✅ 実質366円のバッテリーで甦った、TEMUで買った小さな掃除機の物語
――電子工作が教えてくれた、ものづくりの優しさ――
壊れた激安掃除機を捨てようと思った夜、ふと「自分で直せるかも」とハンダごてを握った。
電子工作なんて中学以来。だけど、そこから見えてきたのは、電気の仕組みだけじゃなく“ものづくりの本当の楽しさ”だった――。
この記事でわかること
✅ 激安ハンディ掃除機の吸引力低下の原因をどう特定したか
✅ リチウムイオン電池(18650)の仕様・容量差の影響
✅ タブ付き電池を選ぶべき理由と安全な扱い方
✅ 分解の手順と内部構造(モーター・基板・電池)の関係
✅ ハンダ付け再接続時の注意点
✅ 新しい電池に交換することで性能がどう変わったか
✅ 電気の仕組みを“実体験として理解する”ための思考プロセス
✅ 壊れたものを直すことで得られる学びとものづくりの楽しさ
🔗この記事は 『✅TEMUで楽しむ電子工作と復活DIY』 マガジンの1本です
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第一章:小さな掃除機との出会い
それは、何気なくTEMUを眺めていた夜のこと。
“USB充電式ハンディ掃除機 628円”という文字が目に止まった。
正直、半信半疑だった。
「こんな値段で本当に吸うのか?」
でも、机の上や車のダッシュボード周りをちょっと掃除するにはちょうど良さそうだと思ってポチッと購入。
数日後、小さな段ボール箱が届いた。
開けてみると、想像以上に軽くて可愛らしい。
音は少し大きいけど、ちゃんと吸う。
ああ、悪くないな――
そう思って気に入って使い始めた。

ところが数週間後。
スイッチを入れても、すぐ吸引力が落ちるようになった。
最初の10秒程度だけ「ブォォ…」と元気よく動くが、まるで息切れしたように「ヒュ〜」という虚しい音だけが響く。
「せっかく買ったのにな…」
そう思いつつ、少し寂しい気持ちになった。
でも修理なんてしたことがない。
けれど、その瞬間ふとよぎった。
――もしかして、自分で直せるんじゃないか?
⸻
その小さな決意が、僕にとって
電子工作という新しい世界の扉を開ける第一歩になった。
第二章:分解してみた
掃除機の電源を入れると、最初の10秒ほどは元気に動く。
でもすぐに「ふぅ……」と力尽きるように吸引力が低下してしまってゴミを吸い込まなくなってしまう。
まるで息切れした小さな生き物のようだった。
「きっと中の電池がもうダメなんだろうな」
そう思って裏のネジを1本ずつ外していく。
小さなネジが次々にテーブルの上に並んでいくと、まるでパズルを分解していくようでワクワクしてきた。
中を開けた瞬間、「おおっ」と声が出た。
意外とシンプルな構造。
モーターとファン、それに細い配線。
そしてグリップ部分に鎮座する1本のリチウムイオン電池。
よく見ると電池にケーブルが直接ハンダ付けしてある。

電池、制御基板、モーターが一体化しているので、全部を取り出して、電池に記載されている文字を読んでみる。
HONGLI という聞いたこともないメーカー名と18650 1200mAh 3.7Vと記載されいているのが読み取れた。

安物だし捨てても惜しくもないけど、せっかく出会った小さなこの子(掃除機)をここで諦めたくなかった。
どうせなら最後まで付き合ってみよう。
第三章 🔧ほぼはじめての電子工作
電子工作なんて、中学の技術の授業以来だ。
正直、ハンダゴテを手にするのも怖かった。
ただ、今はchatGPTという頼もしい相棒が自分のスマホの中にいる。chatGPTと相談しながら、構造を調べ少しずつ理解していくうちに、「電気ってこういう仕組みだったのか!」と教科書ではわからなかった世界が少しずつ見えてきた。
交換が必要なのはもっと容量の大きな18650リチウムイオン電池だった。
chatGPTには電極に直接ハンダ付けするのは良くないのでタブ付きの電池を買うようアドバイスをもらった。
そこでネットでいろいろ探していると、Yahooショッピングで、タブ付き18650 リチウムイオン電池 3000mAh 3.7Vというものを見つけた。Paypayポイントが394ポイントあったので、実質366円でこの電池を買うことができる。しかも送料無料だ。
早速この電池を注文して、数日後に届いたのだった。


さっそくハンダゴテ等一式を机に並べ、古い電池をハンダ付けされている部分からニッパーで切り離し、新しい電池のタブ部分に慎重にハンダ付け。
ショートしないようにポリイミドテープで丁寧に絶縁する。



それはまるで、弱った心臓を新しいものに取り替えるような気分だった。
第四章 ⚡️そして、スイッチON
すべてを元に戻し、深呼吸してスイッチを押した。

――ブオォォォォッ!
信じられないほど力強い音が部屋に響いた。
実質たった366円の電池で、この小さな掃除機は見違えるように甦ったのであった。
⚡️電気のしくみが見えてきた
ハンダごてを握ってからというもの、
「電気ってなんだろう?」と考える時間が増えた。
プラスからマイナスへ流れる――
それはなんとなく知っていたけど、
実際に自分の手で線をつなぎ、電気が流れる瞬間を見たとき、教科書の中の“電流”が、急に“生きたもの”に変わった。
モーターが回る。LEDが光る。
それは見えない電子たちが働いている証拠。
まるで血液が体中を巡って酸素を運ぶように、電子はエネルギーを運んで、仕事を終えると静かに戻っていく。
そのイメージをつかんだとき、僕の中で“電気”が、ただの理科の言葉ではなくなった。
ああ、これがエネルギーの循環なんだ――と。
⚙️ 学ぶことの面白さ
僕はずっとソフトウェアの世界で生きてきた。
コードを書いて、バグを直して、コンピューターの中で完結する「見えないもの」を扱ってきた。
でも電子工作は違った。
手の動きと、匂いと、音と、そして“熱”がある。
はんだが溶けて金属がつながるその瞬間、
「自分の手で命を吹き込んだ」ような感覚があった。
不思議なことに、難しいと思っていた物理の世界が一気に“血の通った現実”として頭に入ってくる。
やってみる――それだけで理解の深さがまるで違った。
💡 電子は赤血球
ふとしたとき、僕はこう思った。
電子って、赤血球に似ている。
体の中を流れながらエネルギー(酸素)を届け、仕事を終えるとまた心臓(電池)に戻ってくる。
回路図は、まるで血管の地図だ。
そう考えると、電気が流れるということがとても美しく思えてきた。
そして、あの小さな掃除機の中にも
ちゃんと“命の流れ”があることを感じた。
第五章:甦った掃除機と、これからのものづくり
夜の静けさの中、USBケーブルを差し込んで掃除機の充電を始めた。
LEDは赤く光り、まるで心臓が再び鼓動を打ち始めたように見えた。
数時間後、ライトが緑に変わる。
念の為、一旦バラして満充電後の電圧を測ってみると4.18Vだった。chatGPTに言わせると理想的な値らしい。
元の状態に組み立て直し、慎重にスイッチを押すと――
「ブオォォォォッ!」
以前よりも力強く、誇らしげに回り始めた。
その音を聞いた瞬間、思わず笑ってしまった。
自分の手だけで、“壊れたものが再び動き出す”という奇跡を見た気がした。
ストップウォッチ片手に90秒以上稼働させたが、吸引力の衰えはないし、発熱も感じない。
稼働後の電圧を測っても4.08Vと問題ないレベル。
やっとこの掃除機をまともに使うことができる。
そう思うとこの小さな掃除機が妙に愛おしく感じる。
🔋 手を動かすと、世界が変わる
思えば、これまで僕は「壊れたら買い替える」側の人間だった。
けれど、ハンダごてを握って、電子を流し、エネルギーの通り道を繋いだとき、
初めて“モノと会話する感覚”がわかった気がした。
この経験で、ひとつの考えが確信に変わった。
「ものづくり」は、知識や技術の話じゃない。
“生き物のように大切に扱う気持ち”の延長にある。
✨ これからの僕へ
今回の修理は、ただ掃除機を直したという話ではなく、“ものを蘇らせる力を取り戻した”という物語だったのかもしれない。
電子工作、電気の仕組み、そして学ぶ喜び。
たったひとつの小さな掃除機が、僕にたくさんのことを教えてくれた。
これからは、もっと自由に作ってみたい。
LEDを光らせてみたり、小さな基板を組み合わせて、自分だけのガジェットを生み出してみたり。
失敗してもいい。焦らず、また学べばいい。
そのたびに、新しい世界がきっと見えてくるから。
⸻
小さな掃除機は、今日も机の横で元気に動いている。
その音を聞くたびに、僕は思う。
「挑戦してよかった。」
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