Diageology 元ディアジオ・ジャパン株式会社社員の回顧録60
回顧録60
皆様こんにちは、元ディアジオ・ジャパン社社員による回顧録の第60回目です。
ディアジオ社としての業績を振り返る46回目になります。ディアジオ社とは違う酒問屋の話ばかりになってしまいますが、ある時同僚が作業場の真ん中脇に積んであったビールの中瓶をフォークリフトで3段目から降ろそうとしていた時、なぜか間違ってレバーを上のほうへ上げてしまったのでしょう、パレットの中瓶の上部が天井下の鉄骨の梁に引っかかってしまい、何ケースかの中瓶が下に割れて落ちてきてしまったのです。幸いその下には誰もおらず災害は発生しなかったのですが、その後はもう1台のフォークリフトの荷台に誰かが乗り、上まで上がり、で、その引っかかった瓶ビールを空中でパレット上で整えて、ようやく下に降ろした、なんてこともありました。全部そのまま落ちて作業場のところで大散乱状態になったり、誰かが下にいたりしたらとんでもないことになっていました。作業中のフォークリフトの下には入るな、という教えが無事故にしたのだと思います。
私も倉庫内でビール担当をしていた頃、アルミ樽の20Lのビールを小さな冷蔵庫にストックのため積み込んでいた時のこと、右肘辺りでピキッと音がしてそのまま病院へ連れて行っていただいたこともありました。1週間は積み込み労働が免除となりました。会社としては労災事故を出すのはよくないことではありますし、酒問屋は危険な作業と隣り合わせだった部分もありまして、危険回避を徹底的に行わなければいけないのは重々承知はしていますが、設備的にも作業的にもまだまだ手運びで物を動かす時代で、大きな怪我に繋がらなかったのが何よりだったと思います。今ではそんなことではいけないのですよね。そういえば先輩も倉庫内の高所から落ちたことがある、なんて言っていたのを聞いたこともあります。私もよく3段ラックの3段目までよじ登って、そこにあった商品を肩にのせながらするする手すりをつたわって下まで降りてきたり、瓶ビールを何ケース持ってトラックの荷台に乗せられるかを競ったりしたものです。危険な作業を回避しなければいけないのですが、若かったからできたのですよね。
そういえば瓶ビールの大びんでしたら7段目、中瓶でしたら8段目に積めるかどうか、やらされたこともあります。先輩方はやすやすと瓶ビールのケースを持ち上げて、ひょいっと投げるように上に積み上げるのです。また木箱の10本入りの味醂の1升瓶を6段目に積み上げるのもやらされました。やらされたというか、若かったせいかできるようになりたかったのですね。味醂はソースや醤油の1升瓶と同じく重かったのです。これにはコツがありまして、教えていただいたのですが、まずは10本入った木箱を自分の利き肩に縦に担ぎ、積むときに合わせるため、置いてある木箱の手前左側の角と担いだ木箱の上部右側の角を合わせ、くるっと回転するように放り投げるのです。瓶は側面が強くぶつからなければそうそうは割れません。こんなことをやらされながらも、そのうち力がついていき、簡単にできるようになりました。まあこんな事自慢にはなりませんね。では何卒今後とも宜しくお願い申し上げます。
ディアジオ社としての出発㊽
380、レイチェル・ビルソンがOCにインスパイアされた21 Seedsのキャンペーンに出演
2024年6月、ディアジオ社が所有する21シーズ・テキーラは、女優レイチェル・ビルソン(Rachel Bilson)とタッグを組み、彼女が「The OC」で再び役を演じる新しいキャンペーンを展開します。「The OC」でサマー・ロバーツ役を演じたビルソンは、このティーン・ドラマの21周年を記念し、ドラマでサマー・ロバーツ役を演じながらカクテルを作る姿を映した動画シリーズを公開しました。このフレーバー・テキーラ・ブランドは、新キャンペーンで「The OC」のエグゼクティブ・プロデューサー、ジョシュ・シュワルツとステファニー・サベージが経営する制作会社Fake Empire社とも提携しています。
同ブランドは「The OC」にインスパイアされた「Serving Summer」キャンペーンで、2000年代初頭のノスタルジアを訴求しようとしました。このキャンペーンは、21 Seedsが様々な夏のシーンで活躍できることを強調する、ブランドのフラッグシップとなる季節限定キャンペーンとなります。このキャンペーンは7月1日より、Hulu、Max、Peacockなどのデジタル・プラットフォーム、および@21seedsのInstagramページで公開されます。
381、ドン・フリオ社、樽詰めの1942テキーラを公開
2024年6月、ディアジオ社は、オンライン・プラットフォームのBlockBarで、ドン・フリオ1942テキーラの5つの樽(5種類の異なる仕上げ)をオークションに出品します。ドン・フリオのテキーラを樽単位で販売するのは、今回が初めてです。オークションは6月4日から開始され、6月20日まで開催されます。落札希望者は、ブロックチェーン技術を活用したオンライン・プラットフォームBlockBarにアカウントを登録する必要があります。落札希望者は、バーボン、ルビーポート、オレンジ・ワイン、マデイラ、クレマン(フランスのシャンパーニュ地方以外で、シャンパンと同じ製法で作られるスパークリング・ワインの一種)と、それぞれ異なる仕上げが施された超高級アネホの樽に入札できます。各エクスプレッションの開始価格は3万5,000米ドルです。落札者は、オークション終了から12ヶ月後、BlockBarでNFTトークンを介してテキーラと引き換えることができます。5つの樽は、2024年12月から2025年3月にかけて行われる瓶詰めまで、メキシコにあるドン・フリオ蒸留所で保管されます。落札者は樽1つ(750mlボトル6本入りケース40ケース、合計240本分)を所有できます。ボトルには個別に番号が付けられ、樽詰めを表す金色のエンボス加工されたアイコンがあしらわれます。
BlockBarとの関係は、2022年にウイスキーのコレクターズ・アイテムのリリースを開始した時に始まりました。ジョニーウォーカー48年もそうでした。ゴースト・ボトルや希少なジョニーウォーカーのボトルをオークションに出品し、725ドルで落札され、16分以内に完売しました。
オレンジ・ワイン・カスク・フィニッシュはオレンジピール、紅茶、スパイスの風味を引き出し、テキーラの琥珀色に深みを与えます。一方、バーボン・ダブルチャード・カスクは、キャラメル化したバナナ、バニラ、ナッツのニュアンスを伴う、重厚なトースト風味をもたらします。クレマンは、フローラルなバニラ、柑橘類、加熱したアガベ、そしてより強いタンニンの感覚をもたらします。マデイラ・ワイン・カスク・フィニッシュは、キャラメル、ナッツ、スパイス、トフィーのニュアンスがより強く感じられます。ルビーポート・カスク・フィニッシュは、トーストの風味が強く、クローブ、シナモン、ドライフルーツ、ダークチョコレートのニュアンスが感じられます。オークション終了後、樽の所有者は、メキシコにあるブランドのプライベート蒸留所で開催されるイベントに招待されます。所有者は、購入したテキーラの樽1本分に相当する樽NFTを、売却または贈与することができます。
北米での売上が落ち込む中、ディアジオ社のベストセラー・テキーラのドン・フリオ・ブランドにとって、世界への拡大は大きな優先事項となっています。ディアジオ社は、2024年度上半期のドン・フリオの売上が、ラテンアメリカ・カリブ海地域(LAC)と北米での減少により1%減少したと報告しました。世界の他の地域では、同ブランドの1942アイテムは好調な業績を上げ、欧州、アジア太平洋地域(APAC)、およびトラベル・リテール(免税)・アジア中東部門で成長を遂げました。また、1942の小型ボトルにも大きなチャンスを見出しています。同ブランドの1942チャパリトス(1942 Chaparritos:50mlのミニボトル)は、1回分ずつ使用でき、より身近なラグジュアリー体験を人々に提供します。ドン・フリオは世界36以上の市場に進出しており、アジア太平洋、ラテンアメリカ、南ヨーロッパ、北ヨーロッパにまたがっています。
382、ブローラ蒸留所、44年熟成記念ウイスキーを発売
2024年7月、ディアジオ社傘下のブローラ蒸留所は、再開3周年を記念し、蒸留所限定の44年熟成ウイスキーを発表しました。記念すべき周年を記念し、同蒸留所では2つ目の限定ボトルを発売しました。このウイスキーは蒸留所限定で販売されます。44年熟成の「アントールド・デプス(Untold Depths)」は1977年に蒸留され、ウェアハウス1で熟成されたもので、1969年から1981年までの「ピートの時代」を記念するウイスキーです。シングルカスクで醸造されたこのウイスキーはアルコール度数49.1%で、150本限定で販売されます。7月より発売開始で、価格は1本1万ポンド(約1万2,700米ドル)です。
383、サファリ・リキュールをカサ・レドンド社に売却
2024年7月、ディアジオ社はサファリ・リキュール(Safari liqueur)をポルトガルのカサ・レドンド社(Casa Redondo)に非公開の金額で売却しました。サファリ・リキュールは、パパイヤ、マンゴー、レモン、ライム、パッションフルーツの風味が特徴のフルーツ風味のリキュールで、オランダのアムステルダムにある小さな蒸留所で作られています。アルコール度数20%のサファリ・リキュールと、アルコール度数14.9%のサファリ・センザ(Safari Senza)の2種類のアイテムが生産されています。主にベルギー、オランダ、ルクセンブルク(ベネルクス)、ポルトガル、トルコで販売されています。ディアジオ社は、残念ながらこのリキュールに関する情報を提供していませんが、今回の取引は効果的なポートフォリオ管理に重点を置くという戦略に沿ったものだと述べています。しかしこんなリキュール、所有していたことすら知りませんでした。
384、カンター社が世界で最も価値のある酒類ブランドを発表
世界で最も価値の高いアルコール・ブランド上位20社は、2024年にその価値が5%上昇し、そのうち8銘柄がリストにランクインしました。2024年7月、カンター・ブランズ社(Kantar BrandZ:同社は、世界で最も信頼できるブランド・ランキングを出しており、ブランド価値を評価する際の世界的な通貨であり、ブランドの業績への貢献を定量化しています。カンター社が毎年発表するグローバルおよびローカル・ブランドの評価ランキングは、厳密な財務データと広範なブランド・エクイティ・リサーチを組み合わせたものです)の「2024年世界で最も価値のあるブランド」レポートによりますと、最も価値のあるアルコール・ブランド上位20社の評価額は2,327億米ドル。上位20社のブランドが5%増加したことは、今年、アルコール部門が成長に回帰したことを示すものでもあります。
1位は茅台酒のブランド価値855億米ドルで、圧倒的なトップのアルコール・ブランドでした。これに続くビール・ブランドは、コロナビール社(評価額190億米ドル)、バドワイザー社(137億米ドル)、ハイネケン社(128億米ドル)、モデロ社(113億米ドル)の4社の順でした。ディアジオ社所有のブレンデッド・スコッチウイスキーのジョニーウォーカーはブランド価値105億米ドルで6位となりました。ジョニーウォーカーは昨年、英国で5番目に価値のあるブランドに選ばれたところです。中国の白酒の五粮液社(Wu Liang Ye:中国白酒の銘柄の1つで、中国酒のジャンルにおいては茅台酒と並ぶメジャーな銘柄)は7位(時価総額91億ドル)で、ジャック・ダニエルとヘネシー・コニャックはそれぞれ8位と9位でした。ブラウン・フォーマン社のテネシー・ウイスキーのジャック・ダニエルは時価総額71億2,000万ドル、LVMH社所有のヘネシーは時価総額71億ドルでした。ナショナル・セラー1573(National cellar1573:国焦酒:Guojiao1573 は、明代にに建てられた国宝セラーに由来する酒類です。1996年に国家重点文化遺産に認定された国宝蔵の中で醸造されています)の白酒は時価総額70億ドルで10位でした。ディアジオ社所有のスミノフ・ウォッカは時価総額43億ドルで16位でした。トップ20の中で唯一成長したアルコール部門はビールで、ワインとスピリッツのブランドはすべて下落しました。
カンター社によりますと、最も価値の高い中国のアルコール・ブランドは超高級品で、白酒1本の価格が200ドルを超えるそうです。1位の茅台酒のブランド価値は2%下落しましたが、地域とカテゴリーの予想を上回る業績を上げ、他の白酒ブランドが経験したような急激な下落は避けたそうです。同レポートは、中国の白酒ブランドが経済の逆風に対応してブランド構築活動に力を入れたと指摘しています。カンター社は茅台酒を例に挙げ、同ブランドがコーヒー、アイスクリーム、チョコレートに進出して若い消費者をターゲットにし若い飲酒者に賭けていると指摘しました。茅台酒とラッキン・コーヒー・チェーン(Luckin Coffee)のコラボレーションでは、初日だけで白酒入りコーヒーが540万杯販売されました。茅台酒は有名なコーヒーやミルク・ティー・ブランドとコラボレーションすることで若者の注目を集め、エントリーレベルの価格をZ世代にとってより手頃なものに引き下げています。
一方、五粮液酒社とイタリアのカンパリ・グループ社との戦略的提携は、中国人消費者のスピリッツへの関心が高まっていることを反映していると、カンター社は指摘しました。また、2023年のコニャックの売上は減少したものの、LVMH社が上海にヘネシーのアジア初となる直営店をオープンするなど、中国人顧客向けの新たな体験への投資を継続していると指摘しました。ヘネシー社は、春節(旧正月)のプロモーションで中国人アーティストとコラボレーションもしました。
カンター社はまた、スピリッツにおけるより大胆なフレーバーへの世界的なトレンドを強調し、ジョニーウォーカー社のうま味フレーバーのブルーラベルを例に挙げました。また、フレーバード・アメリカン・ウイスキーが好調を記録し、ジャック・ダニエルのテネシー・アップルが売上50%増を記録していることも指摘しました。また、カンパリ社傘下のアペロールが、カンター・ブランズ社の2024年の最も価値のあるイタリア・ブランド・ランキングで最も急成長を遂げたブランドであることも明らかにしました。アペロールの価値は、2024年には前年比38%増の13億7,000万米ドルに達すると見込まれています。
385、パンペロ・ラムをグルッポ・モンテネグロ社に売却
2024年7月、ディアジオ社は、パンペロ・ラム酒をグルッポ・モンテネグロ社(Gruppo Montenegro)に非公開の金額で売却することに合意しました。ディアジオ社は、ベネズエラのブランドのパンペロ・ラムがイタリアで販売量ナンバーワンのラム酒であり、パンペロは他の大陸ヨーロッパ市場でも強い存在感を示していると述べました。パンペロの売却決定は、ラテン・アメリカとカリブ海地域での蒸留酒の急落により、ディアジオ社が2024年度上半期(2023年7月~12月)に業績不振に陥ったことを受けてのものです。
1885年に設立され、ボローニャを拠点とするグルッポ・モンテネグロ社は、イタリアの大手食品・蒸留酒メーカーです。グルッポ・モンテネグロ社のポートフォリオには、イタリアの蒸留酒ブランドであるアマロ・モンテネグロ、セレクト・アペリティーヴォ、ヴェッキア・ロマーニャ・ブランデー、ロッソ・アンティコ・ベルモットなどが含まれています。ディアジオ社のラム酒ポートフォリオには、フィリピンのブランドのドン・パパ(2023年に2億6,000万ユーロ(2億8,150万米ドル)で買収)、キャプテン・モルガン、カシク(Cacique Rum)、バンダバーグ・ラム(Bundaberg Rum)があり、グアテマラのラム酒のロン・サカパとキューバのブランドのロン・サンティアゴ・デ・キューバも一部所有しており、後者は国際的に流通しています。
386、嘉之助の日本産ウイスキーがアメリカへ
2024年7月、日本の嘉之助蒸留所は、シングルモルト、シングルグレーン、ブレンデッド・ウイスキーの3種類の主力ウイスキーのラインナップが今夏に米国に上陸すると発表しました。2021年、ディアジオ社は傘下の飲料インキュベーターであるディスティル・ベンチャーズ社を通じて嘉之助蒸留会社に投資し、この日本のウイスキー・メーカーの少数株を非公開の金額で取得しました。
嘉之助ジャパニーズ・シングルモルトは、同蒸留所の三宅銅製ポット・スチル(東京都台東区に本社のある三宅製作所)3基すべてを使用して製造されており、熟成期間には熟成前の小鶴樽、つまり焼酎を保管していた樽が使用されています。アルコール度数48%で瓶詰めされ、価格は100米ドルです。日置ジャパニーズ・ポット・スチル・グレーンウイスキーは、アイリッシュ・ポット・スチル・ウイスキーに着想を得たもので、麦芽と未麦芽の大麦を使用しています。焼酎製造に用いられるステンレス製のポット・スチルと減圧蒸留を採用しています。アルコール度数51%で瓶詰めされ、価格は110米ドルです。ダブル・ディスティラリー・ジャパニーズ・ブレンデッドウイスキーは、嘉之助シングルモルトと日置ポット・スチル・シングル・グレーンウイスキーをブレンドしたウイスキーです。このウイスキーは、現在、嘉之助蒸留所と日置蒸留所を率いる小正嘉之助の孫によってブレンドされました。このウイスキーはアルコール度数53%で瓶詰めされ、価格は120米ドルです。
これら嘉之助ウイスキーは、キリン・ディアジオ社とディアジオ・ジャパン社で同僚でした方が日比谷OKUROJIでパブリック・ハウス「Little GANG」を経営しておりまして、そこのバックバーにも並んでおります。おいしいウイスキーですので、是非お試しあれ。
387、フランスの流通を自社化へ
2024年7月、ディアジオ社は来年、モエヘネシー社からフランスにおける自社ブランドの独占販売権を引き継ぐ予定です。これまで同社のスピリッツ・ブランドは、パリに拠点を置くモエヘネシー社(LVMH社のワインおよびスピリッツ部門)との合弁会社を通じて国内で販売されていましたが、同社は新たな市場内企業であるディアジオ・フランス社を通じて販売を再開することを確認しました。2025年1月1日から、ジョニーウォーカー、J&B、ゴードン・ジンはディアジオ・フランス社によって販売されます。ベイリーズ、キャプテン・モルガン、スミノフ・ウォッカなど、他のブランドは2025年9月の第2フェーズから引き継がれる予定でしたが、これも来年の元旦に前倒しされました。ディアジオ・フランス社によってすでに販売されているブランドには、タンカレー、ドン・フリオ、ロン・サカパ、ブレット・バーボン、シングルトン・シングルモルト・スコッチウイスキー、ラガヴーリン、シードリップなどがあります。
モエヘネシー社とディアジオ社は長年にわたり協力関係にあり、両社の発展と成長を支えてきましたが、フランスにおけるモエヘネシー社とディアジオ社のポートフォリオの流通は2025年1月1日をもって完全に分化され、その時点でモエヘネシー・ディアジオ・フランス社を通じた両社の商業協力は終了します。ディアジオ社はモエヘネシー社の株式34%を保有しており、この動きによる影響はないと言われています。しかし、ディアジオ社がモエヘネシー社の株式を売却するのでは、とのうわさはあちこちで出てきました。ディアジオ社のヨーロッパでの売上は、2024年の最後の6か月間で3%増加しました。2月のレポートによりますと、ディアジオ社は毎年130億ユーロ(140億米ドル)以上をヨーロッパの経済に貢献しています。
388、ユナイテッド・スピリッツ社がアルコール度数ゼロのブランドに投資
2024年7月、ディアジオ・インディア社のユナイテッド・スピリッツ社部門は、ノンアルコール飲料メーカーのV9ビバレッジズ社(V9 Beverages)と、コーヒー・リキュール・ブランドのクアフィン(Quaffine)を所有するインディ・ブリューズ&スピリッツ社(Indie Brews & Spirits)の少数株式を取得しました。ディアジオ・インディア社のウェブサイトに掲載された通知の中で、同グループは取締役会がV9ビバレッジズ社の15%の株式とインディ・ブリュー&スピリッツ社の25%の株式取得を承認したことを確認しました。
2020年に設立されたV9ビバレッジズ社は、インド初の蒸留ノンアルコール飲料と言われるSoberを製造しています。同ブランドの製品ラインには、ラム酒、ウイスキー、ジン、ピンク・ジンのアルコール度数ゼロの代替品が含まれています。Indie Brews & Spirits社は2022年に、インド初となるコールド・ブリュー・コーヒー・リキュールのQuaffineを発売しました。アルコール度数25%のこのリキュールは、アラビカ種100%のコーヒー豆を使用しており、ゴア、タイ、ケニアで販売されています。(続く)
さて第60回目の回想録でしたが、いかがでしたでしょうか。ディアジオ社としてスタートしての46回目でした。初期のディアジオ・ジャパン社所属時、サッポロビール社販売のスミノフアイスを拡売していた時分の話ですが、海外でも販売していましたスミノフ・ブラックアイスを2004年だったか2005年に日本でも販売することになりまして、新商品導入に動き回った訳です。ライム味のスミノフ・ブラックアイスでしたが、あまりライムという感覚ではなく、ドライ味の印象でしたがレギュラーのスミノフアイスよりも甘く感じました。新商品を横須賀どぶ板のバー、飲食店様に導入していただこうと意気揚々と案内に回ったのですが、あまり感触は良くなく、理由を聞いてみますと、透明の液体は味のイメージがつかず、あまり手に取られないとのことでした。ZIMAと一緒ですね。仕方なく拡売路線を外国人相手のバーからダーツ・バーやカジュアル・バー、クラブ路線に換えたのです。その頃用意していたポスターやPOPは結構いけていましたので、多くのお店様にお届けしましたが、光物のPOPには勝てず、あまり掲示していただけませんでした。
ある時ある飲食店様のオーナーに伺ったのですが、スミノフアイスもシャーベット状にして提供できますよ、とのことでした。どういうことか詳しく伺いますと、過冷却冷凍庫という冷凍庫がありまして、この冷凍庫に保存しますと、水などの液体が凍って固体になる温度を下回っても固体にならず、液体のまま冷やされている状態にあるそうで、注ぐなりキャップを外す等の刺激を与えますと水分の結晶化が一気に進み、一瞬で凍るという冷凍庫だそうです。この冷凍庫を協賛で出せば、皆が驚きますし、売り上げにも好影響を与えるのでは、という話でした。当然高額商品ですので、協賛で出すわけにもいかなかったのですが、面白い企画ではありました。以前海外の企画をテレビで見たのですが、どのチームが氷の中にあるスミノフアイスを氷を早く溶かしていち早く取り出せるか、という競争をする企画がありました。どこの国でも頭をひねって、面白い企画を絞り出しているのですね。
さて、このようによしなしごとを書き綴っていますが、これからもまだまだディアジオ社につきましての回顧録は続けていく所存でございますので、ご指摘等ございましたらどんどんお寄せいただきたいと思います。何卒今後とも宜しくお願い申し上げます。
