自分だけの世界が、夏の光の中にある。——Washed Out『Paracosm』
2013年8月7日、Payne Cityよりリリース。ジョージア州メイコン出身のErnest Greeneによるソロプロジェクト、Washed Outの2ndアルバム。デビュー作『Within and Without』のチルウェイヴ的なシンセサウンドから進化し、オーケストラ的な有機的テクスチャーと浮遊感がより深まった全9曲41分4秒。
Washed Outという音楽家
本名Ernest Greene。2009年にジョージア州の実家の部屋でレコーディングを始め、「Life of Leisure EP」がネット上で話題を集めチルウェイヴ・ムーブメントの旗手として一躍注目を浴びた。シンセサイザー、サンプリング、ヴォコーダー処理されたヴォーカルを重ね合わせ、現実と夢の境界線上に揺れるような音楽を作り続けている。
『Paracosm』という一枚
レーベル:Payne City。全9曲、41分4秒。「Paracosm」とは子供が頭の中に作り上げる詳細な架空世界のこと。本作はその言葉通り、Greene自身の記憶と想像が溶け合った内密な宇宙を音で再現している。前作よりも生楽器的な温もりが増し、シンセの霞の中にフルートやストリングスが溶け込むような音像が特徴だ。
——自分だけの世界が、夏の光の中にある。
オープナー「Entrance」はまるで幕が静かに上がるような導入、「It All Feels Right」では霞がかったヴォーカルと柔らかいビートが夏の陽炎を作り出す。「Weightless」は文字通り重力から解放されたような浮遊感で、アルバムの核心をなす。
「Great Escape」は遠い夏の記憶へと逃げ込むような甘い疾走感、表題曲「Paracosm」は自分だけの世界に完全に没入する瞑想的な6分間。「All over Now」が夢からゆっくりと覚めるような余韻でアルバムを閉じる。
どんな午後に聴いてほしいか
7月の午後、日差しが強くなりすぎた時間にカーテンを半分閉めて。冷房の効いた部屋でうとうとしながら、まぶたの裏に夏の光がちらつくような41分に。現実と夢のちょうど間にいる時間に。
TRACKLIST
1 Entrance
2 It All Feels Right
3 Don’t Give Up
4 Weightless
5 All I Know
6 Great Escape
7 Paracosm
8 Falling Back
9 All over Now
自分だけの世界が、夏の光の中にある。
幻音社
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