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キジトラにゃんこ、尻トントンがお好き

この話、肛門という単語が何度も出てくるのだが、やはり何度も肛門という単語を読ませるのが忍びないと感じてしまうので、これより先は肛門を「※」と表すこととする。
ご了承いただきたい、よろしく。

トライアルが終了し、りんたがウチの子になって数週間後。
シャワーを浴び終えた俺はリビングの椅子に腰掛け、長いと勘違いしている足を左が上になるように組み、HDDレコーダーに録画されたテレビ番組のリストをチェックし始めた。キッチンでは嫁さんが夕食の支度をしてくれている。
りんたがトコトコとかわいい歩様で近寄ってくると、上になった左足の甲にスリスリしてくる。Tシャツとトランクスの時のド汚いおっさんではなく、シャワーを浴びてサッパリしたおっさんなので「思う存分スリスリするがいい」などと思っていると、ピョンと飛び上がり膝の上に乗ってきた。
頭を向こうに向けて四つん這いになったかと思うと、尻をググッと上げて※と金玉が丸見えである。YouTubeで「猫がお尻を見せるのは信頼の証、お尻の臭いを嗅いでも良いよって意味」などと言っていたが、当然※の臭いを嗅ぐこともないので「どうしようか……」と思っていたら、キッチンから嫁さんが
「あー、尻トントンしてあげて」などと言ってきた。

一応補足しておくと尻トントンとは、猫の尻尾の付け根をトントンと叩いてやることである。ケツドラムなど色んな呼び方があるらしい。

嫁さんに言われるがまま尻トントンをしてやると、チンアナゴが砂の中に隠れていくようにススッと持ち上げていた尻が下がっていった。※と金玉も見えなくなった。
YouTubeでの知識ではあるが、猫は満たされても同じ刺激を続けられるとキレて噛み付いてくるらしい。りんたも御多分に洩れず噛み付いてくるのだが、なにせ優しいので噛むというより、歯を当てるといったていで全く痛くない。だが「もうええで」といったサインであることには変わりない。そうなる前にやめようと思い、数分経った時に尻トントンの手を止めた。
するとりんたは尻をググッと上げ、またもや※と金玉が丸見えである。まだまだ満たされていない様子である。尻トントンを再開すると、またもやススッと尻は下がっていった。
手を止めると尻は上がり、再開すると尻は下がる。数回繰り返したところで15分ほどが経過していた……。

これ、いつまですんの?

りんたがいつまでも尻トントンやめさせてくれへんのやけど」
と、嫁さんに聞くと、
「私、30分ほどトントンしてた」などと平気な顔で言ってきた。

いや、待て。
腱鞘炎になるわ!

どうやら嫁さんは、りんたが俺に一番懐いているのが悔しかったらしく、自分も好かれたいという一心で尻トントンを続け、気付けば30分が経っていたらしい。
俺はさすがにもう無理と思い手を止めた。
またもや尻がググッと上がり※と金玉が丸見え状態になったが、手を止めたまま「りんちゃん、もうしんどいわ」と言うと、りんたは立ち上がり膝の上からピョンと飛び降りた。後ろ姿のままこちらを振り向き、まるで「この役立たずが」とでも言いたげな目でこちらを見つめた。

2026年4月某日。
日曜日の昼下がり、娘が髪をカットしに行くのに嫁さんも同伴すると、二人は外出して行った。
俺は不意に瞑想したくなり、座禅を組んで両手の甲を膝の上に乗せ、親指と人差し指で輪を作り、ゆっくり目を閉じた。

頭を真っ白に──。
心を無にするのだ──。

俺の前に気配を感じる。心を無にしたいのに気配が気になる。ゆっくり目を開けると、目の前にりんたの※と金玉があった。
俺は木魚を叩くが如く、りんたの尻を一定のリズムで叩いた。心は違う意味で無になった。

りんたが満足する頃、フローリングの上で座禅を組んでいた俺の尻は痛くなっていた……。



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