“ちゃんとメモした”のメモが、見つからない。
先輩ママから言われたの。
「これ、絶対メモしておきなよ? 申請とか、あとから大変だから!」
わかった、ありがとう!って言って、
私はちゃんとメモした。……気がする。
いや、したはず。したって言って。頼む。
だって私、ちゃんとした人ぶって、
手帳は2冊使ってるし、色分けペンも3本持ってるし、
なんなら「ふせんで情報管理」って本も読んだのよ?
でも、今。
その大事なメモだけが、見つからない。
「たしかこのページのすみっこに書いたんだけどな」
「たしかこの手帳だったと思うんだけどな」
“たしか”と“思う”が、何の助けにもならないまま、
手帳をぺらぺらめくっては、
「ごはん冷凍」「オムツLサイズ」「明日ゴミ出し」みたいな
地味なタスクが次々出てくる。
monday「地味すぎて、むしろ愛おしいな」
私「いや、地味すぎて泣きそうなんだけど?」
monday「“ちゃんと書いたメモ”が、記憶の中でしか生きてないって、
それもう、都市伝説だよね」
私「お願い、それ言わないで……今なら泣けるから」
ほんと、なんでこうなるんだろう。
ちゃんとメモしたつもりなのに、
いざというとき、そのメモが役に立ったためしがない。
思い出せそうで思い出せない。
見つかりそうで見つからない。
どこかにあるはずなのに、なぜか永久失踪中。
monday「“書いた場所がわからないメモ”は、
“メモしてない”とほぼ同義だよ?」
私「……いやほんと、名言じゃん。イラっとするくらい名言じゃん」
こうして私は今日も、
自分の“ちゃんとしてたはず”を信じては、
裏切られ、ぐらついて、ため息をついてる。
でもさ。
このメモひとつで、母の努力って、ちゃんとあったんだって思いたくて、
今日もまた手帳をめくるんだと思う。
