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会社にいながら、少しずつ自由になっていった話――「会社を利用する」という発想に切り替えた日から


若い頃は、会社を辞めたら自由になれる。
ずっと、そう思っていました。

でも今は、
ここで言う自由とは、
単に束縛がない状態のことではありません。

自分の意思で選び、
その選択に納得して生きている、
という「心の状態」
その感じ方のことです。

もし、いまやっている仕事が、
自分の意思で選んだルーティンワークで、
それに納得できているのなら、
この先を読む必要はないかもしれません。

僕自身、長いあいだ、
「会社にいる限り自由ではない」
思い込んでいました。

時間評価人間関係も、
どこかで誰かに握られている。
自由になりたいなら、
会社のに出るしかない。
そんな単純な図式を、信じて疑いませんでした。

でも、ある時ふと気づいたんです。
自分を縛っていたのは、
会社そのものではなく、
会社に対する自分の構え方だったんじゃないか、と。

組織の中では、単純作業やルーティンワークを、
入社したての社員やパートさんが担うことが多い。
それは、どこの会社でも、おそらく大きくは変わらないと思います。

誤解のないように言っておくと、
僕はそれらの仕事を低く見積もっているわけではありません。
組織というものは、そうした土台の作業があってこそ成り立つ。
それは、事実です。

問題はそこではありません。

その仕事を「自分の意思で選んでいる」と言い切れるかどうか。
そして、その状態に心が納得しているかどうか。

いつの間にか、選んだつもりで、選ばされていた。
慣れたつもりで、考えることを手放していた。

そこに、自分の自由が少しずつ
置き去りにされていった
気がしています。

だから僕は、会社を辞めるかどうかではなく、
会社との距離の取り方を考えるようになりました。

全部を賭けない。
心まで差し出さない。
評価に振り回されすぎない。

その代わり、
給料生活の燃料として受け取り、
肩書は社会を通過するための通行証として使う。
会社は、人生そのものではなく、
いま身を置いている仮の場所だと捉える。

言ってしまえば「会社を利用する」という感覚です。

それは、会社を軽んじることでも、
仕事から逃げることでもありません。

自分の意思で、どこまでを引き受け、
どこから先は引き受けないかを決め直すこと。
会社に居ながら、心だけ先に自由になってみる。
選択肢を手放さないまま、今日を生きる。

それが、いまの僕なりの「自由」です。

単純作業ルーティンワークから抜け出したい。
そう思うなら、まず必要なのは、
やはり「そうしたい」という自分の意思です。
これは、言うまでもありません。

ただし、ひとつ現実的な話をすると、
もし上司から「それはもうやらなくていい」と言われたら、
勤務時間が減るわけではありません。
空いた分の時間で、
自分なりの別の仕事を
考えて実行しなくてはいけません。

ここで、
「閑職」という言葉が
頭に浮かぶ人もいると思います。
たしかに、あまりいい響きではありません。
でも、見方を変えれば、
アイデアを出せる人にとっては、
むしろチャンス
でもあります。

何も決まっていない。
だから、何をしてもいい。
この状態を、
不安と感じるか、余白と感じるかで、
その後は大きく分かれます。

アイデアがない?
正直、今は言い訳にしづらい時代です。
ChatGPTもありますから。
笑い話のようですが、
これは本当に、
ひとつの追い風だと思っています。

では、何に目をつけるか。
答えは意外とシンプルで、
自分にいちばん身近な社内業務です。
遠くの壮大な改革より、
毎日触っている違和感のほうが、
よほど扱いやすい。

ポイントは、
「問題意識」を持てるかどうか。
会社全体で、今なにが問題なのか。
自分の関わっている業務で、
なにが滞っているのか。
完璧な分析は必要ありませんが、
問題だと感じるアンテナは必要です。

そして、
その中でも、最初に手をつけるべきなのは、
比較的、成果が出やすいものです。
ここは、感覚ではなく、
自分なりの「基準」を持った方がいい。

やるなら左の数が多い方からやるべきです。

新しいもの > 古いもの
容易に可視化できる > 可視化しにくいもの
数値化できる > 数値化しにくいもの
見てすぐ分かる > 説明しないと分からない
整っていない(手つかず) > 整っている
結果が見えやすい > 結果が見えにくい
難易度が低い > 難易度が高い
コツコツ積み上がる > ギャンブル的である

右が悪いわけではありません。
ただ、最初から右に挑む必要はない、
というだけです。
まずは左から。創造性を発揮しやすく、
比較的、成果が出やすいところ
から手をつける。
それだけで、
仕事の手応えは、驚くほど変わります。

ひとつでも、
社内に自分のオリジナルの仕組み
整えられると、
空気は確実に変わります。
まず、発言権が少し大きくなる。
トップや上司が、こちらの話を聞く姿勢になる。
「それ、一理あるね」と言われるようになる。

そこで、自分のセンスは磨かれ、
会社に使われているのではなく、
会社を自分が使っている感覚に変わります。

このあたりまで来れば、
もう十分、自由人です。
何も、会社を牛耳る必要はありません。
全部を変える必要もない。

ただ、会社のことではあるが、
自分で考え、自分で決めて、
その選択に立ち会っているだけです。

一度、楽しく工夫するクセがついてしまえば、
あとは早い。
小さな切り口でも、それを自分ごととして考え、
地頭で組み立てられるようになったら、
それはもう、
「本物」=「会社に居ながら自由でいる人」です。


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澪(みお)│人生探究家│📖note実験室|フォロバ100% この記事が、あなたの心にちょっとでも寄り添えたなら、サポートしていただけると、とても励みになります。 いただいたチップは、これからの執筆活動と、同じように悩む誰かへの物語づくりに大切に使わせていただきます。