『亡き王女のためのパヴァーヌ(1899, 1910)』 聴き比べ。
モーリス・ラヴェル(Maurice Ravel、以下ラヴェル)は、1875年生まれのフランスの作曲家。
同時代に活躍したクロード・ドビュッシーとともに「印象派作曲家」として同列に語られることが多いが、ドビュッシーがエリック・サティ直系の「(簡単に言えば)雰囲気重視」なのに対して、ラヴェルは「緻密な完璧主義者」として知られ、隅々の音の響きまで計算し尽くされた作曲技法と高度なオーケストレーションの編曲技術で「管弦楽の魔術師」と評された。
後期ロマン派の流れを汲みつつ、古典派由来の形式美をモダニズム的に再解釈した新古典主義までを横断し、さらにジャズやロマ音楽、スペイン音楽、インド音楽といった世界各地の民族音楽の要素も積極的に取り入れるなどその作風は極めて幅広く、クラシック史において最も分類の難しい作曲家の一人である。
一番有名な作品はバレエ曲『ボレロ(Boléro)(1928)』だろう。たぶんみんな聴いたことあるはず。
若き日のラヴェルは端正な顔立ちとハイソな出立ちでパリ社交界きってのモテ男としても名を馳せたが、物静かでシャイな性格もあって将来独身を貫いた。
仕事も完璧にこなす恋愛に奥手のオシャレなイケメンなんて需要しかないだろ。私の代わりにマッチングアプリのプロフィール欄を埋めて欲しいぐらいである。顔写真も全部。
『亡き王女のためのパヴァーヌ(Pavane pour une infante défunte)』は、モーリス・ラヴェル作曲のピアノ独奏曲M.19(1899)およびラヴェル自身の編曲による管弦楽曲M.19a(1910)。
曲名で葬送曲だと勘違いされやすいが、ラヴェルがルーヴル美術館で観たディエゴ・ベラスケスの『マルガリータ王女の肖像画(1659)』にインスピレーションを受けて作曲されたもので、タイトルは単に雰囲気で付けられたらしい。制作当時にどこかの国の王女が若くして亡くなった、みたいな事実は無い。
ちなみに「パヴァーヌ(Pavane)」とは16〜17世紀のスペイン宮廷で流行したペアダンスの舞踏のことである。
ピアノ曲では素朴さを、管弦楽曲では荘厳さを感じさせる抒情感際立つ旋律が何とも優美。
ノスタルジックかつエレガント、そしてエモーショナル。情感に溢れながらも理知的でスマート。
この曲を聴いていると、ラヴェルってとても繊細で優しい人だったんだなぁと感じる。19世紀パリのスレまくった女性たちには神聖すぎて手が出せなかったんだろうと。
イケメンなのに真面目過ぎてキャバクラでは空気になってしまうような男の完成系。変な例えしてゴメンなさいラヴェルファンの皆さんめっちゃ褒めてますから。
それでは『亡き王女のためのパヴァーヌ(1899)』の録音を、下記にいくつか貼ってみましたので、聴き比べてお楽しみください。
あなたはどの『亡き王女のためのパヴァーヌ(1899)』がお好みでしょうか。
Pavane pour une infante défunte, M.19(1967) / Samson François
Pavane pour une infante défunte, M.19(1968) / Monique Haas
亡き王女のためのパヴァーヌ(2017)/ 反田恭平
Pavane pour une infante défunte, M.19a(1963) / André Cluytens -Orchestre de la Société des Concerts du Conservatoire
Pavane pour une infante défunte, M.19a(1986) / Claudio Abbado -London Symphony Orchestra
Pavane pour une infante défunte, M.19a(1986) / Herbert von Karajan -Berliner Philharmoniker
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