ニッチなチャペルを地味に愛でる
ケルトとカトリックの融合
超自然的な存在や神秘への信仰心が強いケルトの民。キリスト教がブルターニュの伝統と融合するまで数世紀かかったといわれる。その歴史を垣間見れるユニークなチャペルをいくつか訪ねてみた。

そもそもの動機 レトロな電車の旅
内陸部から南部の海岸へと流れる Le Blavet は、ナポレオン時代、物資・人材を運ぶ重要な水路だった。周辺に敷かれた線路は現在も、観光列車ナポレオン・エクスプレスのルートとして健在だ。

photo by Morbihan Tourisme
↓ 幻のレトロ電車の旅
ブルターニュの愉しみ方・上級者編(笑)
内陸部の田舎に拠点がある私は、ニッチな遠足に日帰りで行くのが好きだ。現地の友人に Le Blavet 周辺行こうよと誘うと、なぜかチャペルてんこ盛りプランを立てられた。では流れに身を任せよう!
① Chapelle Saint-Gildas de Bieuzy
峡谷を下り森を突き抜けると、突然大きな岩と、その一部のように建てられたチャペルが現れる。物静かだが、圧倒的な存在感だ。





② Chapelle Saint-Nicolas-des-Eaux
川沿いのカフェテラス脇の坂を登り、茅葺き屋根の家の道に出ると見えてくる。レトロ電車駅近く。




③ Chapelle Saint-Nicodème
のどかな田舎道を抜けると唐突に現れるゴシック・フランボワイヤン建築。まるで時空を超えた不思議ゾーンに迷い込んだよう。




3つのチャペルに見る死生観
ブルターニュには因習や民間信仰が根付いていたため、カトリック教会は異教を退散させるのに躍起だった。16世紀の宗教改革後は秘跡を中心とした布教が盛んになり、キリスト教が浸透していく。
柱や内壁に施された宗教彫刻、聖堂を囲う塀や門。これらは輪廻転生の思想を持つケルトの民に「教会は死後の世界へ通じる聖域です」と視覚的に訴えるための、他に例を見ない独特な装飾なのだ。
自然信仰の足跡?
チャペル巡りを終え、帰りぎわメガリット (巨石) に立ち寄る。建てられた目的は誰も知らない、ケルト文化圏に多く見られる不思議なモニュメント。自然信仰の神事に使われていたのだろうか?

