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「日曜日のカレー」 #3つのお題に空想のひらめきを

父さんが子供のときのことが聞きたい?
そうだなぁ。
ちょうど祐希くらいのときに体験した話をしようか。

昭和50年代って言ってもあれか。
1980年代ってわかるか?

そう、昔。
まだスマホどころか、インターネットもない頃だ。

E.T.って知ってるか?
そうか、もう知らないよな。
E.T.オウチカエルってモノマネが流行って、クラス中で真似してたよ。
ははは、わかんないよな。

ドラゴンボールは知ってるだろ。
そうそう、悟空がまだ子供でな。
しっぽも生えてたぞ。

それで、ユリゲラーって超能力者がいてな。
いや、手品じゃなくて、超能力。
超能力って、封筒の中に書いてある文字を当てたり、瞬間移動させたりしてたんだよ。
今じゃマジックってすぐわかるんだろうけどな。
あのときは、ホントに超能力って信じてたんだよ。
いや、そう言うけど、あのときはホントにすごかったんだよ。
日本全国の小学生が信じてたと思うぞ。

そう、テレビで見てた。
録画とかもできないから、ご飯とかお風呂とか早く済ませて、テレビの前でホントに正座して待ってた。
そのくらい、楽しみだったんだよ。

で、ユリゲラーって、スプーンを曲げるんだよ。
みんなが見てる前で、くにゃって。
笑ってるけど、すごかったんだぞ。
何本でもくにゃくにゃ曲げてたんだ。
カレーとか食べる硬そうな大きいスプーンだぞ。

それでな、一緒にテレビ見てたお前のおじいちゃんが、「スプーンぐらい曲げられる」って言い出したんだよ。
そう、静岡の。
父さんにな、台所からスプーン持ってこいって言うんだよ。
ユリゲラーだからスプーンを曲げられるけど、おじいちゃんは超能力者じゃないから、曲げられないだろって思ってた。
それがな、スプーンをおじいちゃんに渡したら、曲げちゃったんだよ。
そう。
くにゃって。
父さん、ものすごくびっくりしてなぁ。
父さんの父さんも超能力者だって、すっごくびっくりした。

次の日学校でさ、父さんみんなに自慢したんだよ。
うちの父さんは超能力者だって。
みんな嘘だって言ってたけど、曲がったスプーン見せたら、みんな信じてた。
で、みんなおじいちゃんに会いたがってな。
みんなスプーン曲げが見たいって、うちに来たがって。
そう。
やっぱり、おばあちゃんが、ダメだって言ってな。
それよりも、おじいちゃんがスプーン曲げたのを、おばあちゃんがすごく怒ってな。
「どうやってカレー食べるんですか!」って。
すごい剣幕で。
おじいちゃんと父さんは正座させられて、二人で怒られてた。

おじいちゃんも、友達を連れてくるなって言ってな。
あれは、超能力じゃなくて、力で曲げたんだって。
それ聞いて、がっかりしたなぁ。
超能力じゃなかったんだって。

そのあと、どれくらいかなぁ、1ヶ月くらい後だったかなぁ。
おじいちゃんもいたから、たぶん日曜日だったと思う。
晩御飯がカレーだったんだよ。
スプーン?
おじいちゃんが曲げたスプーンは、おじいちゃんがまた力で元に戻してたよ。
だから、ちょっと変な角度になっててカレーが食べにくかったよ。
まだ、静岡のおじいちゃんの家にあるんじゃないかなぁ。
今度行ったとき、聞いてみよう。

で、おばあちゃんが、みんなにカレーを注いでくれてたんだけどな。
おばあちゃんが持ってるお玉が、お皿と一体になったんだ。

お皿とお玉がくっついて離れなくなったんだ。
磁石みたいにくっついたんじゃないぞ。
真っ白な陶器のお皿に、金属のお玉が食い込んで一緒になっちゃったんだ。
スプーン曲げるどころじゃないぞ。

これで父さんの話はおしまいだ。

お皿?
その後一度も見てないから、多分捨てちゃったんだろうなぁ。
びっくりしすぎて、あのあと、カレー食べたかどうかも覚えてないんだ。
おじいちゃんがなんて言ってたのかも、おばあちゃんがどうしてたのかも、さっぱり記憶にない。
お皿に食い込んだお玉だけはしっかり覚えてるんだけどな。
うん、もし、まだあったらすごいことになったかもな。
ははは、そうだな、今頃おばあちゃんは、超有名人だったかもな。


下記企画に参加させていただきました。
お題④イラストから空想した世界を書かせて頂きました。

お題画像から、妄想が膨らみすぎて、やりすぎてしまったかもしれません。
ストーリーの演出として、後半の画像のみお母さんの表情を少し不穏(?)に変えてしまいました。
素敵なお題のおかげで、とても楽しく書けました。
片桐みかんさま、ありがとうございました。

最後までお読みいただきありがとうございました。


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