怪しさに全振り
突然の引っ越し。
新しい契約。
礼金、敷金。
その前にかけた内装費。
残ったお金は
3万円。
しばらくの間
近くのもみほぐし屋で働かせてもらった。
でも
収入はわずか。
状況だけ見れば
完全に追い込まれていた。
それでも
やることはひとつ。
お客様を迎える準備。
内装に手をつけた。
今も店のシンボルになっている
ガネーシャのタペストリー。
実はこれ
壁紙を変えるより安く済む。
背景から電球で照らす。
ところどころ
強い柄を入れる。
全部
“それっぽく見せる”ため。
完成して
最初に来たお客様が言った。
「めっちゃ怪しい店笑」
確かに。
どこの国かもわからない空間。
でも
なぜか気に入っていた。
だったら
もっと振り切ろう。
中途半端が
一番弱い。
続く
