Diageology 元ディアジオ ジャパン株式会社社員の回顧録㊳

回顧録㊳
 
皆様こんにちは、元ディアジオ・ジャパン社社員による回顧録の第38回目です。
 ディアジオ社としての業績を振り返る24回目になります。20年くらい前のニューズウイーク誌だったでしょうか。売上高だったか世界のTOP100企業の特集がありまして、その時はディアジオ社もその中に入っておりました(今は入っておりません、残念!)。喜び勇んで購入し、得意げに配偶者に見せたものです。アルコール飲料部門でくくりますと大きいのです。世界シェアのビール業界でくくりますと、1位にアンハイザー・ブッシュ・インベブ社、2位にハイネケン社、3位にアサヒ・グループ・ホールディングス社ときます。キリン・ホールディングス社は6位、ディアジオ社は9位に入ってました。何年か前は「Snow Beer(雪花啤酒)」のブランドで知られている会社のChina Resources Snow Breweries社(華潤雪花)が、中国最大のビールメーカーかつ、世界シェア3位であったのですが、12位まで落ちてしまってました。2016年にABインベブ社の子会社になってから、どうしてしまったのでしょうか、実績はすべてABインベブ社のものになっているのでしょうか。2019年4月にはハイネケン社の中国事業を買収し、順調に売り上げを伸ばしている、とのことでしたけど。どの会社が世界のどこでどれだけ売っていて、どういうランキングになっているのか勉強不足ですね。何年か経ちますと買収売却もあり、違う風景に替わっていますし。
 ディアジオ社という会社は、この会社を知らない酒類業界の方も多く、ブランドならわかってくれる会社とのイメージを持たれている方が大勢ではなかったでしょうか。2004年、日本バーテンダーズ協会の県央支部(今はもう無い!)の新年会に参加したときのこと、ジャーディン・ワインズ&スピリッツ社の方がディアジオ・モエヘネシー社というへんてこな社名になってしまいました、と挨拶していましたのを聞いて、ディアジオ・ジャパン社の私は変な奴、と思ったものです。ですがそれまでは商品の裏ラベルにディアジオ社の名前は印刷されていなかったので、致し方のないことですよね、誰も知らない社名。以前は、販売はディストリビュートする会社に任せて、マーケティングで口を出すタイプの会社だったので、社名なんぞ知られていなくても大丈夫だったわけです。ですが今では自社で販売まで行っていますので、どんどん名前を売っていかなければなりませんね。何卒今後とも宜しくお願い申し上げます。

ディアジオ社としての出発㉖
199、Distill Ventures社がアメリカン・ウイスキーのWestward社に投資
 2018年9月、ディアジオ社が出資するアクセラレーター・プログラムであるディスティル・ベンチャーズ社は、アメリカのシングルモルト・ウイスキー・ブランドのウエストワード社に投資しました。「グレーン・トゥ・グラス」のウエストワード・アメリカン・シングルモルト・ウイスキーはアルコール度数45%で瓶詰めされています。この投資契約には、ポートランドに本拠を置く蒸留所と、ウエストワード・アメリカン・シングルモルト・ウイスキーのブランドと在庫が含まれます。この資金により、蒸留所は来年、需要の増大に応えるため生産能力を40%近く拡大することが可能になります。ウエストワード社の蒸留所のハウス・スピリッツ蒸留所(House Spirits Distillery)は、クログスタッド・アクアビット、ヴォルステッド・ウォッカ、カーサ・マグダレナ・ラム(Krogstad aquavit, Volstead vodka and Casa Magdalena rum)とともにこのブランドを生産しています。この契約には残りのスピリッツは含まれておらず、ポートランドの施設で引き続き生産され、既存の販売代理店ネットワークを通じて供給される予定です。
 アルコール度数45%で瓶詰めされたウエストワード・アメリカン・シングルモルト・ウイスキーは、太平洋岸北西部産の大麦麦芽とエール酵母を使用して蒸留されます。アメリカのクラフト・ビールとウイスキーの伝統からインスピレーションを得たブランドです。同社は通常1日に3,000ガロンのペール・エール・ウイスキー・ウォッシュを醸造し、これを2回ポット蒸留した後、新しいアメリカン・オーク樽で熟成させます。ハウス・スピリッツ蒸留所は2004年にクリスチャン・クログスタッド(Christian Krogstad)によって設立され、後にCEO兼共同所有者のトーマス・ムーニー(Thomas Mooney)が指揮を執りました。同蒸留所によりますと、ウエストワード社は太平洋岸北西部最大の蒸留事業であると同時に、西海岸最大のクラフト蒸留所でもあります。蒸留所は2015年に拡張され、生産能力は6倍に増加しました。
 現在までに、Distill Ventures社は15以上の飲料ブランドに7,500万米ドル以上を投資しています。デンマークのウイスキー蒸留所スタウニング社やオーストラリアのウイスキー生産者スターワード社、そしてディアジオ社が2018年3月に買収したドイツの食前酒ベルサザール社などがあります。

200、ジョニーウォーカー社がホワイト・ウォーカー・スコッチウイスキーを発表
 2018年10月、ディアジオ社は、ゲーム・オブ・スローンズ(Game of Thrones)にインスパイアされた新しい限定版ブレンデッド・スコッチウイスキーのホワイト・ウォーカー・バイ・ジョニーウォーカーの詳細を明らかにしました。ディアジオ社は、ヒット番組のネットワークHBOと提携し、番組のアンデッド軍団であるホワイト・ウォーカーにインスパイアされたホワイト・ウォーカー・ウイスキーを製造しました。このウイスキーは、来年デビューするゲーム・オブ・スローンズの第8シリーズと最終シリーズに先駆けて発売されました。
 ウイスキー専門家のジョージ・ハーパー(George Harper)がジョニーウォーカーの小さなブレンダー・チームと共同で作ったホワイト・ウォーカー・ウイスキーは、「ホワイト・ウォーカーの冷たい存在感」を改めて示すために、冷凍庫から直接出すのがベストとのことです。アルコール度数41.7%で瓶詰めされたこのウイスキーには、スコットランド最北端の蒸留所のひとつであるシングルモルト蒸留所カーデュとクライヌリッシュのウイスキーが使われています。クライヌリッシュのウイスキーは、スコットランドの長い冬を耐え抜いてきており、壁の北に進出したナイツ・ウォッチが耐えてきた長い期間と似ているので、このユニークなウイスキーを造るには、クライヌリッシュが最適な出発点だったそうです。ボトルには、氷のような白と青のデザインと、ホワイト・ウォーカーのリーダーであるナイト・キングを模して変更されたブランドの象徴的なストライディングマンのロゴが組み込まれています。デザインには、ボトルが凍ると「冬が来た」というフレーズが現れる温度に敏感なインク技術も採用されています。
 ゲーム・オブ・スローンズ(原題:Game of Thrones)は、ジョージ・R・R・マーティン(George Raymond Richard Martin)著のファンタジー小説シリーズ「氷と炎の歌」を原作としたHBOのテレビ・ドラマ・シリーズで、中世ヨーロッパに類似するドラゴンや魔法が存在する架空の世界において、多くの登場人物が入り乱れる群像劇です。七王国の王座を奪い合う物語を描いた、大人向けのダークファンタジーで、主軸となるのは人間模様です。野望や憎しみなどを抱いた領主や兄弟などのそれぞれの立場で策略や駆け引き・裏切りが目まぐるしく交差し、戦いが起こります。本作品のシーズン数は全部で8つあり、七王国の玉座をめぐる内戦、前代の王の血筋(ターガリエン家)が目論む玉座奪還、七王国の北部でのホワイト・ウォーカーと呼ばれる魔物との戦いの3つの主要なストーリーが同時進行します。聞いた話によりますと、地上波のドラマより配信のほうが放送倫理基準が緩く、かなりHなシーンも出てくるとのことです。
 このコラボレーションの一環として、ディアジオ社は新しいゲーム・オブ・スローンズ・シングルモルト・スコッチウイスキー・コレクションも発売します。このシリーズには、番組のウェスタロス家と冥夜の守人のそれぞれとペアになった8種類のスコッチウイスキーが含まれ、ファンに「七王国の味」を提供します。(後述)
 また第7シーズンの氷と炎の歌をモチーフにした、クライヌリッシュを使用したジョニーウォーカー・ア・ソング・オブ・アイス(A Song of Ice)と、カリラ蒸留所のピーテッド・モルト由来のほのかなスモーキーな風味が特徴的なジョニーウォーカー・ア・ソング・オブ・ファイア(A Song of Fire)も2019年10月に発売され、前者のボトル・デザインは、北の厳しい冬と凍てついた大地をイメージしたフロストブルーとグレーの色合いで氷の世界を彷彿とさせ、アルコール度数40.2%で瓶詰めされたデザインは、氷のような雰囲気を醸し出し、架空のウェスタロスの地域でありスターク家の故郷である北方からインスピレーションを得た、霜が降りたような青と灰色の色調となっています。ボトルには、スターク家の紋章に描かれているダイアウルフの画像も描かれています。
 後者のボトル・デザインはターガリエン家のドラゴンをイメージし、炎の世界を想起させる深紅色が特徴で、アルコール度数40.8%で瓶詰めされたこのウイスキーは、ターガリエン家のドラゴンに敬意を表して、燃えるような背景と深紅の色を描いたデザインになっています。どちらの製品も、希望小売価格は750mlあたり36米ドルです。
 日本ではキリンビール社がジョニーウォーカー・ア・ソング・オブ・アイスのみを2019年11月より数量限定で全国発売しました。これにはひと悶着ありまして、最初の話ですとソング・オブ・アイスとソング・オブ・ファイア両方とも販売する予定だったのですが、ソング・オブ・ファイアのボトルの図柄を見て、ドラゴンの図柄が龍の子太郎や日本昔話の竜、中日ドラゴンズを想起させ未成年に飲酒を助長しかねないとか何とかの理由でキリンビール社が販売を拒否したのです。ですからソング・オブ・アイスの輸入数量を多くし販売したわけですね。石橋を叩いて渡るキリンビール社ですからしょうがないことですね。見解の違いですが、販売元はキリンビール社です。
 だからと言うわけではないですが、ゲーム・オブ・スローンズのストーリーを細かく調べて神奈川県内や町田市のバーに売りまくりましたよ。またソング・オブ・アイスのジョニーウォーカーの四角いボトル4面を揃えますと丁度1匹のオオカミの図柄が揃うようなデザインでしたので、4本購入していただいたバーも多数ありました。その節は大変お世話になりました。

201、サゼラック社へのブランド売却を5億5,000万ドルで完了
 2018年11月、ディアジオ社は、プレミアム・スピリッツへの注力を強化する中で、非優先ブランド19ブランドを米国企業サゼラック社に5億5,000万米ドルで売却すると発表しました。サゼラック社はこれらのブランドの世界的な可能性を最大限に引き出すことに注力していく、とのことです。
 その後この取引は2019年初頭に完了する予定でしたが、2018年12月、ディアジオ社は、予定より早く、サゼラック社への19の非優先ブランドの売却を完了しました。取引額は5億5,000万ドルでした。11月に発表されたこの取引は、2019年初頭に完了すると予想されており、ディアジオ社は税引き後および取引費用控除後の利益として3億4,000万ポンド(4億3,690万ドル)を得ることになります。
 売却の結果、現在サゼラック社が所有するブランドには、カナディアン・ウイスキーのシーグラムVO(Seagram’s VO:canadian whiskey)、シーグラム83(Seagram’s 83:canadian whiskey)、シーグラム・ファイブスター( Seagram’s Five Star:canadian rye whiskey)、マイヤーズ・ラム(Myers’s Rum)、パロット・ベイ・ラム・リキュール(Parrot Bay rum liqueur)、ロマーナ・サンブーカ(Romana Sambuca)、ポポフ・ウォッカ(Popov vodka)、ユーコン・ジャック・ウイスキー・リキュール(Yukon Jack canadian whisky liqueur)、ゴールドシュレーガー・シナモン・リキュール(Goldschläger cinnamon liqueur:schnapps liqueur)、スターリングス・カクテル・ミキサー(Stirrings cocktail mixer)、ザ・クラブ( The Club:pre-made cocktails)、スコアズビー・ブレンデッド・スコッチ(Scoresby blended Scotch whisky)、ブラック・ハウス・リキュール(Black Haus liqueur:blackberry schnapps)、ペリグロッソ・テキーラ(Peligroso Tequila)、レルスカ・ウォッカ(Relska vodka)、グラインド・エスプレッソ・スピリッツ(Grind espresso spirits)、パイホール・ウイスキー・リキュール(Piehole canadian whiskey liqueur)、ブース・ジン(Booth’s gin)、ジョン・ベッグ・ブレンデッド・スコッチ(John Begg blended Scotch whisky)がありました。この取引の一環として、ディアジオ社は、サゼラック社と5つのブランドについて10年間の長期供給契約を締結しました。
 サゼラック社のブランドにはバッファロー・トレース、パピー・ヴァン・ウィンクル、E.H.Taylor、Eagle Rare、Blanton’sなど多くのバーボン・アイテムと、バッファロー・トレース蒸留所(Buffalo Trace Distillery)、バートン1792蒸留所(Barton 1792 Distillery)、A.スミス・ボウマン蒸留所(A.Smith Bowman Distillery)、グレンモア蒸留所(Glenmore Distillery)の製品が含まれています。
 そのサゼラック社ですが、ディアジオ社から19のブランドを5億ドルで買収したわずか数週間後の2019年1月、今度はニューヨークを拠点とする酒類製造会社スター・インダストリーズ社(Star Industries)から19のブランドを非公開の金額で買収しました。買収の結果、ジョージー・ウォッカとジン(Georgi vodka and gin)、マジョルスカ・ウォッカとジン(Majorska vodka and gin)、アレクシス・ウォッカ(Alexis vodka)、アレクシ・ウォッカ(Alexi vodka)、ロード・コーディアルとリキュール(Llord’s cordials and liqueurs)、ブラック・プリンス・スコッチ(Black Prince Scotch)、ブランサック・ブランデー(Blansac Brandy)、カリバヤ・ラム(Caribaya Rum)、カーナビーズ・ジン(Carnaby’s Gin)、クライド・ジン(Clyde’s Gin)、デビル・スプリングス・ウォッカ(Devil Springs Vodka)、ドニゴール・アイリッシュ・ウイスキー(Donegal Irish whiskey)、ドラド・テキーラ(Dorado Tequila)、ダンカンズ(Duncan’s)、リトル・ジョン・ジン(Little John Gin)、マッコールズ(McColl’s)、R.J.ホッジス・アメリカンウイスキー(R.J. Hodges American whiskey)、サー・フランシス(Sir Francis)、ワイルド・フレイム・シナモン風味ブレンデッド・ウイスキー(Wild Flame cinnamon-flavoured blended whiskey)などがありました。
 2020年6月には、ブラウン・フォーマン社からアーリー・タイムズ、カナディアン・ミスト(カナディアン・ミスト蒸留所も)、コリングウッド(Collingwood)のブランドも買収してます。このニュースをネットで発見しました時は、すぐさま世田谷の酒販店様のバーボン、アメリカンウイスキー担当の方にメールで本当のことかどうか確認いたしました。本当でした。すごいですね、この会社は何でも買うんですね。どういうコンセプトの販売戦略を立てているのでしょうか。
 またディアジオ社がマイヤーズ・ラムを売却したため、ディアジオ社と契約してマイヤーズ・ラム・オリジナルダークとマイヤーズ・ラム・プラチナホワイトを販売してましたキリンビール社は一時期両商品の終売を発表し、再度サゼラック社と契約し、マイヤーズ・ラムの販売を再開しました。この終売騒ぎのあおりで、無くなっては困るバーの方々でマイヤーズ・ラムをたくさん買い込んだ飲食店様もあったのですが、意外と早く再発売された記憶があります。ご心配とご迷惑をおかけいたしました。

202、新しいブレット第2蒸留所を開設すると発表
 2018年12月、ディアジオ社は新しいブレット第2蒸留所を開設すると発表しました。1億3,000万ドルをかける300エーカー(120ヘクタール)のこの施設は、ケンタッキー州レバノンにカーボン・ニュートラルの蒸留所として設立されます。ディアジオ社は、ケンタッキー州に1億3,000万ドルを投じて蒸留所を建設し、アメリカンウイスキー事業の拡大を図る計画を発表しました。この蒸留所は2022年の稼働開始を目指しています。
 レバノンに建設される1億3,000万ドルを投じたこの蒸留所は、ディアジオ社にとってケンタッキー州で3番目の拠点となります。ディアジオ社の建設予定の蒸留所には、乾燥室と倉庫が含まれます。このプロジェクトは来夏に着工予定で、30人の正社員雇用を創出します。12月13日、ケンタッキー州教育・開発・農業・農村開発局(KEDFA)は、ディアジオ社に対し、地域社会への投資と雇用創出を促進するため、最大250万米ドルの税制優遇措置を暫定的に承認しました。これは、ケンタッキー州企業イニシアチブ法(KEIA)に基づく150万米ドルの税制優遇措置に加えて承認されたものです。

203、ゲーム・オブ・スローンズの限定版シングルモルト・スコッチウイスキー・コレクションが発売
 2019年1月、ディアジオ社はゲーム・オブ・スローンズの限定版シングルモルト・スコッチウイスキー・コレクションの最終アイテムを発売し、すべてが出揃いました。このコレクションには、ウェスタロス家または冥夜の守人のいずれかに敬意を表したボトル9本が含まれています。ボトルにはそれぞれのウェスタロス家の紋章が描かれており、冥夜の守人エディションは黒いボトルに入っています。
 ハウス・ティレルはクライヌリッシュ14年シングルモルト・スコッチ・リミテッド・エディション(51.2% ABV)で、ハウス・ティレルを代表するハイランド産シングルモルト・スコッチで、バラの紋章が描かれています。
 スターク家はダルウィニー・ウィンターズ・フロスト限定版(43% ABV)で、ゲーム・オブ・スローンズの第8シーズンおよび最終シーズンを記念して作られた8種類のシングルモルト・スコッチウイスキーの1つです。2018年秋に販売予定だったこのノンエイジ・ステートメント・シングルモルトには、スターク家の紋章であるダイアウルフが描かれています。
 バラシオン家はロイヤル・ロッホナガー12年限定版(40% ABV)で、最初の8種類のシングルモルト・スコッチウイスキーのうちの1つで、2018年秋に発売予定のこの12年物のシングルモルトには、バラシオン家の紋章である王冠をかぶった黒い雄鹿が描かれています。
 ターガリエン家はカーデュ・ゴールド・リザーブ・リミテッド・エディション(40% ABV)で、最初の8種類のシングルモルト・スコッチウイスキーの1つで、このノンエイジ・ステートメント・シングルモルトには、ターガリエン家の紋章である3つの頭を持つドラゴンが描かれています。
 グレイジョイ家はタリスカー・セレクト・リザーブ・リミテッド・エディション(45.8% ABV)で、スカイ島産のシングルモルトで、グレイジョイ家を代表するもので、クラーケンが描かれています。
 ハウス・タリーはシングルトン・オブ・グレンダラン・セレクト・リミテッド・エディション(40% ABV)で、最初の8種類のシングルモルト・スコッチウイスキーの1つで、このノンエイジ・ステートメント・シングルモルトには、ハウス・タリーの紋章である飛び跳ねるマスが描かれています。
 ナイツ・ウォッチはオーバン・ベイ・リザーブ・リミテッド・エディション(43% ABV)で、このノンエイジ・ステートメント・ハイランド・シングルモルトは、ナイツ・ウォッチの誓いを記した、暗くてシンプルなラベルが特徴です。ウェスタロスとその向こうの荒野を隔てる壁のように、オーバン蒸留所はスコットランド西部の島々とハイランドの境界に位置しています。
 ラニスター家はラガヴーリン9年(46% ABV)で、ラニスター家を代表するアイラ・シングルモルトです。エレガントでありながらフルボディで、ピートの香りがほのかに漂います。
 最後の王国はモートラック15年(46.0% ABV)のシングルモルト・スコッチウイスキーで、HBOの象徴的なシリーズ最終回にインスピレーションを得て、ゲーム・オブ・スローンズ限定版コレクションの 9 番目で最後のボトルとして発表され2019年12月に発売されました。これは、三つ目のカラスとウェスタロスの運命に敬意を表した希少なモルトです。長年保持されてきました7つの王国は、鉄の玉座をめぐるクライマックスの戦いの結末で最終的に6つになりました。(続く)


 さて第38回目の回想録でしたが、いかがでしたでしょうか。ディアジオ社としてスタートしての24回目でした。34章のエンディングでエナジー・サワーについて触れましたが、陶陶酒社からヴァイパー・カクテル・シリーズが販売されているのをお酒のDSのトップさんで見つけました。12%で50ml、ガラナ、シークワーサー、ラムネ、マスカットがありました。ダーツ・バーで負けた方たちは罰ゲームとしてテキーラをショットで一気に飲むのが一般的ではあるのですが、近年ドイツのイチジクのリキュールで15%か20%で20mlのクライナー・ファイグリングや16%でひと口カクテル30mlのスリングショットなどを一気に飲むのが流行ってきました。陶陶酒社もそんなところに目をつけて出されたのではないでしょうか。チャミスルやコカレロ等も結構スペースを割いて並べられているところを見ますと、若い方向けの商材を広げて、若い飲食店関係者に店舗に来ていただこうということなんでしょう。
 昔は宴会でも飲み会でもスタートは生ビール何杯とか、瓶ビールを注いでビールグラスで乾杯しスタートしたものでしたが、すでにビールだけの時代ではなく、好きなものを選択して飲む時代なのです。ある時関内駅前のダイニング・バーを訪問していた時のこと、2次会使いで重宝していたそのバーに15人程のお客様が入ってこられ、皆様のご注文が全てモヒートのカクテルでした。バーテンダーさん(その後中区宮川町で独立された方)は大慌てで、しかし丁寧にカクテルを作られて提供されました。ミントの葉を各グラス分ちぎって入れてつぶすのが大変なのです。
 ビールもクラフト・ビールを各社出して頑張っていると思います。それぞれ特徴を打ち出したクラフト・ビールは大量に飲むものではないでしょうが、カクテルのように少しずつゆっくりと色々な味を楽しめる商材ですね。ですがギネスビール社が自分もクラフト・ビールだと言い出したのには、少し違和感がありました。いつから売り出してると思ってるんでしょうか。今のクラフト・ビールと同じようなことを、それこそ創業から何年にも渡って様々な事柄に挑戦し、様々なヴァリエーションのギネスビールを作成しては提供してきたではないですか。今のクラフト・ビールの状況に迎合してほしくはないのです。ギネスビールとしての王道を歩いてほしいと思います。さて、最後に偉そうなことを書き綴っていますが、これからもまだまだディアジオ社につきましての回顧録は続けていく所存でございますので、ご指摘等ございましたらどんどんお寄せいただきたいと思います。何卒今後とも宜しくお願い申し上げます。

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