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59歳。「人生の第2章」は、前半の延長ではない。

■ 人生には、何度か「ルールが変わる瞬間」がある

年齢のせいでしょうか、これまでの歩みを振り返ることが増えました。

55歳で会社を辞め、二度目の独立をして4年目。
「これからの人生をどう生きるか」
じっくり考える時間が増えたからかもしれません。

振り返ってみれば、私の人生は決して一直線ではありませんでした。むしろ、かなり遠回りをしてきたし、何度も泥をすすってきたような人生です。

学生時代は、田舎から都会へ初めて出て、世の中の広さと遊びを知った。
1回目の会社員時代には、仕事、結婚、子育てと、初めてのことばかりに揉まれた。
1回目の起業は、若気の至りと勢いだけで、見事に失敗した。大きな借金を抱え、自分の甘さと世間の厳しさを思い知らされた暗闇の時期でもあります。

そこからもう一度、背水の陣で2回目の会社員となった。
もう後がない状況で、20数年間とにかくがむしゃらにというか、前だけ見て働きました。
給料を上げる方法ばかり考え、時には責任とプレッシャーに負けそうになりながらも、稼いだ。楽しいことばかりではありませんでしたが、本当に一生懸命だった。振り返れば、この時期こそが人間の基礎体力を一番鍛えてくれたと思っています。

55歳で2回目の起業をした今、なにかようやく分かってきました。
遠回りだったけれど、無駄な道は一つもなかった。

あの起業の失敗がなければ、お金に対する真剣なリスク管理は身につかなかった。
あの会社員時代の苦闘がなければ、今のビジネスのやり方も見えなかった。

人生とは面白いものです。その瞬間には「最悪の失敗」にしか見えなかった出来事が、何年も経ってから人生を支える最強の武器になり始める。60歳手前になって、いま、確信しています。

■ 前半戦は、「増やす」ことで精一杯だった

知識を増やす。経験を増やす。実績を増やす。収入を増やす。人脈を増やす。
家族を養うお金を増やし、自分の可能性を広げていく。
何も持っていなかった若い頃には、それが生きていくために絶対に必要だったからです。

若さゆえにかなり無理もしたし、多くの失敗も重ねました。
ですが、私にとって前半戦とは、あらゆる喜怒哀楽や失敗を身体いっぱいに「詰め込む時代」だったのだと思います。

そして今、その若い頃に必死で詰め込んだすべてが、ひとつの「大きな道具箱」になって効いてきました。
失敗から学んだリスク察知能力、修羅場を潜り抜けてきた判断力、お金の扱い方、人との対峙の仕方。
過去のすべての経験が、59歳の自分の中でつながって玉手箱になっています。

■ 「ブレない」は、くぐり抜けてきた場数で作られる

若い頃と今で、何が一番違うかと聞かれたら、「どんな場面に遭遇しても、慌てずブレない落ち着き」だと思います。

サラリーマン時代、大勢の前での緊張感あふれるプレゼン、予期せぬ仕事のトラブル、海外で挑んだ難易度の高い顧客交渉、そして人生を賭けたお金のプレッシャー。
これまで何度も、胃が痛んでクラクラするようなプレッシャーと戦い、それを無我夢中で乗り越えたことが、結果として「ブレない落ち着き」を手に入れていたのだと思います。あの時、立ち向かい、乗り越えてきた「経験の場数」が、今の私の中に目に見えない強固な「芯」を作ってくれたのだと思います。

それに加えて、iDeCoやNISA、不動産、事業の最適化など、以前から自分なりに準備し積み上げてきた「金融資産という現実的な土台」がある。

「腹の括れた経験値」と「数字の裏付け」

この2つの土台があるからこそ、ちょっとやそっとの日常のトラブルや事案が起きても、自然と動じなくなりました。心にそれなりの余裕が生まれたのです。

そして、この「ブレない落ち着き」があるからこそ、59歳になった今でも、新しいことに挑戦するのが、楽しめています。

新しい旅行のスタイルをとりあえず試せること。
新しい趣味に気楽に飛び込むこと。
新しいコミュニティに顔を出し溶け込むこと。
新しい顧客といつも気持ちよく交渉ができること。

若い頃のような「自分を大きく見せる」のではなく、純粋に「人生を面白がるための挑戦」を、いつでも平気でいられます。
この動じないというか気にならない気持ちは、修羅場をくぐり抜けてきた経験で手に入れた、人生後半戦の最大の武器だと感じています。

■ 第2章は、同じルールでは生きない

だからこそ、55歳で独立したときに強く心に決めたことがあります。

「これからの人生は、これまで生きてきた延長線上にはしない」

もっと稼ごう、もっと仕事を増やそう、事業を大きくしよう。
前半戦と同じルールで生きてしまったら、せっかくここまで遠回りをして生き抜いてきた意味がありません。

だから、思い切って手放し、引き算をしました。
売上をあえて半分にし、合わないお付き合いや無駄な見栄を捨てた。
そうして生まれた「時間の余白」を、何をするかを自分で「選ぶ」ために使うようにしたのです。

仕事を完全に辞めるつもりはありません。
本当に面白いと思える仕事、信頼できる人からの依頼、適度に身体を動かす仕事。
もう「何でもやる」必要はないからこそ、自分が納得できるものだけを選び取る。

収入の最大化ではなく、「人生全体の満足度」を最大化すること。
それこそが、私の第2章のルールです。

■ 人生後半は、積み上げたものを「使い切る」時間

若い頃は、自分に足りないものばかりを探していました。
もっとお金が必要、もっと認められたい、もっと成長したい。

ですが59歳になった今、私の手元には、もう十分すぎるほどの「材料」が揃っています。

これからの人生後半戦は、何かを無理に完成させるための時間ではありません。
これまで泥臭く積み上げてきた知識、経験、資産、そして時間を、自分や大切な家族の人生のために「使い切っていく時間」なのだと思います。

若気の至り全開の当時の自分に言いたいです。

「失敗してもいい。遠回りしてもいい。修羅場から逃げない。その経験はすべて血肉となり、将来、最強の自由にしてくれる」

まもなく私は60歳になります。
人生の第2章は、前半戦の続きではありません。ここからは、自分でルールを決めていきます。

ここまで読んでくださったみなさんにとって、「第2章のルール」とは何でしょうか?


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