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CVT車とスポーツ走行

クルマの変速機の中で、最もスポーツ走行に向かないものがCVTとされている。

どうも世界を見渡すとCVTのクルマは、日本だけで普及している。
燃費を含めて、日本の交通事情にマッチしているのが主な理由とされるが、コストの安さも勿論あるのだろう。
フィーリングが気にならないのであれば、街中を普通に走る分には何も問題はない。

だが、スポーティーさが売りのクルマにまでCVTが採用されている。
例えばHONDA S660やGRヤリスRSなどである。

CVTは、本当にスポーツ走行に向かないのだろうか?

S660のCVT仕様とGRヤリスを試乗したことはないが、別の数車種のCVT車には乗ったことはある。
いずれもサーキット走行ができるほどの速いクルマではなかったが、結論を先に言えば、「CVTは日本の峠道にはマッチしていて、スポーティーな走行も楽しめる」というのが私の答えである。

初めてCVT車を運転したのは、トヨタIQであった(たぶん・・・)。
私は、この知的なマイクロカーに魅了され、発売当時にトヨタレンタカーで数日間借りて乗ってみたのだ。

その他に乗ったCVT車は、トヨタ車多数、最新のスイフト、日産NOTE、初代BMW MINIなどに乗ったが、中でも個人的に一番良いと思ったのは、トヨタのCVTである。

通常のトヨタのCVTのセレクターには[D][S][B]の3ポジションがある。
[D]はドライブ、[S]はスポーツ、[B]はエンジンブレーキのためのポジションになっている。
この[B]ポジションをBack(バック)のBと勘違いして事故が起きた話もあるが、これはBrakeブレーキのBである。
通常は当然ならが[D]で走るが、スポーツ走行するには[S]ポジションに入れて走る。

トヨタIQは、ホイールベースが短く、センターラインのない狭い峠道でも、少しスピードの出るワインディングロードでも小気味よく走りぬけた。
CVTの特性により、常にトルクバンド付近の回転数を保ち、コーナリング時の減速から立ち上がり加速に移るまで、実にスムーズな走りなのである。
これはトルコンステップATよりも回転落ち少なく、変速ロスもない。パワーの少ない小排気量のクルマであれば、間違いなくCVTの方が速いと感じた。

そして必殺技!は[B]ポジションである。

もうブッチギリである。
私にとっての[B]とはブッチギリモードのBなのだ。
エンジンは常にSモードよりも高回転が保たれ、エンジンブレーキも効く。
ステアリング操作だけに注力できることも、タイトベンドが続く道では大きなメリットである。

ただ、どうしても加速時に車速よりも先にエンジン回転が先に高くなってしまう「ラバーフィール」はある。
速さ云々ではなく、このフィーリングがスポーティーな雰囲気を壊してしまうのも理解できた。

CVT車で峠道の走行を楽しむのであれば「CVTとはそういうものだ」と割り切ることである。
EVのスポーツカーを受け入れられるかどうかに近いと思う。

おそらく[B]ポジションでのスポーツ走行はメーカーも想定外なのであろう。
燃費も悪く、ミッションの負荷が高い。
耐久性を考えれば、あまり推奨できるものではないのかもしれない。

ところで、今のところ、私が理解できない装備が、CVTの擬似的なパドルシフトである。
せっかくのCVTの特性と矛盾するこれは余計なギミックだと思っている。
私は[B]ポジション一択なので、国産コンパクトに乗る場合は、パドルのついていない安いグレードから選ぶしかないようだ。

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