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照射|制服びしょ濡れテンプレ問題|あわいの掌編集12|シロクマ文芸部《洗濯機》

洗濯機に放り込まれる、びしょ濡れの制服──。
放課後のふたりの湿度は、いつだって物語の前奏曲だ。

時間は、ウィークデーの放課後で、比較的、早めの時間帯である。
場所は、両思い未満の思春期の男女の家。女性側の頻度の方が、若干だけ高い印象がある。都合のいいことに、家には紛れ込んだ黒猫ぐらいしかいない。
シチュエーションは、帰っている最中に突然の大雨または雷雨。だいたい風邪対策として、どちらか一方によって、静かにしかし確信的に提案される。まあ、びしょ濡れになった以上、今さら取り繕っても、どうにもならんのだ。潔く濡れて帰れって話である。

まあ、こういう放課後の湿度というか、二者のどうしようもなく揺れるあわいは、わたしの好物ではあるけれど。とはいえ、こんな好都合、現実にどれほど起きるんだい。

そして、プールに飛び込んだみたいなびしょ濡れって、線状降水帯の発生確率が高すぎないか。地球温暖化も極まってきたものだ。お天気レーダーの発達がめまぐるしいから、これからは、事前に回避しろよ。
そもそも制服の素材って、家庭用洗濯機に放り込み、あまつさえ乾燥機に掛けていい代物なのか。素材表示は読め、とな。

あとこれだけは是非言っておきたい。生乾きの制服ってニオイがきついよね。況や靴なんて、永遠に湿気ったたまますらある。醒めるし萎える。
それをドライヤーで必死に乾かし続けたところで、時間に限りがあるしさ。むしろ、セブンやタロウの方が、長時間保つまである。しゅわっち。

──つまるところ、青春のあらゆる持続時間は、頗る短い。

というか、全自動洗濯乾燥機の普及率が異様に高くないか。まあ、手動乾燥させているうちは、物語は遅々として進まない。その描写を延々と見せられても、湿度の操作実験にしかならないからな。進行都合上は、すべてが全自動で、不意に空き時間ができることにこそ旨味があるんだろうけれど。服は乾けどあわいは湿る。

古今東西、くり返しプロットされ続けているテンプレではあるが、見せられる度に些事が気になって、集中できないのはわたしだけだろうか。
いやに詳細かつ具体に過ぎると勘ぐる向きもあろう。されど案じられるな。当時、我が家の洗濯機は二槽式であった。経験あらば、斯くの如き捻れたテンプレ批判など致すまいに。

──あれ、こんな事を告発するようなシリーズだったっけ。

それはただの口実だと?黒猫が濡れた前足を舐めつつにやりと笑ふ。
斯様な艶めきたること、お子ちゃまには荷が重い故、あなたに丸投げする。

だけど、いやだからこそ、放課後の湿度はいつだって甘いままだ。

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