『話す力』と『伝える力』は、同じではない、ということ
「言語聴覚士」と聞くと、発音の練習や飲み込みの訓練を思い浮かべる方が多いかもしれません。
でも、私たちが現場で向き合っているのは、もっと見えにくい「困りごと」です。
例えば、
・何が起きたのか、自分でもうまく説明できない
・困っていることを周りに伝えられない
・どうしてほしいのか、言葉にできない
・気持ちや考えをうまく表現できない
こうした困りごとは、「どれだけ話せるか」だけでは測れません。
大切なのは、その人の思いが相手に届くかどうかです。
実際、うまく話せなくても、ジェスチャーや表情、文字、コミュニケーション機器などを使って、自分の思いを伝えられる方はたくさんいます。
一方で、言葉はある程度戻っていても、自分の状況や気持ちをうまく伝えられず、困り続けている方もいます。
ここから見えてくるのは、「話す力」と「伝える力」は、必ずしも同じではないということです。
だから私たちにできることは、「できない部分を訓練すること」だけではありません。
「今ある力を生かして、どうすれば伝えられるかを一緒に考えること。」
それも、言語聴覚士の大切な役割だと感じています。
そして、もう一つ大切なのが、周りの人の関わり方です。
・言葉を待つだけでなく、伝えたい思いを汲み取ろうとすること
・表情やしぐさにも目を向けること
・「伝わらない=できていない」と決めつけないこと
こうした小さな関わり方の違いが、コミュニケーションを大きく変えていきます。
「伝えられる」ということは、その人の「選ぶ力」を守ることにつながります。
そして、それはその人らしく生きることを支えることでもあります。
言葉のリハビリの先にあるのは、「うまく話せるようになること」ではありません。
「自分らしく生きていけること。」
そこを目指して、私たちは日々支援しています。
私たちはつい、「見えている言葉」だけで相手を判断してしまいがちです。
でも、その奥には、言葉にならない思いや、伝えきれない気持ちが、確かに存在しています。
だから大切なのは、
「何が言えたか」ではなく、
「何を伝えようとしているのか」に目を向けること。
その視点があるだけで、関わり方は変わり、その人の世界の広がりも変わっていきます。
伝えることは、一人では成り立ちません。
「伝えようとする人」と「受け取ろうとする人」。
その両方がいて、初めてコミュニケーションは成立します。
もし今日から少しだけ、「ちゃんと話せているか」ではなく、「何を伝えたいのか」に目を向けられたなら——。
それだけで、これまで届かなかった誰かの思いが、届くようになるかもしれません。
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素晴らしい1日になりますように✨️
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