あの日の選択が、今の私をつくった
下の子どもがまだ幼稚園の頃、夫とは2年間別居していた。
女性と同棲している夫に離婚を迫られる日々、
それでも私は諦められなかった。
子どもたちが夫と楽しそうにじゃれ合う姿を・・・
将来子どもの進路に悩んだ時に相談できる同志を・・・
子どもが自立して迎えるであろう老後の温かいひとときを・・・
もう少し頑張れば、もう少し耐えれば、もう少し。
でもどれだけ何をすればいいのだろうか。
子どもの前では笑顔で母親として強い姿を見せた。
でも夜には人知れず涙を流した。
私に何が足りなかったのだろうか。
どうやって心を取り戻せるのだろうか。
考えても考えても答えは見つからない。
毎日の仕事や家事や育児に時間ばかりが過ぎていく。
このまま終わってしまった方がお互いにいいのかもしれない。
でも・・・
頭の中ではいつも堂々巡りの言葉が回る。
それでも子どもの将来を考えた時に、
自分の怒りや失望だけを優先するわけにはいかない。
もっと自分にできることはあるはず。
夫の気持ちをもう一度考えてみた。
毎日早朝から夜遅くまで仕事をして満員電車に揺られ、
仕事のストレスがあっても休めない日々。
すれ違う夫婦の会話。
誰にも言えない苦しさがあったのかもしれない。
そんな時、安らげる場所を見つけてしまったのかもしれない。
それなら私がまたその場所になればいいのではないか。
そう思ってからは夫に感謝の気持ちを表現するようになった。
たまに帰ってくる日には温かい食事を用意した。
子どもたちにはお父さんはお仕事で頑張っていると伝えた。
相手の女性のことは口にせず笑顔で過ごした。
だんだんと帰る頻度が多くなっていった。
――2年が経とうとしていたある日、
夫の別居先のアパートの更新時期だと連絡が来た。
もう決着をつけないといけないのかな・・・
そう思って、返事をした。
「今、戻ってこないなら、私もそろそろ決断するからね。」
これは脅しても諦めでもない。
私の2年間の自分の成長だと思った。
すがることもなく。
泣き叫ぶこともなく。
怒り狂うこともなく。
ただ、もうここで決断しなければずるずるとお互い長引くだけ。
そう感じて、いたって冷静に送った言葉だった。
夫からの言葉は、
「今更戻っても、子どもにどんな顔していいかわからない。」
きっと父親として、子どもと離れようとしたことを申し訳なく思っているから、
これからの立ち位置をどうしていいかわからないでいるのだろう。
でも私はまだ家族に愛情をもっていてくれていると思った。
だから最後になるかもしれない思いを伝えた。
「ただ子どもたちのそばにいてくれればいい。何もしなくてもそれだけでいいよ」と。
携帯を握る手が震えた。
「送信」を押した瞬間、
私の中で何かが終わり、何かが始まった気がした。
これでだめなら一人でやっていこうと思えた。
でもできることならこれからも夫といたかった。
そばにいてくれるだけでよかった。
これからの子どもの成長に悩む時も来るだろう。
その時には一緒に悩み、
うれしいことがあった時は、
一緒に笑っていたかった。
そんな想いを受け取ってくれた夫は、
そのあとすぐに家に帰ってきてくれた。
あの日の選択が違ったら、
今の私はいなかったと思う。
色々なことに挑戦する時間も余裕もなかったかもしれない。
――あの日の私へ。
あなたは迷いながらも諦めなかったね。
そしてあなたの選択は、
今の私をちゃんとここまで連れてきてくれたよ。
この時の話をまとめたkindle本を出版しました。
ぜひ読んで頂ければ嬉しいです😊
🌸最後までお読みいただきありがとうございます。
🌸フォローやスキを頂けると励みになります。
いいなと思ったら応援しよう!
応援して頂ければ幸いです。これからの励みになりますので、よろしくお願いします。