何もしなかった10年
いま、私は行政書士として、ぼちぼち活動を始めている。
還暦過ぎ。今までSNSはやったことも無いし、やろうとも思わなかった。人生は、いまが再起動中である。
15年前、病気が見つかり、医師にこう言われた。「あと1年の命かもしれません」
そんなわけで、人生の予定表が真っ白に。以後、目標は「今日を生きる」に一本化された。
再発の目安は3年、5年、10年。
10年目を迎えたとき、「これはもう、命拾いした部類かもしれないな」と気づいた。
そのとき、ふと思った。「あれ、自分、10年間、何もしてないな」と。
別に寝て暮らしていたわけじゃない。
ただ、振り返ると、人生の記録がすっぽり抜けている。もはや空白の巻物である。
このままではいかん、とスイッチが入った。
行政書士を目指したのには、もうひとつきっかけがある。
当時、片道1時間の車通勤。つまり、往復2時間。毎日、車窓からの景色だけを見ていた。
「この2時間、もったいないよな」と思い、最初はカラオケ流して熱唱タイム。
次にハマったのが英語のリスニング。で、ある日ふと思った。
――資格の勉強すれば、もっと有意義なんじゃない?
それでメルカリで、行政書士講座のCDを発見。
これがまた安かった。即購入し、車内で毎日流しながら通勤する日々が始まった。
当然、運転中であるから、BGMとして聴き流しているだけ。そんなには頭に残らない。
でも、出勤日260日×2時間=520時間、
休日105日5時間=525時間、
目安の1,000時間になるじゃん!
しかし、物事はそんなに都合よく回らないものである。
試行錯誤を繰り返して、気づけば4回目の試験でようやく合格。
年齢的にはベテランだが、業界的にはルーキー。
人脈もない、金もない、経験もない。
そんなわけで、「SNSとかやってみる?」という考えに至る。
SNS初挑戦。ハッシュタグって何?バズるってどういう状態?
分からないまま、いまこうしてnoteを書いている。たぶん方向は合っている(はず)。
座右の銘は「いきてるだけでまるもうけ」。
昔から好きな言葉だったけど、この歳になってようやく本気で実感している。
命を拾った10年のあとに、まさか新しいことを始めるとは、自分でも驚いている。
この先、行政書士としてどこまでできるか分からない。
でも、空白だった10年を思えば、やれることはまだまだある。
たとえ「還暦過ぎの新人」でも、人生はアップデート可能。
今さらだけど、けっこう面白くなってきた。
