防衛率の低いRIZINで、その王座を守ることは出来るのか?
ゴールデンウィークに開催される「RIZIN男祭り」のメインイベントは平本VS.朝倉2からフェザー級のタイトルマッチへと変更され、現フェザー級王者のクレベル・コイケが挑戦者のラジャブアリ・シェイドゥラエフを迎え討つことになった。
王座をやっとの想いで奪還したクレベルは初防衛戦で最大の敵を迎えることになる。
RIZINはとにかく王座の防衛率が低く、陥落や返上が繰り返されているため、ライト級以外の階級で複数防衛を果たしている階級はないといった状況。
この稀に見るほどの入れ替わりの激しさは、ある意味RIZINという団体が持つカラーの一つだと言うことが出来るかもしれない。
もしここでクレベルが敗れて王座から陥落するようなことになれば、6代目の王者も防衛0で王座を退くことになる。
しかも相手は怪物のシェイドゥラエフなので、防衛難易度はMAXだと言っていい。
裏を返せばクレベルがここで王座を防衛することが出来れば、複数防衛を記録する安定した王者の誕生が期待できることになる。
そういった意味でもクレベルの防衛戦には注目が向けられる。
ラジャブアリ・シェイドゥラエフの脅威

ただ備わっているスキルを比較して考えてみても、シェイドゥラエフの方が勝率は高いのではないかと思う。
ストライキング・グラップリング・スタミナ・パワーといった様々な項目でシェイドゥラエフはクレベルを上回っていると感じる。
一瞬の隙を突いてサブミッションをセットすることが出来ればもちろんクレベルにも可能性はあると思うけれど、シェイドゥラエフはグラップリングに対する処理能力も高いので、一瞬のチャンスに賭けるような勝機の見出し方で勝ちを得るというのは中々に難しいのではないかと思う。
これまでクレベルはグラウンドの展開になれば極めることが可能な相手とばかり戦って来たので、テイクダウンディフェンスを頑張ったりする必要がなかった。
むしろ自ら引き込んでグラウンドの展開を無理矢理にでも作り出していたくらいだ。
しかし、今回の戦いに限ってはグラウンドで下になるという行為が命取りになる可能性が高い。
恐らくシェイドゥラエフはクレベルのサブミッションを怖れる事なくトップを奪い、ディフェンスしながら強烈なパウンドを打ち込んでいくのではないかと思う。
いくらクレベルと言えどシェイドゥラエフにトップを奪われた状態で、あのパウンドを凌ぎ続けるというのはかなり難しいはずだ。
かと言ってクレベルがスタンドでシェイドゥラエフと打撃勝負を展開することが出来るだけの能力を持っているとも思えないので、場合によってはクレベルがキャリア初のフィニッシュ負けを経験することになるかも知れない。
仮に上手く凌いでクレベルがサバイブすることが出来たとしても、シェイドゥラエフのテイクダウンを切ることが出来ずに終始コントロールされるような状態になってしまうと思われるので、大差の判定負けを喫する可能性が高いのではないかと思う。
UFCへの手土産となるRIZINのベルト

これまでのファイトスタイルを変えることの難しさを考えると、クレベルは様々な局面でシェイドゥラエフに対応することが出来ない状態になることが予想される。
クレベルがRIZINに移籍した当初は彼が頭一つ抜けている状態だったが、現在のRIZINではシェイドゥラエフがその位置に着いていると感じる。
そのシェイドゥラエフがフェザー級の王座に着けば、ライト級王者のサトシのように複数防衛を記録することが出来るようになるのではないかと思う。
しかし、今のRIZINの王座はUFCへの切符として機能しているところがあるので、シェイドゥラエフがベルトを獲得した暁には、足早にRIZINを去ってUFCへと移っていくということになるかも知れない。
そうなれば王座返上に伴い再びフェザー級は空位となるため、当然防衛記録も0のまま、新たな王者を決める戦いが組まれることになり、結果として定まりのない状態が続いていくことになる。
なのでRIZIN的には強い王者に継続的な防衛戦を行なってもらうことが望ましいだろうと思う。
ただ、個人的にはシェイドゥラエフのような世界クラスの実力を持ったファイターには、RIZINに留まることなくUFCへと駒を進めていくべきだと思うので、豊かな才能をさらに活かすことができる舞台での活躍を支持したい。
シェイドゥラエフならUFCのフェザー級でも上位を目指していけるのではないかと思う。
逆にクレベルがシェイドゥラエフを止めることが出来れば、RIZINフェザー級のベルトの価値はグッと高まることになるはずだ。
そういったところからも、ボンサイの鬼神と無敗のキルギスタンによる鎬の削り合いは、RIZINフェザー級の今後を左右する重要な一戦なってくるはずだ。
ケラモフという有力な王者候補がまだいる状態ではあるが、フェザー級の頂上決戦と言っても過言ではないカードになっていると感じる。
果たしてこの分岐点となる「タイトルマッチ」を越えて、その先の選択肢へと駒を進めていくのはどちらになるのか。
RIZINの中で最も華のあるフェザー級のベルトが生み出す新たなドラマに熱い期待と注目が向けられる。
