文のブチ切り、一口カツ(1,291文字)
例えば「周りを警戒してる女が、豪快に尻を掻き始めた。俺はそれを見て見ぬふりをしていたが、彼女と目が合ってしまった」という文章を書くとしよう。
「何でそんな文章を?」とは聞かんといて欲しい。何となく思いついた文章やからしゃあないやん。
で、この文章を書いている、またはタイピングしている途中、のっぴきならん理由で中断せざるを得ん状態になった時。
例えば嫁さんに「お風呂が沸いたから入って! 今すぐ! ナウ!」と言われたり、
娘に「なあパパ、聞いて欲しいことがあるねん」と言われたり、
かわいがってる愛猫が膝の上に乗って撫でろと要求してきたり、
インターホンがポンピーンと鳴り「宅配便でーす」と言われたり、
理由は何でもええわ。
そんな時、文章をどこまで書いてたかでモヤっと具合が変わると思うねん。
「周りを警戒してる女が、」で止められたらモヤっと具合は低いが
「周りを警」で止められたらモヤっと具合は高いんやないかと思う。
一口カツを10個作る下拵えに喩えると
「肉に塩コショウをふる」→「周りを警戒している女が」
「小麦粉をまぶす」→「豪快に尻を掻き始めた」
「溶き卵にくぐらせる」→「俺はそれを見て見ぬふりをしていたが」
「パン粉をまぶす」→「彼女と目が合ってしまった」
ということになる。そういうことにしといて。
それでや、一口カツを10個作る時、極めて多くの人が一つの工程を10個終わらせて、また次の工程を10個終わらせてを繰り返すはずやねん。
4つの工程を10回繰り返す人は余程の物好きか、1個ずつ仕上げることに執念を燃やしてる人ぐらいやろうと思う。
割合でいうなら日本製のフッ化水素に含まれる不純物ぐらいの割合やなかろうか?
適当言うた、ごめん。
で、全ての肉に塩コショウをまぶし、さあ全ての肉に小麦粉をまぶしてやるぞと意気込んでるところで中断されるのと、4個目の肉に小麦粉をまぶし終わって5個目に手をかけようとした時に中断されるのでは、後者の方が心のダメージがデカいと思うんや。
「なんやねん! 1回手を余計に洗わなあかんやないかい!」と憤慨してしまう。
そやからいうて中断させた相手に、怒りの鉄拳をぶつけることもあらへんし……。
「あらへんし」と書いてふと思ったんやけど、「あらへんし」って関西人以外に通じるんかな?
「あら、変死?」などと誤読されて、その少しばかりお上品な響きに「おや? 急に貴婦人探偵でも出てきたか? この文章は推理小説だったか?」などと勘違いされても困る。
それ以前に貴婦人探偵って何や? そんな小説があるなら俺が読みたいわ。
どんな訳か分からんが、とりあえずそんな訳で誤読されると困るから「あらへんし」ではなく「あることもなく」と書くことにしようと思う。話を少し戻して……。
そやからいうて中断させた相手に、怒りの鉄拳をぶつけることもあることもなく……何か変やな、まあええわ。
とりあえず一口カツに喩えてたら一口カツを食べたくなってきたんやけど、今日の晩御飯は豚の生姜焼きらしい。残念。
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