【借金3000万男の記録】
第15話 リーダーになって、見えたもの
チームの成績が伸びていったことをきっかけに、僕はリーダーを任されることになりました。
正直、驚きました。
数字だけを追いかけていた頃の僕を知っている人からすれば、意外な人選だったかもしれません。でも、挨拶から始まった小さな変化、そしてチームとして成果を出せたという実績が、評価されたんだと思います。
リーダーになって、まず変わったのは、お金の使い方でした。
飲み会や食事会。これまでの僕なら、極力避けていた出費です。生活を切り詰め、無駄な支出はゼロにする。それが、返済を続けるための鉄則でした。でも、リーダーという立場になると、そうも言っていられませんでした。
チームのメンバーと関係を築くための飲み会。相談に乗るための食事会。成績が振るわないメンバーを励ますための一杯。以前の僕なら「無駄な出費」と切り捨てていたであろうお金の使い方が、リーダーという役割には必要なものになっていきました。
正直、最初は抵抗がありました。
「この出費、本当に必要なのか」
財布からお金が出ていくたびに、心のどこかで、そんな声が聞こえていました。長年染みついた「一円でも惜しんで返済に回す」という習慣は、そう簡単には抜けませんでした。
でも、この出費には、これまでとは違う意味がありました。
飲み会や食事の場で、メンバーの悩みを聞く。ちょっとした雑談から、仕事のヒントが生まれる。そういう場を重ねるうちに、チームの雰囲気は、以前よりも確実に良くなっていきました。そして、チームの雰囲気が良くなれば、当然、成績にも反映されてきます。
結果として、チーム全体の成績は、さらに伸びていきました。
そして、リーダーとしての評価にともなって、僕自身の収入も上がっていったんです。
飲み会や食事会に使うお金は、確かに増えました。でも、それ以上に、成績が伸びたことで得られる収入の方が、はるかに大きかった。「使った分、それ以上に返ってくる」という感覚を、この時初めて実感しました。
これまでの僕は、「支出は悪」「一円でも節約するべき」という考え方一辺倒でした。それは、600万円という借金と向き合う上で、必要な考え方だったと思います。
でも、リーダーになって分かったのは、必要な場面では、お金を使うことにも意味があるということでした。人との関係を築くための出費、チームの成果につながる出費。そういうお金の使い方は、ただの浪費とは違う。
数字だけを追いかけていた頃の僕には、絶対に理解できなかった感覚だと思います。
借金の返済ペースも、この時期、さらに加速していきました。収入が増えたことで、返済に回せる金額も増え、着実に残高が減っていくのを実感できるようになりました。
裏の仕事で稼いでいた頃は、お金を稼ぐことと、心をすり減らすことが、常にセットでした。でも今は、人と関わり、チームを良くすることで収入が増えていく。同じ「お金を稼ぐ」という行為でも、まったく違う意味を持つようになっていました。
次回は、リーダーとしての日々がさらに続く中で、僕自身や借金の状況にどんな変化があったのか、書いていこうと思います。
