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物語の主人公は自分Ⅱ/先生がワクワクすると、授業は変わる

このシリーズでは、
ヒロT先生とモブ太の対話を入口に、
授業の現場で実際に起きたことや、
私自身が感じてきたことをたどっていきます。

迷ったり、立ち止まったりしている誰かが、
「もう一歩、動いてみようかな」
そう思えるきっかけになれば嬉しいです。

今回のテーマは、
先生がワクワクすると、授業は変わる」です。そして今後の展開のお知らせもあります。
物語が動き出す、
その瞬間をヒロT先生とモブ太の掛け合いから始めます。


モブ太「先生、先生が言うワクワクって、学生が言うワクワクと、なんか違いますよね。」

ヒロT「お、ええとこに気づいたな。同じ言葉やけど、感じてる位置はだいぶちがうと思うで。」

モブ太「ですよね。学生って、課題やってる途中とか、形になってきたときに『おもしろい!』ってなるじゃないですか。」

ヒロT「そうやな。手を動かして、試して、失敗して、『あ、できたっ』て瞬間や。」

モブ太「でも先生のワクワクって、それとは違う気がしてて……授業してる最中でもないし。」

ヒロT「うん。そこ、よう見てるな。」

モブ太「じゃあ、先生はいつワクワクしてるんですか?」

ヒロT「授業案を考えてるときやな。」

モブ太「授業前、ですか?そのとき、何を考えてるんですか。」

ヒロT「授業の中で『何をやるか』よりもな、その授業の先で、学生の世界がどう広がるかを想像してる。」

モブ太「ああ……授業そのものより、授業の“先”を見てる感じですか。」

ヒロT「せや。そこを描けてるかどうかで、授業の温度は変わる。それが、先生のワクワクの正体やと思ってる。」


🤩先生がワクワクすると、授業は変わる

先生のワクワクと、学生のワクワクは、
実は「感じる位置」が違うと私は思っています。

学生は、授業の中でワクワクします。
課題に取り組み、手を動かし、形になっていく過程で「おもしろい」「できた」という感覚を味わう。

一方で先生のワクワクは、授業をしている最中よりも、授業を考えている段階にあるのではないでしょうか。

「これって、学生にとってめっちゃ為になるんちゃう?」
「このテーマ、ここまで広がる可能性あるで」

そんなふうに、この授業の先を想像したとき、先生はワクワクする。
私はそこが、授業をつくる上での大きなポイントだと思っています。


😊ちょっと、私の話をさせてください

私が今担当している授業に「企画デザイン」があります。
商品企画もあれば、地域活性化の企画もある。
一言で「企画」と言っても、その内容はさまざまです。

その中で取り組んだテーマのひとつに、
「自分の好きなモノ・コトを考える」という課題があります。

・このお菓子が好き
・このアイドルを推している
・この場所が好き

学生から出てくるテーマは、本当にバラエティ豊かです。
こうした授業をすると、最初は必ず
「紹介・説明」から始まります。
「私はこれが好きです。なぜなら……」
ここで終われば、ただの“好きの発表”で授業は終了です。
でも、科目名は「企画デザイン」。
本番は、ここからです。

「その話は分かった。じゃあ、この先、何を企画するのか。どう形にしていくのか。」この“先”を考え始めたときに、授業は一気に面白くなっていきます。


かりんとうから始まった企画

今期の授業で、こんなことがありました。

20歳の女子学生。彼女は小さいころから、かりんとうが大好きでした。

おじいちゃん、おばあちゃん、お父さんやお母さんも好きで、家にはいつもかりんとうがあったそうです。

ところが、自分の周りの友達に話してみると、誰もかりんとうを食べていない。
「こんなに美味しいのに、なんで?」その疑問がきっかけで、彼女は“かりんとう”をテーマに企画を考え始めました。

・学校の教職員や学生へのアンケート
・若い世代が手に取りやすいパッケージ
・ロゴデザインの見直し

少しずつ、「好き」が「企画」に変わっていきます。期間にして3〜4週間。
試行錯誤しながらも、最終プレゼンにはなんとか間に合いました。


学生のワクワク、先生のワクワク

発表を終えた彼女には、やり切った達成感がありました。
同時に、「まだ何かできそう」そんな表情もしていました。
私は、ふと聞いてみました。

「このあと、どうする?」

実は、ここまでの流れは私にとっては、ある程度予想していたことでもあります。
学生は、アイデアが形になっていく過程でワクワクする。でも、先生のワクワクはそこではありません。

この企画が、もし社会に出たらどうなるのか。
どんな反応が返ってくるのか。

そこを想像したときに、私はワクワクするのです。


授業の先に、社会がつながったら

もし、このかりんとうの企画を実際に製造メーカーさんに提案して、商品化されたとしたら。それは、リアルにすごいことです。授業で考えたことが、本当に世の中に出る。

自分のアイデアが、誰かの手に届く。

もしそれがきっかけで、企業のデザイン部門から声がかかるようなことがあれば──もう、それはドラマですよね。

これこそが、私がnoteのテーマにしている
「物語の主人公は自分」
ということなんです。


探求は、デザインの考え方とよく似ている

これはデザインの授業での話ですが、
「探求=デザイン」と考えると、
中学・高校の授業にも十分当てはまります。

先生が、
・このテーマの先に何があるのか
・学生が次のステージに進むとしたら何が起きるのか
そこまで想像するだけで、授業の見え方は変わります。

そして、先生がワクワクしている授業は、不思議と学生にもそれが伝わるんです。


最近、こうした授業の話をすると、
少しずつですが、学生だけでなく先生方からも声をかけていただくようになりました。

「その考え方、もっと詳しく聞いてみたいです」
「自分の授業にも、取り入れてみたい」

年に数回、高校生向けにデザインの楽しさをテーマに授業をさせてもらうことがあるのですが、その際、担当の先生から
「僕も、もっと若いころに先生の授業を受けたかったです」
と言われることがあります。

「時間があれば、今からでも学べますよ」と返すと、
「ぜひ受けてみたいです」と
言ってくださるのですが、多くの場合、そこで話は終わります。
お互い忙しく、なかなか時間が合わないからです。

でも、noteでこうして発信するようになって、
「興味を持ってくれた方と、
ちゃんと話せる場をつくれないだろうか」
そんな思いが、少しずつ強くなってきました。

それが、オンライン講座という形を考え始めた理由です。講座の詳しい内容については、また別の記事であらためて書こうと思います。


📣次回予告
物語の主人公は自分Ⅱ
「一人で悩まずちょっと誰かに話してみよう」です。
講座につながるようなお話もさせていただければと思っています。


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