Diageology 元ディアジオ ジャパン株式会社社員の回顧録㊲

回顧録㊲
 
皆様こんにちは、元ディアジオ・ジャパン社社員による回顧録の第37回目です。
 ディアジオ社としての業績を振り返る23回目になります。そういえば、以前横浜弘明寺のWahr Barのオーナーに教えていただいたのですが、前回新蒸留所を設立したと書きましたブレット・バーボンのことなのですが、ブレット・バーボンは米国では販売の進捗率がすごく良いのですが、日本ではまだまだで、拡売をかけていた時に飲みながら話を伺った時のことです。オーナー曰く、そういえばシルヴェスター・スタローン主演のブレット・バーボンの映画があったと。で、その時点でネットでいろいろと調べていただきましたら、あるではありませんか、原題はBullet to the Headで、日本のタイトルが「バレット」でした。撮影は2011年6月27日にニューオーリンズで始まったそうなので、当然ブレット・バーボンはすでに北米では販売されていますが、残念なことに映画のタイトルのBulletとバーボンの名前のBulleitがちょっとだけ違うではありませんか。それで日本のタイトルもバレットになってしまったわけですね。映画の中で主人公がバーに来たときに飲んでいたバーボンだそうで、それもお店で扱っていなかったらしく、そのあと自分で持ってきてグラスの料金だけ払って飲み干していったと、オーナーの朧気ながらの記憶を伺いました。多分スタローンさんがこれがいいと、ブレット・バーボンを使っていただいたのでしょうね。ディアジオ社には何のコンタクトもなかったのでしょうか。うまくタイアップする方法もあったでしょうに、スタローンお気に入りのバーボンという風に。残念ながら映画のタイトルは綴りが違うのですが、Bulletが弾丸という意味なので、その手の銃が絡む映画だったのでしょう、バーボンの名前が映画のタイトルになるわけはないですよね。日本では2013年公開とのことですので、MHD社は何か知っているかもしれませんね。残念ながら2009年にキリンビール社と合弁する際、先方はすでにバーボンのフォアローゼズとヘンリー・マッケンナを持っていましたので取り扱いとして採用されず、MHD社に流れていってしまいました。我々が最初のディアジオ・ジャパン社時代にもっと拡売していさえすれば、日本国内でも違った展開になっていたかもしれません。残念!何卒今後とも宜しくお願い申し上げます。

ディアジオ社としての出発㉕
184、中国本土でギネスビールを販売
 2017年、ギネス社はABインベブ社(AB InBev)と提携し、中国本土でギネスビールの販売を開始しました。中国は、特にギネスビールのような輸入クラフト・ビールにとって、世界最大のアルコール市場です。

185、プレミックスのタンカレー&トニックを発売
 2018年2月、ディアジオ社は、オーストラリアでタンカレー&トニックのRTD(レディ・トゥ・ドリンク)バージョンを発売しました。ジン・ブランドとしては初めてのことです。このプレミックス飲料は275mlの緑色のガラス瓶に詰められており、4本入りのパックでオフ・トレード(スーパー、コンビニ、量販店)で購入できます。アルコール度数5.3%のタンカレー&トニック4本パックの希望小売価格は24.99オーストラリア・ドル(20米ドル)です。

186、カーサミゴス・テキーラがメスカルのラインを拡大
 2018年2月、ディアジオ社は、メスカル(mezcal:メスカルは、リュウゼツランを主原料とするメキシコ特産蒸留酒の総称で、テキーラと同じく、メキシコ公式規格(NOM)によって、メスカルの名称でその蒸留酒を販売及び流通させるためには、指定された品種を主原料とする事が義務づけられています)の発売により、新たに買収したカーサミーゴス・テキーラ・ブランドを拡大しました。
 サンティアゴ・マタトランで製造されるカーサミーゴス・メスカルは、100%エスパディン・アガベから作られ、アルコール度数40%で瓶詰めされています。熟成されていないメスカルは、小さなパレンケ(palenques、または集会室)で作られ、そこでは、ピーニャ(piñas:葉を落としたリュウゼツラン(アガベ)の球状を呈した茎部分)が割られ、オークの薪で熱した6トンの火山岩で裏打ちされた土の穴に4~6日間置かれて寝かされます。その後、ピーニャは24時間冷却されてから、粉砕プロセスが開始されます。季節によって異なりますが、メスカルは2~8日間発酵され、その後、銅製のポット・スチルで2回蒸留されます。その後、山の湧き水が追加される前に30日間安定させます。メスカルは常温でコピタと呼ばれる粘土製のショット・ボウルから飲むのがおすすめです。カーサミーゴス・メスカルは、750mlで希望小売価格59.99米ドルで販売されており、米国、カナダ、英国、オーストラリアでは1リットル・ボトルでも販売されます。

187、ジェーン・ウォーカー・スコッチウイスキーを発売
 2018年2月、ディアジオ社は、ジョニーウォーカー・ブラックラベルの女性向けバージョンをブランドの進歩への取り組みの象徴として発売しました。ジョニーウォーカー・ブラックラベル・ジェーン・ウォーカー・エディション(Jane Walker Edition)は、女性史月間と国際女性デー(Women’s History Month and International Women’s Day)のお祝いに合わせて、3 月から米国全土で特別発売されます。「Keep Walking America」キャンペーンの一環として、ジョニーウォーカー社はジェーン・ウォーカー・エディションのボトル1本につき1ドルを女性の大義を擁護する組織に寄付し、合計25万ドルの調達を目指します。特に、同ブランドは、ニューヨークのセントラル・パークにアメリカの女性参政権運動家を称える記念碑を建てる非営利団体「モニュメンタル・ウィメン」を支援します。
 ディアジオ社は、ジョニー・ウォーカーの歴史において女性は重要な役割を果たしてきたと指摘しました。その歴史は、ジョン・ウォーカー&サンズ社がエリザベス・カミングからカーデュ蒸留所を購入した1893年にまで遡ります。また、ジョン・ウォーカーの妻エリザベス・ウォーカーは、夫と息子のアレクサンダーとともに、ウォーカーがもともと経営していた食料品店で働いていました。ジェーン・ウォーカー・エディションには、ジョニーウォーカー・ブラックラベル12年の液体がそのまま流用され、希望小売価格は34ドルでした。しかし、ジョニーウォーカー・ブラックラベル12年を女性向けにアレンジしただけだった「ジェーン・ウォーカー」は、軽率なリリースであり、国際女性デーに託けて女性にジョニーウォーカーを買わせる魂胆だとの批判もありました。
 その後2020年3月にもジェーン・ウォーカー・エディションが発売されましたが、そのアイテムは新しいバージョンでした。それはジョニーウォーカーとブレット・バーボンの限定2種類のウイスキーを発売した「クラフツ・ウーマン」プログラムの一環でした。この新しいブレンドはエマ・ウォーカー(現ジョニーウォーカー・マスター・ブレンダー)によって開発され、スペイサイドの蒸留所カーデュ蒸留所の原酒を中心に使用した10年物のブレンデッド・モルト・ウイスキーでした。
 カーデュ蒸留所は、スペイサイドの中心に位置する、エリザベス・カミングのリーダーシップのもとで繁栄した、約200年の歴史を持つ蒸留所です。この先駆的な女性は、最終的に1893年にカーデュ蒸留所をウォーカー家に売却しましたが、ブランドの歴史において重要な役割を果たしました。現在、スコットランド全土の蒸留所から1,000万樽以上の熟成ウイスキーを入手したマスター・ブレンダー、エマ・ウォーカーは、この伝統を継承しています。

188、テネシー州のウイスキー事業に注力
 2018年3月、ディアジオ社は、テネシー州のウイスキー蒸留所ジョージ・ディッケルをカスケード・ホロウ・ディスティリング社(Cascade Hollow Distilling Co)に改名し、ニコール・オースティン(Nicole Austin)をゼネラルマネージャー兼蒸留者に任命しました。ディアジオ社は、ジョージ・ディッケルのフラッグ・シップ・ブランド、未来のイノベーション・スピリッツ、蒸留所の商業戦略とイノベーション戦略を始動させるそうです。

189、ベルサザール・ベルモット社を買収
 2018年3月、ディアジオ社は、同社の成長促進プログラムであるディスティル・ベンチャーズ社に参加した最初のブランドの1つであるドイツのベルモット、ベルサザール社(Belsazar vermouth)を買収しました。ベルザザール・ベルモットには、辛口、赤、ロゼ、白の4種類があります。ディアジオ社は、ディスティル・ベンチャーズ社を通じて、2014年にベルサザール社の少数株を初めて購入しました。ベルサザール社はディアジオ社の最初の食前酒ブランドとなり、リザーブ・ポートフォリオに含まれます。ヨーロッパ全体での成長を加速するために、同社のマーケティングと流通の専門知識を利用できるようになります。
 2013年に起業家のマクシミリアン・ワグナーとセバスチャン・ブラック(Maximillian Wagner and Sebastian Brack)によって設立されたベルサザール・ベルモットは、厳選されたブドウにハーブと少量のフルーツ・ブランデーを注入して作られ、その後、最大3か月熟成されます。ベルサザール・ベルモットは、ドイツと英国の主要市場で好調な業績を上げています。ドイツの750を超えるオントレード店舗と英国のいくつかのオントレード会場で販売されています。

190、象ポロ大会のスポンサーを中止
 2018年3月、ディアジオ社とカンパリ・グループ社は、動物愛護団体(PETA: People for the Ethical Treatment of Animals、1980年3月に、ノーフォークで創立されイングリッド・ニューカークが会長を務め、アジア太平洋地域、イギリス、インド、オーストラリア、オランダ、ドイツ、フランスに支部があり、ポール・マッカートニー(PETAのライヴ映像もありました)やライアン・ゴズリング、ホアキン・フェニックス、ブリジット・バルドーなどの有名人らを含めた900万人の会員と支持者を持ちます。2023年の運営予算は7,500万ドル、科学者、弁護士、政策専門家を含む常勤職員が500人いる、世界最大規模の動物保護団体)が動物の虐待行為を明らかにしたことを受けて、タイの象ポロ大会(an elephant polo tournament)のスポンサーを辞退しました。ジョニーウォーカーとカンパリ・グループ社は、アナンタラ・リバーサイド・バンコク・リゾートの2018年キングス・カップ(Anantara Riverside Bangkok Resort’s 2018 King’s Cup)象ポロ大会のスポンサーでした。
 そういえば売却してしまいましたパンペロ・ラムですが、以前は豚皮の袋が1本ごとの付いていたのですが、ある時から何の変哲もない合成皮革の袋に替わってしまいました。伊勢佐木町にあるダイニング・バーのBARACCAさんのマネージャーに伺いましたら、やはり動物愛護団体からクレームがあり、替えたそうです。ということはMHD社の営業担当者の方は、当時販売していましたパンペロ・ラムのこういう知識をバーでしゃべっているのですね。我々にもこの手の話が移管時に引き継がれますと面白いのですけど。

191、チャールズ皇太子、オーストラリア訪問中にバンダーバーグ蒸留所を訪問
 2018年4月、チャールズ皇太子はオーストラリアへの公式訪問の一環として、24年ぶりにバンダーバーグ・ラム酒蒸留所を再訪しました。チャールズ皇太子はクイーンズランド州首相のアナスタシア・パラシュチュクとともにディアジオ社所有のラム酒蒸留所を訪問しました。そこでは、バンダーバーグ蒸留所の会長カイリー・マクファーソンと蒸留所のビジター・エクスペリエンス・オペレーション・マネージャーのダンカン・リトラーが2人をもてなしました。バンダーバーグ・ラム酒樽工場での試飲をチャールズ皇太子に案内した後、王子に独自のバンダーバーグ・ラム酒をブレンドする機会も提供しました。王子は、それが化学の授業を思い出させたと語りました。また、蒸留所でスピーチも行いました。蒸留所ツアーの最後に、チャールズ皇太子はバンダーバーグ・ラムで作られたカクテルを振る舞われ、王室の食料庫に送られる予定の蒸留所の糖蜜とともに、王室特製のバンダーバーグ・ラム・ブレンド2本を持ち帰ったと伝えられています。

192、タリスカー、シェリー樽の40年物のウイスキーを発売
 2018年4月、ディアジオ社傘下のタリスカーは、新しいボデガ・シリーズ(Bodega Series)の最初のバリエーションを発表しました。これは、アモンティリャード・シェリー樽(ex-amontillado Sherry casks)で熟成された40年物のシングルモルトです。今年6月に発売されるこの製品は、スカイ島を拠点とする蒸留所の最も古いウイスキーの1つです。価格は2,750ポンド(3,800米ドル)で、最も高価なウイスキーの1つでもあります。
 タリスカー・ボデガ・シリーズは、異なるシェリー樽の熟成がシングルモルト・スコッチに与える影響を調査するために設計されました。このシリーズで使用されているフィニッシング樽は、タリスカーがかつてすべての樽を調達していたシェリー・トライアングル(Sherry Triangle:シェリー・トライアングルとは、スペインのアンダルシア地方の北西部にある地域で、シェリーの生産に最適な気候と土壌に恵まれています。この三角形をした地域は、サンルーカル・デ・バラメーダ、ヘレス・デ・ラ・フロンテーラ、サンティアゴ・デ・コンポステーラの3つの都市を頂点としています)から調達されています。タリスカー40年は、リフィル樽で熟成されたヴィンテージ・リキッドのブレンドです。このウイスキーは、かつて40年物のアモンティリャード・シェリーを貯蔵していたボデガ・デルガド・ズレータ・シェリー樽(Bodega Delgado Zuleta Sherry casks)で仕上げられています。タリスカーは、この新しいウイスキーを世界中で2,000本発売する予定です。
 また、2019年7月にボデガ・シリーズの第2弾となるウイスキーを発表しました。これは41年物のスコッチで、同蒸留所のこれまでのシングルモルトとしては最古のものです。タリスカー41年1978ヴィンテージは、8月に全世界で2,000本限定で発売され、希望小売価格は700mlあたり2,900ポンド(3,645 米ドル)です。アルコール度数は50.7%です。41年物は、シェリー・トライアングルで最も古いシェリー生産者であるボデガ・デルガド・ズレータのマンサニーリャ・シェリー樽(manzanilla Sherry casks)でフィニッシュされました。タリスカーのモルトマスター、クレイグ・ウィルソンは、デルガド・ズレータのシェリーマスターと協力し、このワイナリーの主力ワインであるラ・ゴヤ(La Goya:100年以上前の樽で熟成されたマンサニーリャ・シェリー)が入っていた6つの樽を選びました。ディアジオ社は最近、タリスカー蒸留所を拠点とするサービスを含むスコットランドの観光客の体験を向上させるために1億5,000万ポンド(2億1,500万米ドル)の投資計画を発表しました。

193、ジャスティリーニ&ブルックス社、英国でJ&Bレアを発売へ
 2018年4月、J&Bレア・ウイスキーの製造元であるジャスティリーニ&ブルックス社は、21年間の中断を経て、ブレンデッド・スコッチ・ブランドの流通を自社に戻しました。ワインおよびスピリッツ商のジャスティリーニ&ブルックス社は1930年代初頭にJ&Bレアの製造を開始しましたが、1998年にこのブランドの流通を手放しました。このブランドは、以前はディアジオ社によって第三者を通じて流通されていました。このウイスキーは、ノッカンドゥ、オスロスク、ストラスミル、グレン・スペイのリキッドを含む、スペイサイド地域のシングルモルト・ウイスキーとグレーンウイスキーのブレンドです。

194、ピエルデ・アルマスのメスカルを買収
 2018年5月、ディアジオ社は、メキシコおよび世界中でメスカルのカテゴリーを発展させようと、超高級メスカル・ブランド、ピエルデ・アルマス社(Pierde Almas)を買収しました。ピエルデ・アルマスのメスカル・ブランドには、トバジチェ、トバラ、メキシカーノ、ペチュガ(Tobaziche, Tobalá, Mexicano and Pechuga)があります。ピエルデ・アルマス・メスカル・ブランドは、メキシコのオアハカ(Oaxaca)で100%自然発酵のアガベから生産されています。このブランドは、社会、文化、環境への意識に重点を置くことで知られています。創業者のジョナサン・バルビエリ(Jonathan Barbieri)は、ブランド・アンバサダー兼マスター・ディスティラーとしてディアジオ社で働き続けます。
 メスカルに進出した大手はディアジオ社だけではなく、バカルディ社は昨年2月にイリーガル社(Ilegal)の少数株を取得し、ペルノリカール社はデル・マゲイ・シングル・ビレッジ・メスカル社(Del Maguey Single Village Mezcal)の過半数株を取得してこの分野に初めて進出しました。ユーロモニター社の数字によりますと、テキーラとメスカルは2017年に世界全体で1,000万リットル以上増加すると予想されており、これは今日の市場に新規参入者が多数いることを明確に示しています。メスカルは米国で最も成長の早い分野の1つです。2010年から2015年の間に、テキーラとメスカルは市場で30%増加しました。これはコニャックを除く他のどのアルコール分野よりも大きく、世界平均の22%よりも速いです。

195、ジョニーウォーカーがストライディングマン110周年を祝う
 2018年5月、ジョニーウォーカーの「ストライディング・マン」ロゴの110周年を記念して、ディアジオ・ブラジル社は限定版パッケージ・デザイン・コレクションを発表しました。限定版パッケージ・デザインは、アールヌーボー、油絵、ポップカルチャー、テレビやVHSの時代からインスピレーションを得たカートン、そして2018年の記念版など、5つのパッケージ・デザインが発表されました。
 ストライディング・マン・ロゴは、1908年に最初に依頼され、ジョン・ウォーカー&サンズ社のために漫画家のトム・ブラウンがデザインしたもので、その年の12月に初めてウイスキーのボトルに登場しました。

196、アメリカン・アンセム・ウォッカを発売
 2018年5月、ディアジオ社は、米国を讃える新しいウォッカ・ブランドのアメリカン・アンセム・ウォッカを発売しました。5回蒸留されたアメリカン・アンセム・ウォッカは、インディアナ州とアイオワ州産のトウモロコシから作られ、アルコール度数40%で瓶詰めされています。750mlと1.5lのボトルで販売されます。販売されるボトル1本につき、アメリカン・アンセムは慈善団体に1ドルを寄付し、軍人とその家族を支援する2つの組織、オペレーション・グラティチュードとザ・ミッション・コンティニューズ(Operation Gratitude、The Mission Continues)に分配されます。

197、ドン・フリオはテキーラの仕上げにスコッチ樽を使用する
 2018年7月、ドン・フリオ・テキーラは、6年ぶりのイノベーションである、ブキャナンズ・ブレンドのスコッチ ウイスキーの熟成に使用された樽で仕上げたレポサド・テキーラを発売しました。ドン・フリオ・レポサド・ダブル・カスク(Don Julio Reposado Double Cask)は、最初にアメリカン・ホワイト・オークの樽で8か月間熟成された後、ウイスキーの樽に移され、さらに30日間熟成されました。マスター・ディスティラーのエンリケ・デ・コルサ(Enrique de Colsa)は、このイノベーションにほぼ3年を費やし、ブランド所有者のディアジオ社のポートフォリオで利用可能な多数の樽オプションを試しました。ドン・フリオ・レポサド・ダブル・カスクは、米国で限定販売されており、希望小売価格は59.99ドルです。
 ドン・フリオは昨年、販売量が50%急成長し、初めて100万ケースの販売を達成しました。これはハリスコ州にある同ブランドの生産施設を4億ドルかけて拡張したことを受けてのことです。

198、ブキャナンズ社が初のブレンデッド・モルト・ウイスキーを発売
 2018年7月、ディアジオ社傘下のブキャナンズ・スコッチウイスキーは、15年物のブキャナンズ・セレクト(Buchanan’s Select)をブランドのポートフォリオに永久追加し、初めてブレンデッド・モルトの領域に進出しました。アルコール度数40%で瓶詰めされたブキャナンズ・セレクトは、米国では750mlボトル1本あたり49.99米ドルの希望小売価格で販売されています。
 マスター・ブレンダーのクレイグ・ウォレス(Craig Wallace)は、「ブキャナンズ・セレクトは、素晴らしい個性とバランスを備えた上質なシングルモルトのみを組み合わせたものです。その後、キャラメル風味が増し、最後にはトーストしたオークの香り、最初のキャラメルの香り、クルミ、リンゴと熟した洋ナシの軽い香りが特徴的な、持続性のある余韻が続きます」と発言しています。ウォレスは、シングルトン・オブ・ダフタウンの15年と18年のウイスキー、シングルトン・オブ・グレンダランの15年と18年のバリエーションなど、ディアジオ社の最大のシングルモルト・ブランドの背後にいる人物です。(続く)


 さて第37回目の回想録でしたが、いかがでしたでしょうか。ディアジオ社としてスタートしての23回目でした。映画の話のついでに、この話は最初のギネスビールを拡売している時分のディアジオ・ジャパン社の時ですが、ディアジオ・コリア社がイ・ビョンホン主演の映画のスポンサーになったとの話がありまして、その映画が日本でも公開されるので見たい方には招待券を差し上げますとなり、さっそく頂戴しまして配偶者と一緒に見に行きました。どのようなシーンで使われるのか楽しみにしてましたが、主人公のイ・ビョンホンさんがコンビニでドラフトギネス缶を買い、そのまま自宅で缶のみするシーンがほんの数秒映っただけでした。そのシーンもギネス社がスポンサーと知っていたから残したのか、少しどうでもいいようなシーンでして、カットされていてもおかしくないという感じでした。前章のあとがきでも書きましたが、ドラフトギネスはグラスに注いでなんぼのものです。映画監督もそういうコンセプトは分かっていらっしゃらないのでしょうが、一言こういう風にして飲んでいただきたいと伝えといてもいいのでは、と思った次第です。まあそこまで口出しできませんか、こちらは金だけ出すだけで、使ってもらえるだけ良しとしなければいけないのでしょう。さて、このようによしなしごとを書き綴っていますが、これからもまだまだディアジオ社につきましての回顧録は続けていく所存でございますので、ご指摘等ございましたらどんどんお寄せいただきたいと思います。何卒今後とも宜しくお願い申し上げます。


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