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【借金3000万男の記録】

第17話 少しずつ、また

あの再会をきっかけに、彼女とは、また連絡を取るようになりました。

最初は、本当に些細なやり取りでした。「この前はどうも」「また今度、近くに行ったら寄るね」。そんな軽いメッセージのやり取りから、少しずつ、頻度が増えていきました。

正直、僕の中には迷いもありました。

離婚を経験し、子供ともたまにしか会えない。借金もまだ完済には程遠い。そんな自分が、誰かと新しい関係を築いていいのだろうか。そんな引け目のような感情が、心のどこかにありました。

それでも、彼女と話す時間は、素直に心地よかったんです。

数字を追いかけることに必死だった日々。孤独に気づいた日々。挨拶から少しずつ人との関わりを取り戻していった日々。そのすべてを、彼女は、少し離れた場所から見ていてくれたような気がしました。

会う回数が、少しずつ増えていきました。

仕事帰りに軽く食事をする。休みの日に、少し遠出をする。特別なことをしたわけではありません。ただ、一緒に過ごす時間が、自然と積み重なっていきました。

ある日、はっきりとした形で気持ちを伝え合い、僕たちは交際することになりました。

正直、この歳になって、こんなふうに誰かと新しい関係を築くとは、思ってもいませんでした。離婚を経験した身として、次に誰かと向き合うことに、臆病になっていた部分もあったと思います。

でも、彼女は、僕の過去を知った上で、それでも隣にいてくれる人でした。

借金のこと、離婚のこと、子供のこと。取り繕わず、正直に話しました。彼女は、それを聞いた上で、否定することも、腫れ物扱いすることもせず、ただ自然に受け止めてくれました。

「今の頑張りを見てるから」

彼女は、そう言ってくれました。

数字だけを追いかけていた頃の僕を知らない彼女。でも、そこから変わろうとしている今の僕を、間近で見てくれている彼女。その存在は、僕にとって、大きな支えになっていきました。

借金の返済も、子供との関係も、まだ道半ばでした。それでも、この時期の僕は、以前よりもずっと前向きな気持ちで、日々に向き合えるようになっていました。

一人で数字とだけ向き合っていた頃とは、明らかに違う感覚でした。

次回は、この交際が始まった後、僕の生活や気持ちにどんな変化があったのか、そして借金返済の道のりが、その後どう続いていったのかについて書こうと思います。

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