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『心の原風景24』

古くからの親友とBARで飲んだ。
都心部から少し離れた、郊外の閑静な住宅街の中にポツンとあるBAR。
自分はこの店を訪ねたのが4、5年ぶりだと思っていたが、親友に言われて7、8年ぶりだということがわかった。

親友といろんな話をした。
仕事のこと、家のこと、学生時代のこと、今後の人生のこと、他愛もないこと。

酒は高級で、料理はうまく、居座るほどに脱力し、眠くなり、酔いとともに心が洗われていく。
そんな空間。

初めてこのBARに来たのは、もう25年ほど前。
この親友が連れてきてくれた。
それ以来、週末の仕事終わりの夜には何度か足を運んだものである。
この親友と、ときには仲間でぞろぞろと、ときには一人で、そして、結婚したあとは妻と。

懐かしかった。
当時、このBARで、独り身だったことが寂しくて、この親友に悩みを打ち明けた。
この親友は、独り身だった自分に、「俺の彼女の職場に、いまのお前と同じような相談を彼女にしている女性がいるようだ。聞いてみる。」
そう言うと、この親友は、自分の話を真剣に受け止めてくれた。

思えば、この場所で、この親友のおかげで、妻との出会いは始まった。

精算を終えた帰り際、この親友とマスターとの3人で写真を撮った。
あまり積極的ではない自分と親友、そして、内向的なマスター。 
でも、マスターに声をかけて、親友とマスターと3人で四半世紀をまたいで初めて写真を撮った。
「今夜のこの写真は宝物にしたい。」
そう思いながら帰路についた。

この親友とその当時の彼女も、今は夫婦で仲良く暮らしている。



〈この物語は、マガジン『心の原風景』にまとめております。〉


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