夏が終わる前に、もう一度だけ思い出す。——Kelela『Raven』
2023年2月10日、Warp Recordsよりリリース。2017年の1stアルバム『Take Me Apart』から約6年の沈黙を経て発表された2ndアルバム。全15曲62分33秒。2020〜2022年にかけて制作され、Asmara、Yo van Lenz、LSDXOXO、Bambii、Kaytranada、AceMoら多彩なプロデューサーとともに作り上げた。Pitchfork 2023年ベストアルバム50位、Stereogum 2023年ベストアルバム26位。
Kelelaという音楽家
本名Kelela Mizanekristos。1983年6月4日、ワシントンD.C.生まれ。エチオピア系アメリカ人の一人っ子として、メリーランド州ゲイザーズバーグで育ち、ヴァイオリンと合唱を学んだ。2013年にFade  to Mindより『CUT 4 ME』でデビューし、2015年のEP『Hallucinogen』、2017年の1stアルバム『Take Me Apart』でWarp Recordsとの歩みを本格的にはじめた。その後5年の休止期間を経て、2022年のシングル「Washed  Away」で復帰を果たした。
『Raven』という一枚
レーベル:Warp Records。全15曲、62分33秒。ジャンルはR&B、アンビエントポップ、ブレイクビート、2ステップ。2020〜2022年にかけてKelelaが録音した。アンビエントとクラブミュージックの境界を行き来しながら、愛と喪失と癒しを丁寧に描いた作品。 
——夏が終わる前に、もう一度だけ思い出す。
オープナー「Washed Away」は5年の沈黙を破った復帰の一声、波に洗われるような浮遊感で幕を開ける。「Happy Ending」は幸せな結末を求める切なさ、「On the Run」はアンビエントとブレイクビートが交差する逃避の一曲。
「Contact」は最も踊れるトラック、クラブの照明の下で誰かと触れ合う瞬間。「Holier」は神聖さと官能が溶け合う核心の一曲。表題曲「Raven」は烏のように夜を飛ぶ孤独な美しさ。「Sorbet」は甘く爽やかな小休止、「Divorce」は別れの痛みを静かに受け入れる。「Enough for Love」を経て、ラスト「Far Away」が遠ざかっていく誰かへの視線で62分を閉じる。
どんな夜に聴いてほしいか
8月の終わり、夜風が少しだけ涼しくなった夜に。夏の間に会えなかった誰かのことを思い出しながら。遠くなっていく季節に、この声だけが寄り添ってくれる。
TRACKLIST
1 Washed Away
2 Happy Ending
3 Let It Go
4 On the Run
5 Missed Call
6 Closure
7 Contact
8 Fooley
9 Holier
10 Raven
11 Bruises
12 Sorbet
13 Divorce
14 Enough for Love
15 Far Away
夏が終わる前に、もう一度だけ思い出す。
幻音社
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