【イタリア20州ワイン巡礼 #2 トスカーナ】オリーブの丘とサンジョヴェーゼ――“絵画みたいな景色”が育てる赤
1.オリーブの丘と赤い屋根――トスカーナを一言でいうと
イタリア中部、ティレニア海に面し、内陸はアペニン山脈まで
なだらかな丘が続く州、それがトスカーナです。
フィレンツェやシエナといった都市、糸杉の並木道、オリーブの木、
石造りの古い村――「絵画みたいなイタリア」のイメージの多くは、
実はトスカーナの風景そのものです。Italian Wine Central
ワインの世界では、サンジョヴェーゼを中心とした
赤ワインの名産地として知られます。
キアンティ、キアンティ・クラシコ、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ、ヴィーノ・ノビレ・ディ・モンテプルチアーノ、
さらにはボルゲリのスーパータスカンなど、
世界的に名の通った DOCG / DOC が並びます。visittuscany.com+1
ざっくり言うと、トスカーナのワインはこんな性格です。
サンジョヴェーゼ:酸とタンニンで「縦軸」をつくる骨格派
海沿いのカベルネ・メルロ:ボルゲリで育った“地中海ボルドー”
白(ヴェルナッチャ、ヴェルメンティーノ):地中海の塩気とハーブ感が心地よい爽快系
「トマトの赤」「オリーブオイルの緑」「ステーキの焼き目の茶色」。
そんな色のある食卓をイメージしながら飲むと、
トスカーナのワインは一層しっくりきます。
2.「農民のワイン」から「スーパータスカン」へ――トスカーナのワイン史タイムライン
トスカーナのワイン史は、キアンティの歴史とスーパータスカンの反逆と
いう二つの軸で見ると整理しやすくなります。
2-1.中世の都市国家:フィレンツェとシエナが育てたワイン文化
中世からルネサンス期にかけて、トスカーナはフィレンツェやシエナと
いった都市国家と商人、修道院によってワイン文化が支えられてきました。
特にキアンティ周辺は早くから「良質なワインの産地」として認識され
、税や輸出を通じて都市の経済と結びついていきます。consorziovinochianti.it+1
2-2.19世紀:リカーゾリ男爵と「キアンティ・レシピ」
19世紀には、リカーゾリ男爵による「キアンティの理想的ブレンド案」が
登場します。
サンジョヴェーゼに少量のカナイオーロや白ブドウ(トレッビアーノなど)を加えることで、香りと飲みやすさを両立させようとしたレシピです。consorziovinochianti.it
この頃から、キアンティは「農民のワイン」でありつつも、
都市の食卓を支える存在になっていきます。
2-3.戦後〜1960年代:藁巻き瓶と大量生産
戦後から1960年代にかけて、世界中のイタリアン・レストランのテーブルに乗ったのが、藁巻き瓶(フィアスコ型)のキアンティ。
ボトルの見た目もあって人気を博しましたが、
一方で「安価で素朴」なイメージが強まり、
品質面では揺らぎのある時代でもありました。
2-4.1970〜80年代:スーパータスカンの“反逆”
1970年代、いくつかの造り手が既存の DOC 規定に縛られない
ワイン造りを始めます。
サンジョヴェーゼにカベルネやメルロをブレンドしたり、
あるいは国際品種主体で高品質なワインを作った結果、
それらはルール上「テーブルワイン」としてしか名乗れませんでした。consorziovinochianti.it+1
しかし、そのクオリティは世界的に高く評価され、
やがてこれらは「スーパータスカン」と呼ばれるようになります。
2-5.1990年代:IGTトスカーナとボルゲリDOCの確立
1992年、イタリアに IGT(Indicazione Geografica Tipica)というカテゴリーが導入され、「トスカーナIGT」がスーパータスカンの受け皿となります。Vignaioli America+2Drink Italian+2
同時に、ボルゲリ DOC やボルゲリ・サッシカイアDOCなど、
海沿いエリアの格付けも整備され、「ボルゲリ=地中海ボルドー」という
イメージが定着していきます。Drink Italian+1
2-6.21世紀:クラシックDOCG+スーパータスカン+白・ロゼの多様化へ
現在、トスカーナには11のDOCGと多数のDOC/IGTが存在し、
Chianti・Chianti Classico・Brunello・Vino Nobile・Vernaccia などが
代表的な DOCG として位置づけられています。Web Food Culture+1
21世紀のトスカーナは、
キアンティ/ブルネッロ/ヴィーノ・ノビレといったクラシックDOCG
ボルゲリや IGT トスカーナに代表されるスーパータスカン
ヴェルナッチャやヴェルメンティーノといった白/ロゼの多様化
が並走する、多層的なワイン産地へと進化しています。
3.内陸の丘 vs 海沿いの風――トスカーナのテロワール地図
トスカーナを理解するうえで、
大きく「内陸の丘」と「海沿い」の二つの軸があります。
3-1.「これぞトスカーナ」という景色:ヴァル・ドルチャとキアンティの丘
ヴァル・ドルチャ(Val d’Orcia)は、
なだらかな丘と孤立したファームハウス、
糸杉の並木道が続く風景で知られ、世界遺産にも登録されています。
キャンティクラッシコ+2Italian Wine Central+2
キアンティやモンタルチーノの畑は、まさにこのような丘陵地に広がり、
標高の高さ
昼夜の寒暖差
粘土・石灰・ガレストロ(粉砕した泥灰岩)などの土壌
によって、サンジョヴェーゼの酸・香り・タンニンの骨格が形作られます。Italian Wine Central+1
3-2.キアンティ&キアンティ・クラシコ:アペニン山系に抱かれた丘陵
キアンティの広域DOCGは、フィレンツェからシエナ、
さらにその周辺まで広くカバーする一方で、キアンティ・クラシコDOCGはその“芯”にあたる歴史的エリア(フィレンツェとシエナの間)
だけを指します。Dalla Terra+1
標高や土壌構成の違いから、キアンティ・クラシコの方が、
昼夜の寒暖差が大きく
サンジョヴェーゼの酸と香りがはっきり出やすい
とされることが多く、近年は品質面で高い評価を受けています。Food & Wine
3-3.モンタルチーノ&モンテプルチアーノ:南トスカーナの“濃さ”
モンタルチーノはトスカーナ南部に位置し、
より暖かく乾燥した気候と多様な土壌を背景に、
ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ DOCG を生み出しています。
サンジョヴェーゼ・グロッソ100%、長い熟成義務を伴う濃密な赤です。italysfinestwines.it+1
モンテプルチアーノでは、サンジョヴェーゼ(プルニョーロ・ジェンティーレ)主体のヴィーノ・ノビレ・ディ・モンテプルチアーノ DOCGが造られ、ブルネッロほどの力強さよりも「ふくよかさとバランス」が特徴になります。ウィキペディア+1
3-4.ボルゲリ&マレンマ:海風と砂利が育てる“地中海ボルドー”
ティレニア海沿岸のボルゲリやマレンマでは、
海からの風と温暖な地中海性気候、砂利や砂質を含む水はけの良い土壌が、カベルネ・メルロ・シラーなど国際品種の成熟を助けています。
キャンティクラッシコ+2Italian Wine Central+2
ここから生まれるスーパータスカンは、
熟した黒い果実
ハーブや甘いスパイス
しなやかなタンニン
といった要素を備えた、“海風を感じるボルドー系赤”として世界的な地位を確立しました。
4.サンジョヴェーゼが主役、でも脇役も多彩――トスカーナのブドウとスタイル
4-1.サンジョヴェーゼ:縦軸をつくる骨格品種
サンジョヴェーゼは、トスカーナの赤ワインを語るうえで欠かせない主役品種です。
香り:赤いチェリー、スミレ、ドライハーブ、土、タバコ
味わい:高めの酸、しっかりしたタンニン、ミディアム〜フルボディ
単体でもブレンドでも、料理と合わせたときに本領を発揮する
「ご飯の相棒」タイプ。
キアンティ、キアンティ・クラシコ、ブルネッロ、
ヴィーノ・ノビレなど、主要DOCGの多くがサンジョヴェーゼ主体で造られています。italysfinestwines.it+1
4-2.キアンティ vs キアンティ・クラシコ――何がどう違う?
ここで一度、「キアンティ」と「キアンティ・クラシコ」の違いを整理しておきます。
① エリア(どこで造られるか)
キアンティ DOCG
トスカーナ広域にまたがる大きな産地。 フィレンツェ〜シエナ周辺に加え、アレッツォやピサ寄りまで サブゾーンが広がる。Dalla Terra+1
キアンティ・クラシコ DOCG
歴史的な「キアンティの芯」にあたるエリアのみ (フィレンツェとシエナの間)。より限定された丘陵地。 Italian Wine Central+1
② ブドウ品種と配合ルール
キアンティ DOCG
サンジョヴェーゼ 最低70% が義務。 残りはカナイオーロやカベルネ、メルロなどをブレンド可能。wsetglobal.com+2Drink Italian+2
サブゾーンによって最低比率や熟成ルールが少しずつ異なります。
キアンティ・クラシコ DOCG
サンジョヴェーゼ 80〜100%が義務。残り最大20%までトスカーナで認められた赤ブドウ(カナイオーロ、カラーリノ、 マルヴァジア・ネーラ、メルロ、カベルネなど)をブレンド可能。 キャンティクラッシコ+2Carus Vini+2
白ブドウは認められず、「サンジョヴェーゼ主役の赤」に フォーカスした規定になっています。
③ 熟成区分とスタイル
キアンティ DOCG
一般的な「キアンティ」は短期熟成でリリースされる、 フレッシュ寄りのスタイル。
「キアンティ・リゼルヴァ」は最低2年間の熟成義務があり、 より落ち着いた味わいになります。Dalla Terra+1
キアンティ・クラシコ DOCG
アナータ(Annata):最低12か月熟成。フレッシュ〜 ミディアムレンジのクラシックなキアンティ・クラシコ。 キャンティクラッシコ+1
リゼルヴァ(Riserva):最低24か月熟成。骨格を保ちながら、 複雑さと丸みが増すスタイル。キャンティクラッシコ+2Carus Vini+2
グラン・セレツィオーネ(Gran Selezione):
エステート(自社畑)ブドウのみ使用
最低30か月熟成
現在はサンジョヴェーゼ最低80%、2027ヴィンテージからは 最低90%サンジョヴェーゼに引き上げ予定
ラベルには、11の UGA(追加地理単位=地区名)を表示でき、 テロワールの差別化がより強調される
といった、最上級カテゴリーです。 Food & Wine+3Italian Wine Central+3キアンティ・クラシコガイド+3
④ 味わいイメージのざっくり比較
キアンティ DOCG:
幅広いスタイルがあり、カジュアル〜中価格帯まで守備範囲が広い
「トマトソースのパスタ」「ピザ」「ラザニア」など、 日常のイタリアンに合わせやすい
キアンティ・クラシコ DOCG:
標高や土壌の影響で、酸と香りの輪郭がはっきりしたものが多く、 近年は品質対価格のバリューゾーンとして再評価が進んでいる。 Food & Wine
グラン・セレツィオーネは、「ブルネッロほど重くはないが、 テロワール表現にフォーカスしたトップレンジ」という立ち位置。
まとめると
広くてスタイルも幅広いのが「キアンティ」
というイメージで捉えておくと、ワインリストでも選びやすくなります。
4-3.ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ:サンジョヴェーゼ100%の“濃縮版”
ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ DOCG は、
サンジョヴェーゼ・グロッソ(ブルネッロ)100%で造られる、
トスカーナのフラッグシップ赤ワインのひとつです。
italysfinestwines.it+1
長期熟成の義務(通常、リリースまで5年以上)があり、黒いチェリー、
プラム、革、タバコ、スパイスなど、奥行きのある香りと
筋肉質なタンニンを備えます。
熟成に時間が必要な一方で、「開いてきたブルネッロ」の感じは、
トスカーナ赤のひとつの到達点とも言えます。
4-4.ヴィーノ・ノビレ・ディ・モンテプルチアーノ:貴族的なバランス型
ヴィーノ・ノビレ・ディ・モンテプルチアーノ DOCG は、
サンジョヴェーゼ(プルニョーロ・ジェンティーレ)主体で造られ、
ブルネッロよりも一段柔らかく、ふくよかなスタイルが多いワインです。
ウィキペディア+1
スミレや赤い果実、ほのかなスパイスの香りに、しなやかなタンニン。
「重厚な一本」よりも、「食卓と会話に溶け込む上質な赤」という
ポジションで覚えておくと使いやすいワインです。
4-5.スーパータスカン:ルールの外側から生まれたトップレンジ
スーパータスカンは、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロ、シラーなど
国際品種、あるいはそれらとサンジョヴェーゼのブレンドで造られる、
高品質な赤ワイン群です。
もともとは DOC 規定を外れるため「テーブルワイン」としてしか
表記できませんでしたが、
1990年代に IGT トスカーナやボルゲリDOCが整備されることで、
現在のポジションに落ち着きました。
キアンティ・クラシコガイド+3Vignaioli America+3Drink Italian+3
凝縮感のある黒系果実、カカオ、甘いスパイス、きれいな樽香。
「ボルドーが地中海の海風を浴びたらこうなるかもしれない」と
想像すると、スタイルのイメージが掴みやすいと思います。
4-6.白とロゼ:ヴェルナッチャ、ヴェルメンティーノ、トレッビアーノ
赤ワインの影に隠れがちですが、トスカーナの白も見逃せません。
ヴェルナッチャ・ディ・サン・ジミニャーノ DOCG
トスカーナの丘の町サン・ジミニャーノで造られる、 歴史ある白ワイン。
1966年にイタリア初の DOC 認定を受け、1993年に DOCG に昇格した“白の女王”的存在です。 ウィキペディア+2Drink Italian+2
ヴェルメンティーノ(Vermentino)
トスカーナ、リグーリア、サルデーニャなど地中海沿岸で栽培される白ブドウ。
柑橘、白い花、ハーブ、海風を思わせる塩味とミネラル感が特徴で、魚介料理と好相性です。principecorsini.com+2Food & Wine+2
トレッビアーノ(Trebbiano)
イタリア全土で広く栽培されている白ブドウ。かつてはシンプルな ブレンド用のイメージが強かったものの、近年は畑と醸造を選べば、クリーンで食事に寄り添う白として見直されつつあります。visittuscany.com+1
4-7.ヴィン・サント:干しブドウが生む“祈りのデザートワイン”
ヴィン・サント(Vin Santo)は、収穫したブドウを乾燥させ、
濃縮した果汁を小樽で長期熟成させる、オキシダティヴな甘口ワインです。consorziovinochianti.it+1
アーモンド、キャラメル、蜂蜜、ドライフルーツの香り。
カントゥッチ(アーモンドビスコッティ)を浸しながら飲むのが
トスカーナ流。
「食後のもう一章」を読ませてくれるような、静かなデザートワインです。
5.リボッリータとビステッカ――トスカーナのテーブルとワイン
5-1.ビステッカ・アッラ・フィオレンティーナ × キアンティ・クラシコ or ボルゲリ
厚切り Tボーンステーキを炭火で焼き上げた
ビステッカ・アッラ・フィオレンティーナ。
外は香ばしく、中はレアに近いジューシーさを残したこの料理には、
サンジョヴェーゼの酸とタンニンがしっかりしたキアンティ・クラシコ
あるいはカベルネ主体のボルゲリ・ロッソ/スーパータスカン
がよく合います。
肉の脂と旨みに、酸が切り込み、タンニンが「噛み応え」を
支えてくれるペアリングです。
5-2.パッパルデッレ・アル・チンギアーレ × ブルネッロ/ヴィーノ・ノビレ
猪肉のラグーを太いパスタに絡めたパッパルデッレ・アル・チンギアーレ。
野性味とハーブ感のあるソースには、
濃密でスパイシーなブルネッロ・ディ・モンタルチーノ
ふくよかなヴィーノ・ノビレ・ディ・モンテプルチアーノ
のような、南トスカーナのサンジョヴェーゼ上級クラスが似合います。
5-3.リボッリータ/パンツァネッラ × 素朴なキアンティ
一度煮た野菜と豆のスープを翌日また煮込むリボッリータ、
パンを使ったサラダのパンツァネッラ。
いずれも「残りものを活かす」農民料理らしい一皿です。
こうした素朴な料理には、樽香控えめで果実味と酸が素直な
ベーシックなキアンティがちょうどいい。
庭のテーブルで昼下がりに開けたくなるような、軽やかなペアリングです。
5-4.前菜盛り合わせ × キアンティ or ヴェルナッチャ
レバーペーストのクロスティーニ、サラミ、プロシュット、
ペコリーノ・トスカーノなどを盛り合わせた前菜には、
軽めのキアンティ(赤)
柑橘とミネラルを持つヴェルナッチャ・ディ・サン・ジミニャーノ(白)
のどちらでも対応できます。
「生ハムメインなら白寄り」「レバーやサラミが多いなら赤寄り」と
覚えておくと、現場でも使いやすいです。
5-5.カントゥッチ × ヴィン・サント
食後の締めには、やはりカントゥッチとヴィン・サント。
ビスコッティをヴィン・サントに浸しながら少しずつかじると、
ナッツとワインの香りが重なり、食後の時間が
もう一段ゆるやかになります。
6.“キアンティだけじゃないトスカーナ”――21世紀の変化とトレンド
6-1.クラシックDOCGのアップグレード
キアンティ・クラシコ、ブルネッロ、ヴィーノ・ノビレといった
クラシックDOCGは、
熟成規定の見直しや畑選別、グラン・セレツィオーネなどの
上位カテゴリー創設を通じて、質的なアップグレードが続いています。Vinodelice+2italysfinestwines.it+2
特にキアンティ・クラシコでは、サンジョヴェーゼ比率の引き上げや
UGA(地区名)の導入を通じて、
「単なる“キアンティの一種”ではなく、独自のテロワールを持つ産地」
としての発信を強めています。フィナンシャル・タイムズ+1
6-2.ボルゲリ&マレンマ:海沿い赤とスーパータスカンの成熟期
ボルゲリやマレンマのワインは、スーパータスカンのブームを経て、
現在は「高品質な地中海赤ワイン」として安定した地位を獲得しています。Drink Italian+2Out of the Box Florence+2
カベルネやメルロのフラッグシップ
価格を抑えたボルゲリ・ロッソ
ヴェルメンティーノ主体の白
など、レンジの広さも魅力です。
6-3.トスカーナ白の再評価:ヴェルナッチャとヴェルメンティーノ
赤に比べると存在感が薄かったトスカーナの白ワインですが、
歴史的 DOCG 白であるヴェルナッチャ・ディ・サン・ジミニャーノDrink Italian+1
海沿いのヴェルメンティーノ
などが、近年は専門誌やガイドでも評価されるようになり、
「軽くて合わせやすい地中海白」の代表格になりつつあります。
Food & Wine+2principecorsini.com+2
6-4.ワインツーリズム:ヴァル・ドルチャ&モンタルチーノが“目的地”に
世界遺産ヴァル・ドルチャの景観とモンタルチーノのブルネッロは、
「行って飲むワイン」の代表的な組み合わせになっています。
キャンティクラッシコ+1
アグリツーリズモ(農家民宿)やワイナリーツアーと絡めた
スロー・トラベルは、トスカーナの新しい観光の柱としても成長中です。
6-5.サステナビリティとオーガニック
トスカーナでも、有機栽培やビオディナミ、生物多様性を意識した畑づくりが広がっています。
特にキアンティ・クラシコでは、サステナブル認証を取得する生産者が増え、「環境負荷の少ない高品質ワイン産地」としてのイメージも強めています。Italian Wine Central+2Vinodelice+2
7.日本の家飲み・飲食店・ECで、トスカーナをどう使うか
7-1.家飲み:平日“キアンティ”、週末“ブルネッロ or ボルゲリ”
平日ライン
ベーシックなキアンティ
サンジョヴェーゼ主体のトスカーナIGT(樽控えめ)
を、パスタ、ラザニア、ミートボール、ハンバーグ、トマト煮込みなどと合わせる。
「酸がある赤で、トマトと肉をまとめる」という役割をイメージすると選びやすいです。
週末・ご褒美ライン
ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ
ヴィーノ・ノビレ・ディ・モンテプルチアーノ
スーパータスカン/ボルゲリ・ロッソ
を、ステーキ、ローストビーフ、ラムチョップ、すき焼きなどの「メイン料理」と合わせる。
「今日はゆっくり肉とワインを楽しみたい」という日に開けたいゾーンです。
7-2.飲食店:コースの“赤の背骨”として
イタリアンやビストロでは、コースの中でトスカーナ赤を「背骨」に据える設計がしやすいです。
前菜:ヴェルナッチャ or ヴェルメンティーノ
パスタ:キアンティ or キアンティ・クラシコ
メイン:ブルネッロ or ボルゲリ
という「トスカーナしばりコース」は、それだけでストーリー性のある提案になります。
和食寄りのメニューでも、
ハンバーグ、ビーフシチュー、煮込みハンバーグ
トマトを使った洋食系
すき焼き、すき煮、照り焼き系の肉料理
など、「甘辛+旨み+脂」がある料理にはサンジョヴェーゼ系赤がフィットしやすく、
「キアンティ=トマト」「ブルネッロ=ステーキ」だけではない使いどころが見えてきます。
7-3.EC:コピーライティング用“タグ”としてのトスカーナ
ECの商品ページや特集記事では、州やDOCGの物語がそのままコピーの素材になります。
例:
「トマトソースには、やっぱりこの一杯――キアンティ・クラシコDOCG」
「“フィレンツェのステーキ”のために生まれた赤。ビステッカ専用キアンティ」
「地中海の風を運ぶボルゲリ・ロッソ。カベルネと海風のマリアージュ」
「カントゥッチと一緒に、晩ご飯の“あと一章”。ヴィン・サント」
この「20州巡礼」シリーズでは、各州でこうしたコピーに転用できるタグラインを毎回少しずつ拾っていくと、
noteの記事がそのまま EC やメニュー説明の下地になっていきます。
8.今日出てきたトスカーナ・キーワードの、ちいさな用語集
最後に、この記事に出てきた用語をコンパクトにまとめておきます。
サンジョヴェーゼ(Sangiovese)
トスカーナを代表する赤ブドウ。赤いチェリーと高い酸、しっかりしたタンニンが特徴で、食事と合わせて真価を発揮する。キアンティ(Chianti DOCG)
トスカーナ広域にまたがる赤ワインの産地。サンジョヴェーゼ70%以上に、他品種をブレンド可能。スタイルは素朴な日常ワインからリゼルヴァまで幅広い。wsetglobal.com+2Drink Italian+2キアンティ・クラシコ(Chianti Classico DOCG)
フィレンツェ〜シエナ間の歴史的キアンティ地区のみを対象とするDOCG。サンジョヴェーゼ80〜100%で造られ、酸と香りの輪郭がはっきりしたワインが多い。アナータ/リゼルヴァ/グラン・セレツィオーネの階層がある。Food & Wine+3キャンティクラッシコ+3Carus Vini+3グラン・セレツィオーネ(Gran Selezione)
キアンティ・クラシコの最上級カテゴリー。自社畑ブドウのみ、最低30か月熟成、サンジョヴェーゼ主体(将来的には90%以上)などの条件を持ち、UGA(地区名)表記でテロワールを強調する。Food & Wine+3Italian Wine Central+3キアンティ・クラシコガイド+3ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ(Brunello di Montalcino DOCG)
南トスカーナ・モンタルチーノのサンジョヴェーゼ100%赤。長期熟成義務を持つ、濃密でパワフルなワイン。italysfinestwines.it+1ヴィーノ・ノビレ・ディ・モンテプルチアーノ(Vino Nobile di Montepulciano DOCG)
モンテプルチアーノのサンジョヴェーゼ主体赤。ふくよかでバランスの良いスタイル。スーパータスカン(Super Tuscan)
従来の DOC 規定に収まらない、高品質なトスカーナ赤の総称。カベルネ・メルロ・シラーやサンジョヴェーゼとのブレンドなどで造られ、現在は IGT トスカーナやボルゲリDOCなどの枠組みの中でも展開されている。キアンティ・クラシコガイド+3Vignaioli America+3Drink Italian+3ボルゲリ(Bolgheri DOC)
ティレニア海沿岸の産地。カベルネやメルロ主体の赤が有名で、「地中海ボルドー」とも呼ばれる。Drink Italian+1ヴェルナッチャ・ディ・サン・ジミニャーノ(Vernaccia di San Gimignano DOCG)
サン・ジミニャーノで造られる歴史ある白ワイン。1966年にイタリア初の DOC 認定を受け、1993年に DOCG に昇格した。柑橘とミネラル感、ほのかなアーモンドの余韻が特徴。ウィキペディア+2Drink Italian+2ヴェルメンティーノ(Vermentino)
トスカーナ、リグーリア、サルデーニャなどの海沿いで栽培される白ブドウ。柑橘や白い花、ハーブ、塩味のニュアンスを持ち、魚介と好相性。principecorsini.com+2Food & Wine+2ヴィン・サント(Vin Santo)
干しブドウから造るトスカーナの伝統的甘口ワイン。オキシダティヴな熟成により、ナッツやドライフルーツの香りを持つ。カントゥッチと合わせるのが定番。ヴァル・ドルチャ(Val d’Orcia)
世界遺産に登録された南トスカーナの景観地域。滑らかな丘陵と糸杉並木が特徴で、周辺にはモンタルチーノやモンテプルチアーノなどの産地が広がる。
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