「駅前で子どもと別れて、そのまま電車に乗れる」。流山市で見た、共働き子育ての理想形。
雨の日も、真夏の炎天下も。
子どもを自転車に乗せて保育園まで送り届け、そのまま駅へダッシュする。
「また遅刻しそう…」「汗だくで会議に出るの、もう嫌だ…」
毎朝そんな状態で仕事をスタートさせている方が、高槻市にも本当にたくさんいます。
帰りは帰りで、ダッシュでお迎え。夜ごはん、お風呂、寝かしつけ。気づけば自分の時間はゼロ。
その「当たり前」になっている大変さ、もう少し減らせるはずです。
先日、千葉県の流山市を視察してきました。「仕事と子育ての両立」に本気で投資している街です。高槻市との差を目の当たりにして、「これは提案しなければいけない」という気持ちが強くなりました。
流山市はなぜ「選ばれる街」になったのか
まず背景を整理します。
流山市は2005年のつくばエクスプレス(TX)開通を機に、人口が約15万人→21万5千人へと急増しました。増えているのは特に30〜40代の共働き世帯と子どもたちです。
なぜ選ばれるのか。市が明確な戦略を持っているからです。
「仕事と子育てを両立しやすい環境に、徹底投資する」
スローガンではありません。予算を具体的な仕組みに変えている。その中身を3つ紹介します。
ポイント①:駅前で子どもと別れて、そのまま電車に乗れる
流山市の「送迎保育ステーション」
流山市には、駅のすぐそばに子どもを預けられるステーションが2か所あります。
おおたかの森ステーション:流山おおたかの森駅東口、駅前ビル直結
南流山ステーション:南流山駅A2出口から徒歩1分
朝7時から預けられて、バスが各保育園へ送り届けてくれる。夕方は逆ルートで戻ってくる。保護者は駅で子どもと別れ、そのまま電車に乗るだけ。
料金は1日100円。月2,000円。
しかも対象施設は市内66か所。駅から500m以上離れた園すべてが対象です。土曜日も使えて、最長夜20時まで対応しています。
高槻市の現状
高槻市にも「送迎利用保育」という仕組みがあります。
でも、中身はまったく違います。

資料:高槻市・流山市各公式ホームページ(令和8年度版)をもとに作成
高槻市のステーションは、三箇牧認定こども園に在籍する子どものためだけに設置されています。設置の目的が「特定の1園の利用促進」であり、「共働き保護者の朝の負担を減らす」という発想で設計されていません。
駅から徒歩8〜10分離れた場所に預けに行くということは、保護者は通勤動線とは逆方向に動かなければならない場面も生じます。
これは施設の規模の問題ではなく、「誰のための制度か」という設計思想の問題です。
ポイント②:「うちの子、受け入れてもらえるかな」の不安を、制度で解消する
流山市の3層構造
お子さんの発達や行動特性について、「この園でちゃんと見てもらえるだろうか」と不安に思ったことはありませんか。
流山市はこの問題に、3つの仕組みでセットで応えています。
① 定員の約6%を「要配慮枠」として確保
発達に特性のある子どもが「どこの園も受け入れてもらえない」という状況を、制度設計で防いでいます。
② 入所前に市の心理士が面談を実施
保護者と面談し、「この子にはこういうサポートが必要」という情報を市が整理して受け入れ園へ伝えます。保護者がゼロから説明する必要がない。
③ 受け入れ園への財政的担保
●通常:児童1人につき月額10万円加算
●重度:月額15万円加算
この加算で「加配保育士」の人件費を市が担保します。「受け入れたくても人手が足りない」という園側の問題も、お金で解決しています。
高槻市の現状
加配保育士への補助制度は高槻市にも存在します。しかし、要配慮枠の比率明示・市の心理士による入所前面談の制度化・加算額の水準、この3点がセットになっていません。
3層が揃えば、「受け入れてもらえるか」という不安で入園活動をしている家庭の状況が根本から変わります。
ポイント③:保育士さんが「高槻で働きたい」と思える給与を
流山市の本気の数字
流山市は私立保育園の正規保育士に、市単独で月額4万3,000円を給与上乗せしています。
年換算で約52万円。これは「やりがいPR」でも「奨学金サポート」でもない。毎月の手取りを直接増やすという、最も明快な人材確保策です。
隣接する東京都への人材流出を防ぐため、市が本気でお金を出している。
高槻市の現状と評価
高槻市にも保育士向けの支援があります。
「保育士等奨学金返済支援事業」として、市内の私立認定こども園・認可保育所等に常勤勤務する保育士等に対し、奨学金返済金の一部を補助する制度です。
令和8年度からは支給期間が最長10年(120か月)に拡充されました。支給上限は月2万円・年24万円。
これは一定の前進です。私もこの拡充を評価しています。
ただし、課題も明確です。
対象が「奨学金を返済中の人」に限られる
月2万円は流山市の月4.3万円の約半分以下
毎月の給与が上がるわけではなく、返済補助という間接的な形
今は全国的に「保育士の人材獲得競争」が起きています。大阪市や豊中市など、近隣自治体との競争に勝つためには、毎月の手取りに直結する処遇改善が急務です。
保育士さんが安心して高槻で働き続けられる環境は、子どもたちの毎日の安全と笑顔を守ることに直結しています。

最後に
流山市の取り組みは「財政が豊かだからできる」話ではありません。
「誰のために、何のためにお金を使うか」を明確にした結果です。
高槻市でも、できるはずです。
私は今後の一般質問や予算審議の場で、今日お伝えした3つの提案を具体的に取り上げていきます。
あなたの毎朝が、もう少しラクになるように。いっしょに、動かしていきます。
あなたの声を聞かせてください
「うちの子が通う保育園、送迎バスは使えないの?」 「発達が気になる子でも、ちゃんと受け入れてもらえる?」 「保育士さんの給料って、高槻市はどうなってるの?」
子育てのことでも、通勤・送迎のことでも、どんな声でも大歓迎です。ぜひ聞かせてください。
👇 NOTE質問箱はこちら https://note.com/qa/genki_morimoto
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もりもと信之|高槻市議会議員
2026年5月~ 市民都市委員会委員長、
史跡整備・活用等特別委員会委員、都市計画審議会委員
1級土木施工管理技士・防災士。
高槻生まれ、高槻育ち。
青い鳥幼稚園→清水小→第九中→摂陵高校→大阪工業大学工学部土木学科
