愛し方を知らない悲しきモンスター時代
彼女の母親を説得し、半ば強引に同棲を開始した
私達だったが当時を「地獄の半年間だった」と
彼女は振り返る。
同棲を始め、ひと時も彼女と離れたくなかった私は彼女が実家に一泊するとなれば
「寂しい。なんで帰るの。
私と離れていても平気なの。」
「平気ということは好きじゃないってことだ。」
彼女が気を遣って寂しいと言えば
「寂しそうに見えない。言わされてるんだ。」
と、完全に心の均衡を失ったモンスターに
なっていた。
猛プッシュで付き合ったことや、強引に同棲を
始めたことで私が彼女を想う好きと
彼女が言葉にする好きは全く質量が違うように
思えてならなかった。
そんな私が、彼女に呈してきた愚問をここでサクッと紹介したいと思う。
「一番好きと思ってた時期の元恋人への気持ちと
私のことを今好きって思う気持ち、どっちの方が
大きい?」
「帰ってきてからもう10分くらい経つのに君から
チューされてない。それでも君は平気なの?」
「なんで背中向けて寝るの?好きじゃないんだ」
彼女からすれば恐怖である。
しかし、こんなにも気持ちを抑えられなかったのは初めてだった。
嫌われるのが怖いと思ったのも彼女が初めて
だった。
彼女に私と同等の愛を示してほしかったのだ。
自分の感情についていけない私は、よく彼女に
難癖をつけてはめそめそと泣いていた。
彼女は一緒に住んでしまった以上、別れるには
体力がいる。とりあえず半年我慢して、それでも
落ち着かなければ別れよう。
そう思って耐えた地獄の半年だったのだ。
愚問一つ一つに誠実に答えてくれた心の広い彼女のおかげで私は無事に心の均衡を取り戻し満たされ
モンスターから人間へと立ち返った。
彼女と付き合って3年と少し。
伝えるだけが愛ではないと知った。

