遥香様は迷走中 3 (あの日の選択)
その翌週、
私はあかりに案内された
グランドセレスティアホテルの一室にいた。
このホテルには、
王室御用達の美容室「白鳳堂」が
入っていた。
部屋にチャイム音が響いた。
「あっ、ネイリストが来ましたね」
あかりが、ドアを開けた。
そこには、ネイルバッグを抱えた 蒼介が立っていた。
――どうして?
「本日はよろしくお願いします」
私の動揺とは裏腹に、
蒼介はまっすぐな眼差しで
私に微笑んだ。
「遥香様、蒼介様、私は次の公務の下見がありますので、
一度失礼いたします。
夕方お迎えに参りますので、それまでここにいて下さいね」
あかりは、しれっとそう言うと、
そそくさと部屋を出て行った。
横顔がにやけていたのを、
私は見逃さなかった。
――あかりめっ!!
