NRPS法で事業アイデアを整理する|生成AIプロンプト生成テンプレート|ChatGPT、Copilot、Gemini対応
事業企画、新規サービス立案、営業提案——こうした場面で「顧客が本当に求めていることが何か」を見極めることは、成功の分かれ目になります。
しかし、多くの企画では「こんな機能があったら便利」という発想に留まり、顧客が抱えている本質的な問題を見落としてしまいます。その結果、誰からも使われないサービスが生まれてしまうのです。
そんなときに役立つのが、NRPS法です。
本記事では、NRPS法を使ってイノベーティブな事業アイデアを整理し、それを生成AIのプロンプトに変換するテンプレートツールを紹介します。

NRPS法とは
NRPS法は、高岡浩三氏が提唱するイノベーション分析のフレームワークです。次の4つの視点で考えます。
N:New Reality(新しい現実)
市場や社会で起きている環境変化を認識します。
人口減少
デジタル化の加速
生成AIの普及
顧客行動の変化
法制度や規制の変化
こうした新しい現実に気づくことが、イノベーションの出発点です。
P:Problem(顧客が諦めている問題)
ここがNRPS法の重要なポイントです。
新しい現実によって、顧客は新しい悩みを抱えるようになります。しかし多くの場合、顧客はそれを「仕方がない」「どうせ改善できない」と受け入れてしまっています。
顧客が明確に言語化していない、でも確実に困っている問題を見つけることが、NRPS法の本質です。
例
「毎回Excelを手入力している」→ 顧客は言わないが、実は相当な負担
「電話で何度も同じ確認をしている」→ 誰も改善を言い出さない
「属人化している」→ 継承が難しいまま放置されている
S:Solution(解決策)
その「諦めている問題」を解決する仕組みやサービスを考えます。
ここで大切なのは、小さく試せる方法から始めることです。大規模投資を前提にするのではなく、限定された範囲で効果を検証してから広げていく、というアプローチが有効です。
NRPS法で考えることの価値
1. 顧客の本質的な課題が見える
顧客が言っていない問題にフォーカスするため、競合サービスと重ならない独自の価値提案が生まれます。
2. 説得力のある企画になる
「新しい現実 → 顧客が諦めている問題 → 解決策」という流れは、ステークホルダーへの説明でも響きやすくなります。
3. 実装の優先度が決まる
何から始めるか、どのくらいのスコープで試すか、という判断が明確になります。
4. 事業の継続性が確保される
長期的な環境変化に基づいているため、一時的なトレンドではなく、持続性のあるアイデアになります。
従来の課題:NRPS法を手作業で整理することの大変さ
NRPS法は強力なフレームワークですが、実務では大変な作業になりがちです。
複数の視点で情報を整理する必要がある
事実、前提、推測、仮説を分けて考える必要がある
顧客の心理状態まで含めて構造化する必要がある
複数回の修正・ブラッシュアップを繰り返す
これを自分だけで、または小さなチームで進めるのは、時間がかかります。
そこで役に立つのが、生成AIです。
生成AIに「NRPS法に沿って考えてください」と指示し、整理済みの情報を与えれば、骨子から詳細な企画案まで、段階的に整理してくれます。
NRPS法プロンプト生成テンプレート
そこで今回作成をしたのが、NRPS法プロンプト生成テンプレートです。
何ができるのか
このツールは、次のような場面で使えます。
事業アイデアの整理 — 新規事業検討の初期段階で、考えを整理する
商品企画 — サービス開発時に、顧客課題を再確認する
営業提案 — クライアント提案の根拠を固める
社内改善提案 — 業務改善案を説得力のある形にまとめる
経営判断 — 経営層への説明資料の骨子を作る
ツールの特徴
1. 一画面構成
左に入力フォーム、右に完成プロンプト。デスクトップでもモバイルでも、情報を見比べながら入力できます。
2. カラー分けで視覚化
N(新しい現実)、P(問題)、S(解決策)、出力条件ごとに色分けされ、今どの段階を入力しているか一目瞭然です。
3. コピー&ペースト仕様
完成したプロンプトは選択可能なテキストで、そのままChatGPTなどの生成AIに貼り付けられます。
4. サンプル一括入力
「サンプルを一括入力」ボタンで、例となる情報が全フォームに自動入力されます。初めて使う人も、すぐに形を把握できます。
5. レスポンシブ対応
デスクトップではボタンで機能し、タブレット以下ではアコーディオン形式で折りたたまれるため、どのデバイスでも快適に使えます。
6. 生成AIが理解しやすい構造
プロンプトには「事実と仮説を分ける」「根拠のない断定をしない」といった指示が組み込まれており、より質の高い出力が得られます。
使い方
ステップ1:顧客情報を入力
「対象顧客」「現在の状況」を簡潔に入力します。
ステップ2:N(新しい現実)を入力
市場で起きている環境変化、その背景、長期性を入力します。
ステップ3:P(問題)を入力
顧客が表では言わないけど困っていることを、複数の角度から入力します。
ステップ4:S(解決策)を入力
解決策の方向性、入れたい要素、感情面での変化、小さく試す方法を入力します。
ステップ5:出力条件を指定
生成AIに「どんな形式で、どんな文体で」出力してほしいかを指定します。
ステップ6:プロンプトをコピー
右側に完成したプロンプトが表示されます。テキストを選択して、ChatGPTなどに貼り付けます。
ステップ7:生成AIで企画化
生成AIが、NRPS法に沿って、対象顧客の整理、問題の本質、解決策の詳細を整理してくれます。
実例:小規模事業者の業務改善案
実際のイメージをお示しします。
入力例
対象顧客 — 小規模事業者の管理担当者
現在の状況 — 人手不足が続いている
新しい現実 — 人手不足により専任担当者を置けない。紙・Excel・メール混在で情報を探す時間が増加
背景 — 人口減少、働き方の変化
問題(顧客が諦めていること) — 毎回Excelを手入力する。電話で何度も同じ確認をしている。引き継ぎが難しい
解決策の方向性 — 生成AI活用で情報検索と回答案作成を支援
出力結果
生成AIが次のような形で企画案を整理します。
対象顧客が明確化される
その顧客が抱えている本質的な問題が言語化される
問題がなぜ放置されているかの背景が整理される
小さく試せる実験案が複数提案される
実装上の注意点が明示される
経営層や他部門への説明用の最終案が完成される
よくある質問
Q:全項目を埋める必要がありますか?
A:いいえ。不明な項目は「未入力」のまま生成AIに送っても大丈夫です。生成AIが「ここはもっと詳しく聞き出す必要がある」と判断し、逆質問を返してくれます。段階的に深掘りするほうが、かえって効率的な場合もあります。
Q:生成AIの出力が満足できなかったら?
A:生成AIの回答を見た上で、フォームの内容を修正して、再度プロンプトを送ることをお勧めします。「もっと○○の視点を重視してほしい」という追加指示も、プロンプト内に組み込めます。
Q:このテンプレートで、実際のビジネス決定まで進められますか?
A:このテンプレートは「考えを整理するための骨子作り」を目的としています。実際の事業化には、市場調査、競合分析、資金計画など、別途の検討が必要です。ただし、概念的な強度が高まることで、その後の検討がより有効になります。
Q:営業提案や社内報告に使ってもいいですか?
A:はい。生成AIの出力を、そのままスライド資料や提案書の骨子として使用できます。形式を「提案書風」「営業資料の構成」と指定することで、そのフォーマットで出力されます。
このツールが向いている場面
✓ 新規事業検討の初期段階
✓ 商品開発時の顧客課題の再確認
✓ 営業提案の根拠固め
✓ 社内改善案の構造化
✓ 経営層への説明資料作成
✓ スタートアップのピッチ資料作成
✓ コンサルティング提案の準備
このツールの限界
× 実務的な調査データの代わりにはならない
× 競合分析や市場規模推定は別途必要
× 最終的なビジネス判断の代わりにはならない
× 生成AIの出力を丸呑みしてはいけない
NRPS法は「考えを整理し、仮説を立てるためのフレームワーク」であり、その後の検証は人間の責任です。
さいごに
イノベーションは、新しい技術や大きな予算から生まれるのではなく、「顧客が諦めている問題」を発見し、それに真摯に向き合うことから始まります。
NRPS法は、そのプロセスを構造化し、チーム全体で同じ理解を持つための羅針盤です。
生成AIの力を借りることで、このプロセスを迅速に、かつ質高く進めることができるようになりました。
このツールを使って、あなたの事業アイデア、改善案、営業提案を、より説得力のあるものに仕上げてみませんか。
ぜひ、一度試してみてください。
