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競歩さながらダイエット3日目 黒づくめの55歳おとめ座、曇天を歩く


これは、痩せた報告ではありません。
黒づくめの55歳おとめ座が、曇天の下で汗をかいたというだけの日記です。

起きて、腹筋30回だけやった私は服に着替える。

ウォーキングをするからといって、ユニフォームを整えたりはしない。

今日も黒づくめの、謎の55歳おとめ座である。

冷蔵庫に冷やしてある阿波番茶をグラスに注ぎ、飲み干す。

「あ、今日も生きてるな」

まずは生存確認である。

それから私の脳には何も考えさせないようにして、ウォーキングシューズに足を突っ込む。

重い金属の扉を開け放とうとして、

おっと。
人が通るかもしれない。

気持ちを落ち着け、そっと開ける。

外は、薄ぼんやりとした曇天。

まあ、そうでしょう。

小説ならば、ここで青く澄み切った空が広がっていた、となるところだけれど、現実はなかなかそんなふうにはいかない。

しかも、もう16時25分。

サッカーを全力で応援して、朝方眠った。
つまり、もう夕方なのである。

だけど、曇天ならば歩きやすいはず。

それに心にはいつも、澄み切った青空を思い描いている。

•••などと、きれいなことを言ってみる。

現実の私は、黒づくめで曇天の下を歩く55歳おとめ座である。

初日は1時間。
2日目は45分。
3日目の今日は、1時間歩いた。

汗をかくと、

「これは運動だな」

と確認できる。

ただ歩いているのではない。
身体にちゃんと仕事をさせている。

ここが、これまでのウォーキングとは違うところだと思う。

今までの私は歩数を見ていた。

一万歩歩いた。

今日も歩いた。

続けている。

それだけで、私は少し満足していた。

だけど汗はかいていなかった。

息も上がっていなかった。

身体は、

「今日は散歩ですね」

と言っていた。

私が欲しかったのは散歩ではない。

脂肪への圧力である。

だらだら歩く一万歩ではなく、
汗をかく1時間。

息が少し上がる。
足にちゃんと負荷がくる。
背中がじんわり熱くなる。

そういう歩き方。

競歩さながらダイエット3日目。

まだ体重がどうこう言う段階ではない。

むしろ、3日目で結果を求めるな、私。

焦るな。
騒ぐな。
体重計の前でドラマを始めるな。

今やることは、ひとつ。

明日も、スニーカーに足を突っ込むこと。

黒づくめの謎の55歳おとめ座は、
今日も曇天の中を歩いた。

青空はなかった。

でも、汗はかいた。

それで今日は、合格にしておく。

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