も恋人だと言う雷遊に喜ぶものの、子孫を残したい願いにはどうしても叶えられないということで再度金玉化してしまいます。
玉になった雷遊さんをリュックに背負って、大村さんはお父さんのお見舞いに行きます。疎外感を感じ、親から認められてないと思っていたためにぎこちない会話を、玉のまま話す雷遊さんのせいでちょっとおかしな空気に。ここで、老いた父に気が付く大村さんと、大村さんの車が出ていくのを実は病室から見守っていたお父さんの愛情が感じられるシーンです。
ますます玉になって会話も出来なくなっていくのに、大村さんは仕事を早く切り上げて雷遊さんにずっとそばにいると語りかけます。2人とも、お互いに一緒にいたいというのが一番の願いと感じられた時に、雷遊さんは元の姿に戻ります。
4巻は泣けるシーンが多過ぎる〜!!!!

5巻。大村さんが㮈村さんに髪を切ってもらったり、ヤスさんと雅士さんに雷遊さんの正体を明かしたり(すんなり受け入れてくれる)、2人が神社に行く話があったり。この神社の言い伝えだと、なんとなく、大村さんがやはり火の神の生まれ変わりなんじゃ…みたいに思います。
2人の生活も変わっていくために色々準備して雪を見るシーンも好きでした。
1巻で出てきた家具屋と惣菜屋の女性店員さん達が、2人を金さんと黒さんと呼んでいるのもエモいし切ない。2人が買っていた金魚に、雷遊さんが付けた名前がキンとクロだから…。戸籍ができたら名前を付けることになるというので、「もいち」「いっぺい」になりかけたあたりで吹き出しました。(ヤスさんと雅士さん本当にいい奴)
このあと、雷遊さんが大村さんのことでチカコさんに相談するのですが、私はここを読み返したら場所も憚らず泣いてしまいました。養子縁組をするにあたって父親に雷遊さんを紹介する、それを本当のことを言わずにすることに悩む大村さんの気持ちと、チカコさんが生まれて初めて利久さんへの好きな気持ちを説明して雷遊さんに話すんですが、もうここはBLとかじゃないんですよね…。人を好きになるっていう根本的なものが描かれている気がします。
そして、養子縁組を話に行くシーン。大村さんのお父さんはもう前回よりも痩せてしまっています。そして、なんとか話していくうちに雷遊さんが飛び込んできてパートナーであることを話します。実は両親は大村さんのことを気がついていたのに、どう接するのがいいのか悩んでいたことが分かります。お兄さんの娘さんが雷遊さんにすぐに懐いてて可愛い。
次に、6年後。2人は前に話していた広めの部屋に引っ越していて、雷遊さんは遊世さんとして仕事をしています。ヤスさんは弁護士の見習いに、利久さんはチカコさんと相変わらず仲良く、雅士さんは料理人になるべく頑張っています。時の流れの中でも、2人の思い出の桜を見るために久しぶりに雷神の姿で桜の花を握りしめて帰ってくる雷遊さんは、うっかり利久さんがくる約束だったのを「忘れて」いました。少しずつ人間のようになっているのです。大村さんの手の甲に、少し年齢を感じたように描かれています。

そして、最終話はセリフがほぼないコマで描かれます。利久さんとチカコさんとの結婚、高知のおばあちゃんの家で過ごす2人、夢を叶えたヤスさんと雅士さんと再会、どんどん年を重ねる大村さんと、全く年齢が変わらない雷遊さん。最後、2人でタブレットで囲碁のようなゲームをしているところで、なんと大村さんが雷遊さんに勝っている描写もあります。そして、最期の時。お骨になった大村さんを抱えて利久さん、チカコさんに別れを告げ、2人の約束の桜の根元にお骨を埋めます。そこで何年も何年も、ずっと桜の樹が朽ちるまで時を過ごし、失った痛みすら生きたことの証として涙を流しながら、大村さんに会いたいと願う雷遊さんに、涙が止まりません(何回読んでも)
最後に、雷遊さんもどこか姿を消します。

大村さんの葬儀の会場に「桔梗」と書かれていて、大村さんのお墓の岩の横に最後に咲いているのは多分桔梗かなと思って花言葉を調べたら「永遠の愛」「変わらぬ愛」「誠実」「気品」などがありました(涙)

このお話の最後にRENA先生が想定していた続きがあるので貼っておきます。(最終巻のラストの話もついています)でも、読まなくても良いかもしれません。とにかく、私はこの話に描かれた雷神の雷遊さんと大村さんの過ごした時間が全てを伝えてくれた、というようにも思えました。続きも読めて嬉しかったことは間違いないのですが。


私がこの話に感動するのは、「愛」ってなんだろうな〜というちょっと語るには気恥ずかしいようなことを、真っ向から描いてくれてるからだと思います。noteを見ると推し活についての賛否両論、某金融会社CMの愛があるかを問うフレーズなど。日常に「愛」って安売りされてるな…という気がしてならないのですが、そういうのとは違った本質的なことを含んでる気がして、単にBL漫画だから好き、というのを超えて好きな作品です。萩尾望都先生の「トーマの心臓」でトーマのユーリへの愛に撃ち抜かれた若き思い出があるんですが、「こんな愛があるんだ!」ではなく、「これが愛ってやつか…」としみじみとさせてくれるチカラをもった作品でした。死ぬ前に読み返したい漫画ランキングに間違いなく入ります。これ読んだら多分全然悔いなく死ねそうです。いや、私は、ですが。

という訳で、この辺で感想はおしまいです。
折角なので、2024年秋に安元洋貴さんのラジオに興津さんがゲストに呼ばれた回、2025年のCygamesさんのトンチキアニメ(褒めてる)「ネクロノミ子のコズミックホラーショウ」のWEBラジオで興津さんがゲストだった回を貼っておきます。多分、笑セルにゲスト出演したあたりでお二人がネクロノミ子の収録してたっぽいのが繋げて聞くと分かります😊安元さんの安定の司会ぶりと、興津さんのフリーダムな感じが楽しいです!!!

(これの次の回でも冒頭で興津さんと飲みに言った話をしてくださいました)

(ここでは好きなラーメンや、あと興津さんの人となりについての安元さんの見解が聞けます。共演の小西克幸さんの話もちょっぴり出て嬉しい。この次の回にもゲスト出演されてます)

では、また次の記事で…!!!

(雷神とリーマンほどアニメ化して誰も傷つかない漫画ないと思ってる)(しつこい)(キャストそのままがいい)(綺麗な心でいたいものだなぁと思う今日このごろ)(2巻の表紙でネクタイを胸ポケに入れて炒飯作る大村さんが好き)

RENA先生のインタビュー

RENA先生の心の叫び(私も祈ります)

これからも「雷神とリーマン」が好きな人が増えますように…!!!

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