史実とファンタジーの境界(5) 東方三博士って結局どなた?
新約聖書にはジーザスご生誕前後と復活前後のエピソードがありますよね。
欧州行くまではなんとか聞いたことがある。それぞれ10コだっけ?うーん、何個知ってるかな? 程度だったのですが、これを間近に見たら俄然興味が湧いたパリ ノートルダム寺院の内陣レリーフ。
より興味があるのは生誕前後のエピソードで、
ここでは東方三博士 あれこれ。

ノートルダムが大火災になる直前
この2019年春はパリ中心部はいろいろ物騒だと言われて、前半は郊外をいろいろ訪ね歩いて、後半は渋めの中心部へ。そのときに仕事先でノートルダムとセーヌ川のあいだにある桜がきれいだよと教えてもらって訪ねたノートルダム寺院。
ファザードから入ってステンドグラスとか見ながら内陣へ。そこで日本語で「なに人ですか」とたずねられて日本語の解説パンフをもらってじっくり見学。 こんなすごいの見ながら、あー、こういうことだったのね。とハマった次第。

このレリーフの初期に東方三博士がでてきます。
生誕前後のエピソードはそれぞれおもしろいけど、なかでも東方三博士のファンタジー度が飛び抜けてる気がする。
星をみてジーザスの生誕を知ったという
博士がお祝いにやってきた。
ヘロデ王はそれを知って邪悪な手をまわすわけだけど、来たのは誰なの? 博士? 占星術師? じつは判らない???
何人だったの? 贈り物は3種類。それは書いてあるけど、3人とは書いてない。実はひとりが3つ持ってきた?
ってことは、ヨーロッパ、アフリカ、アジアをあらわすというけど、それはあと付けですよね。 ひとりはアフリカだから黒人とか。 おいおい。
でもとにかくジーザスが生まれたときにお祝いに人がきた。贈り物をくれた。
なんかいいエピソード。
なんか好きなんだよなあ。
ほのぼのエピソード。
そんなほのぼのエピソードを現実へ引き寄せるのがこちら。ドイツの「ケルン大聖堂」

すごく大きくて立派な教会。
なんでこんなにすごいのか?というと、
あの、「東方三博士の聖遺物」があるから。
ケルンに大きな聖堂があるというのは、すごく昔からだけど、いまの巨大な大聖堂はできて150年程度。すごくインパクトある大聖堂だけどそれほど古いものではありません。
それでも、たくさんの人が参拝に来ます。
それは「東方三博士の聖遺物」があるから。

ファザードからなかへ入るとこんな感じ。
奥のほうに光り輝いてる聖遺物。
これがケルンの聖遺物。

東方三博士の遺骨を収めてあるという。
ところが実際は遺骨はないともいう。
それでも800年ほど前にできた遺骨を収める光り輝く箱は今も教会の奥で光り輝いてる。
単純な印象ですが、
うわっ、金ピカ すげー。
と思います。
なぜここにこんな聖遺物があるのかというと、結構ハッキリしていて、赤髭王バルバロッサがイタリアへ遠征して、ドイツに聖遺物をもたらした。
通史的に書くとこうですが、つまるところ、遠征って攻め入ってやりたい放題暴れて、その戦利品としてぶんどってきたんでしょう@800年頃。
そしてこちらがブン取られたミラノの教会。
千年以上前だけどゴツいバーバリアンが暴れたい放題で酷い目に遭いましたよ。

勝手に持ってっちゃったんだよ。
デカいバーバリアン
そもそも三博士って実在したのか、遺骨ってどこの誰のなん? って朦朧としたファンタジー。
それでも、バルバロッサが聖遺物と言われるブツをここから強奪していったのは事実。
そしてケルンで壮麗に祀られてすでに千年以上。
バルバロッサまではファンタジーだけど、
ケルンに来た理由も荒っぽすぎるけど、
ケルンに来て、巡礼者がごまんと来るようになってから千年以上経ったんだから、実は遺骨はないとしてもそれはすでに史実と思います。
そんなふうに史実とファンタジーを、ソレはソレ、コレはコレと考えると巡礼地や聖遺物けっこう面白いです。
