辿り着いた"ルートΩ"開拓者と作ったAZKiの集大成 AZKiソロライブ「Departure」ライブレポート。
僕がホロライブにハマってしばらくした2022年7月18日。歌がうますぎて認識したのがあずきちだった。生誕ライブなどのゲストで見ることは多々あったが、その頃はホロライブへの移籍が決まったばかりで配信などの活動を目にすることは少なかった。
しかしそんなあずきちの生歌を聴けるチャンスが来た。2024年8月3日、メジャーデビューライブ『声色エントロピー』夜の部に当選し、その可憐な歌声を生で聴くという貴重な体験をした。その後、本格的にホロライブでの活動に力を入れていき、目覚ましい活躍と共にファンを増やしていった。
そんな彼女のレーベル移籍後初であり、自身最大規模の会場でのソロライブとなる『Departure』が発表された。古参開拓者はもちろん、新参開拓者もこの数年で大いに増えたと見え、抽選は全て落選。しかしこのライブには何かがあると感じ、どうしても行きたくてXにて連番募集を募るも、歯牙にもかからず。必ずいくぞと意気込んで法被まで買っていたのだが、これショックで配信見れないかもな…と落ち込んでいたが、ありがたいことに3日前にお声がけ頂き、なんと現地参戦できる運びとなった。
急いでオリ曲全てを網羅したプレイリストを作成し聴き込むと共に、メン限に入り直し、期間限定公開の4th〜7thライブを視聴して、本番を迎えた。
この時はまだ知る由もなかった。伝説をその目で目の当たりにすることになるとは。
会場入り
ぴあアリーナにはおかゆん2ndの時に一度訪れてはいて今回は2度目。ドトールで喫煙とトイレを済ませたのだが、喫煙室でおかゆんソロライブの時にたまたま喫煙室で会った方と再会した。お互いの無事と再びここで会えたことを喜び合い、何人かのフォロワーさんに挨拶をし、入場する。


席次は2階席、右斜め後方三列目。開演までの間連番者とお互いの近況や聴きたい曲などを話し、モチベーションを高める。そして、いよいよ開演の時を迎える。
OP V


スクリーンにはα、β、γのこれまでのルートが描かれた時計と、last frontierの水平線、そして今回のライブのキービジュアルが映し出される。軌跡を辿るような演出。
これだけですでに泣きそうだった。
未来カンパネラ
開幕からなんとこのソロライブの衣装である『歌劇衣装』での登場。最初から惜しみなくその姿を見せてくれるとはサプライズだなぁ。

そして静寂の中ステージを歩き、置かれているマイクを手に取る。
アイドルが引退する時の「逆」の演出。
すでに何らかの意図を感じる。
「もっと 」のアカペラからライブは始まる。
それに合わせてゆっくりと会場はピンクのサイリウムを掲げる。

「私の証はどこにあるのだろう」
それを探す旅がこれから2時間という時間をかけて、始まっていくことを、この時はまだ知らなかった。
カンパネラとはイタリア語で「小さな鐘」を指す。AZKiの歴史を巡る、そして未来への旅の門出の鐘が鳴らされたのだった。
メドレー
Creating world
AZKiのはじまりの曲。全てはここから始まったのだ。
今よりもっともっと、バーチャルが、Vtuberという存在がアングラなものだった時代に、新しい世界を開拓していこう、という想いの込められた希望に満ちていた曲。
過去の節目のライブではトリであったり、最後の方の曲順に持って来られることが多かったが、ここで上部スクリーンに「α」の文字が示されて理解する。

これはAZKiのルート分岐を巡る旅であることを。
そしてそれと共にサプライズ演出で歌劇衣装がブラックに染まっていく。

言うまでもなく初期AZKiをイメージしたカラーリングだ。あずきちの衣装に黒が宿るのは久しいことで、それと共にはじまりの曲が歌唱される。
すでに「床」になる開拓者も居たのではないだろうか。
これはエモくて嬉しいサプライズだ
リアルメランコリー

この曲は嬉しかった。今回のライブにあたりメン限で公開されていた4th〜7thライブも当然履修したのだが、イェーイ!ブー!の合いの手がとても楽しそうだったから。
この曲含めアルバムを引っ提げての声色エントロピーでは披露されなかった曲が多く、まるで古参開拓者になったような、本当に歴史の総ざらいといった感じだ。
あずきちと親交の深い瀬名航さんの歌。
ポップな曲調に乗せてダークな歌詞を歌い上げるも、暗くならないのはあずきちの透き通る歌声のなせる技。
フェリシア

息もつかせぬラッシュに興奮が高まる。
フェリシアの花言葉は「幸福」。
この曲が発表された当初は幸福だったのだろうか。希望に満ちていたんだろうか。そんなことをうっすら思いながら聴いていた。
生演奏のギターサウンドが映える。
I can’t control myself

爽やかで可愛い雰囲気の三曲から一転ロックな曲調に。
通称"AZKi BLaCK"。
4th〜7thでも度々披露されていた本曲。
カッコいい曲も歌いこなせるのがあずきちのすごいところだなぁ。声質が綺麗で可愛らしいからカッコ良さが際立つ。人間は、取り分けオタクはギャップに弱い生き物ですからね。
ひかりのまち

この曲はライブ映えするんだよなぁ。これ聴いてサイリウム振るの憧れでした。
ビル ジェンガ 嘘の街 レゴ 団地 嘘の街
って歌詞カッコ良すぎるでしょ!
欲を言えば「みんなで!」ひかりのまちへ の煽り欲しかった。
コロナ禍の無観客ライブのリベンジで。
Fake. Fake. Fake.

え!ここでこのカード切ってくるのかよ!
メドレーでやっちゃうの勿体なくない!?と思っていた。
今回の全貌なんて見えていなかったのだから当然である。
生で聴けて嬉しい〜!
中盤に盛り上げで持ってきたっておかしくないくらいパワーのある曲。
この曲は聴き込んだからな〜本当にライブでの魂込めた歌唱がたまらんよ。
「こんな異常だけの世界で存在意義探してるんだ」
この歌詞、みんなに当てはまるよね。
怒涛のメドレーが終わり、これからどうなっちゃうのよと期待とドキドキが高まった。
MC1

てか、ここまで無料パートだったんすね…豪華過ぎるでしょ。やばいよこんなの。チラ見せのレベル超えてる。
曲頭でルートの文字がサイリウムカラーを表すという演出だが、非常に良い試み。
「みんなで一緒に今日のライブ作っていこう!」と語りかけていた。後述するがこれがすごかった。
from AtoZ
ルートαを巡る旅は続く。

開拓者の声を聞かせて!の号令で会場の開拓者全員でコーラス部分の大合唱。
あんまりライブ中にコール部分以外で声を出すのを経験したことがなく新鮮だった。
推しの声を邪魔しないかとかいろいろ考えてしまったが、一方でこの曲は開拓者のコーラスが添えられて完成なのかな、とも思った。
あずきちの初の作詞の楽曲。
クリエイティングワールドのアンサーソングということで、作られた本曲。"AZKi"という表記はAからZまで、全ての要素を音楽として繋いで欲しいとのことでつけられたそうな。
プロジェクトの構想や行先を知っているからこそ、最初から最後までだよ、という歌詞に重みを感じる。
アレンジバージョンになることでより一層盛り上がる構成になっている。
ここまでの曲は全て作者、あずきち、プロデューサーのツラニミズ氏のライナーノーツがあるので是非ご一読するのをお勧めする。曲の解像度が上がるので。
without U

AZKiに何故Uがないのか、ということへの曲としてお馴染みだが、歌詞を見て聴いたことはあるだろうか?
もし見たことがない人は記事を読む手を止めて、今歌詞を聴きながらこの曲を聴いてみて欲しい。
歌われていない歌詞に意味が有り、それを見てようやく合点がいくので是非今一度見てもらいたい。
そして最後にサプライズ演出でルートαの時のメインビジュアルであるAZKi 1stが登場。

どよめく会場。
そして二人のAZKiが手を合わせて1stAZKiが空に光となって消えていく。

なんという演出なんだ…こんなの涙しない奴がいるのか…?

Intersection

カラーライズ衣装に変身してルートβゾーンへの幕開けに相応しいぶちあげテクノ。感動からの振れ幅で感情が揺さぶられる。
エロティックな振り付けがたまらない。声色エントロピーの時も思ったが、あずきちのダンスのフリは歌に集中するためか大振りではないものが多いが、その分指先にまで神経の通った表情づけがされており、目と心を惹きつけられる。一瞬を切り取るとまるで彫像の様に見えるだろう。
Intersectionとは交差点。感動と盛り上がりが交差するここに相応しい意味合いだ。
そして間奏でのバンドメンバー紹介。これをどう盛り込むかも楽しみの一つなのだが、これはお見事。エア演奏するあずきちもかわいい。
画面の中の君が好き

あずきちの名刺曲のひとつ。クラップやサイリウムの振り、それから「みんなで歌ってー!」とそれらをあずきちがステージから腕の振りや言葉で指示して、会場もそれに応える。これぞコールアンドレスポンス。これだよ、これこれと言ったライブ感を味わえた一曲だった。
オーバーライト

イノナカミュージックでの活動に一区切りをつけた、3rdAZKiの楽曲で、フロンティアローカスのアンサーソングとして作られた本曲。葉や花が付いていくダンスに合わせて、会場のバックの柱の蔦が成長していることに気づく。
それにしてもあずきちの楽曲の幅の広さよ。ぶち上げる曲、サイリウムを振る曲、しっとりと聴き込む曲。開拓者の情緒は揺さぶられまくりだ。
フロンティアローカス

この曲も是非歌詞を見ながら聴いてみて欲しい。ほんわかしたメロディーラインと可愛らしい歌声にパッケージングされて、ここまでの旅路や世界と自分の在り方について苦悩する様が描かれている。
会場の赤と緑のサイリウムが綺麗で、ヘアピンと同じ色の花々が風に揺られている様だった。
青い夢

アーティストとしての本音と建前、葛藤をテーマに切なく歌い上げるこの曲。Re:Birthに収録されていたことから確定演出ではあったのだが、実は原曲バージョンの方が好きだったりする。
今よりも真に迫った状況があったからかわからないけども、収録音源の魂のこもり方も違う気がする。
閉塞感の中で一縷の望みに、希望に縋る様な原曲に対して、少し明るく、前向きに、でも悩みを捉えているようなアレンジバージョン。
どちらも違った良さはあるのだが。聴いているこちらも苦しくなってしまう様な揺さぶられ方をするのはオリジナルかなと。
一番の違いは静寂のタイミング。
守れないよ…の前に入っているオリジナル版と、嫌になりそうだよ、の後に入っているアレンジ版。
これで曲全体の印象が大きく変わっているのだから面白い。

静寂の後に歌う「誰も間違ってはいないから」というフレーズにアレンジ版は心が込められている気がする。「赦し」のニュアンスを感じ取った。
直後、その感覚は間違っていなかったと感じた。


2nd、3rdのAZKiが現れ、あずきちの両の手によって空へと還されていく。青かった二人のAZKiの時に歌った葛藤を受け止め、昇華し共に先へ進む、ということなのだろうか。

2nd衣装、3rd衣装のAZKiは、僕は少しの時間しか観測できなかったが、もしかしたらこれでもう二度と会えないかもしれないと思い涙した。
そしてその両手を胸に当て、ドレス衣装へと変身するあずきち。
afterglow

「もう行かなくちゃいけない 永く遠い路の終わり」
一瞬で理解した。
ああ、これは二人のAZKiへの鎮魂歌なのだと。
眼前には一面に咲き誇るオレンジ色のサイリウムの星。

掲げられた開拓者ライトの耳が涙で滲んで星のように見えたのだ。
不眠症を患ってから、眠れない夜はこの曲をループで聴きながらよく散歩していた。切なく優しい何度も何度も聴いた曲。
歌われる歌詞が全て天へ昇ったAZKiへの歌詞に聞こえる。この曲はあずきちの作詞だが、なんというメッセージ性だろうか。当時のルート変更を余儀なくされた状況からも、当然こういった文脈を孕んでいたのかもしれないが、視覚化されることでより一層感情を揺さぶられる。
「きっと良かった これで最後 もう行かなくちゃ 夢が終わる」
青い夢と地続きの様に捉えてしまう。完璧なセットリストだ。
canopus

青い夢だったAZKiに別れを告げ、aftergrowで見送り、この曲はAZKi達との想い出を振り返っている様だった。
AZKiがAZKiである以上、1st〜3rdのAZKi視点と今現在のAZKi視点、どちらの心境とも取れるように感じる歌詞。ちなみにこの曲も作詞はあずきちだ。
あの子たちも今のAZKiみたいになりたかったんだろうな。
でも君は君の良さがあったから、それでいいんだよ。だって君も私もAZKiだから。
ありがとう。AZKiよ、どうか安らかに。
天へと伸びる蔦には花々が咲き誇っていた。
そしてルートβゾーンは終わりを告げ、γゾーンが始まる。
ω猫

はい!かわいい!
衣装チェンジが沢山ありそうだなって時点で、ゆるふわ私服衣装見たいなと思ってはいたけど、ここで来るかと。
あずきち史上最強の可愛さを誇るω猫となりました。
「α β γ変遷辿れば」と歌詞にもあるように、丁寧なルート変遷とγゾーンへの幕開けに相応しい。

滝の様に迸る涙を吹き飛ばす様に精一杯のコールとサイリウムで以て盛り上げた。
緩急が、この緩急が脳を破壊し、どんどんこのライブにのめり込んでいく。涙もコールも、最早自分の意思ではなく身体が反応していく。
未知の体験であった。
エンドロールは終わらない
2025年6月26日。Victorの退所を告げた後の歌枠だったのだが、明らかに言えない感情を抱えている様子が見て取れた。
その時に歌った after grow→青い夢→エンドロールは終わらない の流れが鬼気迫る様子で感情が込められており、前々から好きだったこの曲の虜になった。

再び白の歌劇衣装に身を包み、披露されたこの曲。パッケージ版を何度も聴いていると、生歌の感情の込められ方に感動する。いつ聴いてもあずきちの魂が込められた歌われ方をするのがこの曲だ。ヴァイオリンの音色がそれをまた綺麗に包み込む。
「ごめんね」
からの歌唱はまさに圧巻。剥き出しの感情を叩きつけられる様に感じて涙が溢れる。
「ずっと誰にも言えないこの気持ちを吐き出してしまいたい」
「初めて夢を描いた時からもう何年経った?気づいたらみんな居なくなっていた」
苦しさがこれでもかと伝わってくる。僕らはただ、聴くことしかできない。あずきちの魂の叫びを。現地で歌を聴いているはずなのに無力感さえ感じる。その苦しみを類推することしかできないことに。僕らは無力だ。
アーカイブでも視聴したが、特にこの曲は生歌の力がすごかった。やはりAZKiの歌は生で聴かなければ。
そして今思えば、これが大トリへの伏線になっていたのかもしれない。
いのち(2024ver.)

AZKiといえばいのち。間違いなく一番の代表曲。
この曲の感想、非常に難しい。
間違いのない名曲ではある、のだが…。
というのも、曲に込められたメッセージが強すぎて。
本当に消えてしまうかもしれない時に作ったいのち。そのオリジナル版を歌うのは、ルートを辿る演出の都合上ということもあるが、ここでは違うよねと。
かと言って、歩みを進めた今2024ver.もしっくりはこない。この曲が最も威力を誇ったのは2024年当時に聴いた時だっただろう。
あずきちに流れている時間は今なのだ。
AZKiはリアルタイムシンガーなのだな。




1stAZKiが階段をのぼり、2nd、3rd、そして現在の姿へと変身していく。
The Last Frontier

初期モチーフ衣装の二人が「あの」5thのラストフロンティアを歌う…。
感無量過ぎて。
交わらなかった運命の二人が、今こうして同じステージで、歌っている。そして、それを観測している。
まさか伝説に立ち会えるとは。
この曲のメッセージ性などは5thフェスのときのすいちゃんのお手紙で語り尽くされているので、あえては語らないが、とにかく生歌を聴けて良かった。もう二度とないことかもしれない。ありがとう。
お手紙の返事
伝説はまだ続いていた。5thフェスのステージ3はアーカイブでしか観たことが無かったので、目の前でその続きが展開されている。


「共に進もう、という言葉はあの頃の私が一番欲しかった言葉だったのかもしれません。」
涙が堪えきれない。
当時の心境は、観測できていなかった僕には推しはかりきれないし、観測していた開拓者でも全てはわからないだろう。
あずきちにしかわからない孤独。
想像することしかできないが、心が苦しくなる。
もうイノナカ組と呼ぶことはこの二人には失礼だ。しっかりとAS_tarとしての一歩を踏み出しているのだから。
Going My Way

衣装で表した過去、観測している現在、そして二人のこれからの未来。
それらがステージで交わり新曲となって披露される。
上部のモニターに歌詞が表示されるが、意味を持ち過ぎてるって…。
この曲はイノナカという呪いからの解放の歌だ。
でも、あの時があるから今がある。
鎖から解き放たれ、前に進む二人に幸多からんことを。

白明
ルートの文字は消え、花が咲く。


絢爛な衣装とマイクを携え、新アルバムからの曲を披露。
ようやくAZKiの「今」へと旅はたどり着いた。

「伸びた髪は想い紡いで 今も揺れ続けるよ」
涙に濡れた夜を超える力をくれたのは
過去のAZKiでも開拓者でもあるのだろう。
優しくも力強い決意を感じる歌声に会場は包まれた。


雨のち晴れ晴れ

「モノクロな帰らぬ日々」「いつか見た夕焼けの空に」という歌詞から、この歌はaftergrowのアンサーソングなのでは無いかと思う。
明日への希望を歌うこの曲を以て、このライブは一旦の締めくくりとなる。
爽やかな余韻に包まれる会場から湧き上がるアンコール。
まだあの曲を聴けていないよな。
オキドキ

絶対銀テ曲だと思っていた。楽しい未来を夢見る歌詞からてっきりトリ曲で銀テープが飛ぶんでは無いかと。
開幕天井からバルーンが会場へと降り注ぐ。

あれ?でもじゃあ最後何が来るんだ?
盛り上げ曲で力の入った曲であるオキドキをここに持ってきたら、最後何がきてもオキドキに勝てないのでは無いだろうか…?
最後のMC
「もし、今日が最後のライブになったとしても、後悔しないように7年間の全てを込めました」と語る。
でもライブタイトルはDeparture。未来への出発。これからも道は続いていく。
「このライブにはもう一つテーマがありました。出発するには何かに別れを告げる事、決別する事。」「葛藤や痛みと今日この場所でお別れすることにしました。」

「今日、この日のために曲を作ってきました。」
今日一番にどよめく会場。
「それは決して悲しいお別れではありません。先に進むための優しくて、力強いお別れ。」
一言一言の重みが胸に刺さる。一体これから、どんな歌が披露されるのだろうか。
今日この日のこの瞬間のために作られた、特別な曲。
会場も静まり返る。
Farewell
タイトルはそのまま、「別れ」という意味。

空の青さ=ホロライブとは遠いところでひとりぼっち。3つの後悔=1stから3rdまでのAZKi。
「生きることをやめないでと
わたしが今歌うよ
本当は終わるはずだった
命抱えて
ここにいたいと願った」
二つの「いのち」をはじめとして、全ての楽曲、AZKiの人生全てへのアンサーソング。
これまでの人生、これまでのAZKi、これまでの悲しみ、これまでの悔しさ。
それらとの今日を以ての決別。
ぴあアリーナに置いていく。
AZKiは未来に行く。
悔しかったろう、悲しかったろう、憤ったろう、辛かったろう。
誰にも言えなかったろう。
もう大丈夫。
ツラニミズでもない、そらちゃんでも、すいちゃんでも、開拓者でもない。
「わたし」が、生きてて良いと、そう肯定する。
今日、この日をもって。
開拓者への感謝の言葉を述べて、花びらとなり散りゆくAZKi。


嗚呼、なんと綺麗な、エンディングなんだろうか。
コンサートを見にきているようだなと途中で思っていたが、流れていくエンドロールも相まって一本の映画を観終えたような、綺麗な感動。
しかしそのどれとも違う、
このライブでしか味わえない、不思議な感動。
当たり前だ。これはAZKiの人生「そのもの」なのだから。
落涙しない訳がない。最初から最後まで、そして未来まで、全てを2時間のライブに込めて、体現したものだ。
人生を作品に載せられてしまったら、それは感動しない訳がない。
V DiVA AZKiの人生は決して平坦で、華々しいものでは無かったかもしれない。
でもそうでなければ、今日この日のライブは作れなかった。ここまでの感動は生まれなかった。
おめでとう。あずきち。良かったね。
AZKiと開拓者
今回、2階席右斜め後方から見ていたのだが、お陰でステージと観客席を広く見渡すことができた。
そして思ったことがある。
それはあずきちのステージコーディネートの力が強いこと。
最初のMCでの声掛けや、サイリウムカラーの指示表示などは出ていたものの、それらは全てあずきち発信で行われていたように思う。
統率力と言い換えてもいいのだが、もう一つすごいのがあの日の会場に集まった開拓者のそれに応える力。
数々のライブを見てきたが、今日の会場が最も統率された、最も美しい集団だった。違法サイリウム無しとか銀テダッシュ無しとかそんな次元では無い。
青い夢の静寂やMCの時は無駄に目立とうとして叫んだりせず、サイリウムも掲げない。
そして曲が始まると色は統一され動きも一様に揃っていた。
古参から新参まで揃っていただろうに、ばらつきがなかったのは、あずきちの求心力と古参開拓者のリードが大きかったのではないか、と推測する。
自分ももちろんコールやサイリウム振りなどはしていたのだが、一部ボロ泣きして棒立ちになって聴きたかったが、この完成された集団を乱すわけにはいかないと必死に喰らい付いていた。
あずきちと開拓者の絆、練度、なんと表現するべきかわからないが、凄いものを観た。
総括
伝説を目の当たりにしてしまった。AZKiの歴史は「Departure以前、以降に別れる」と言ったっていい程に、歴史的瞬間を目撃してしまったのだ。
僕はその責任を果たさなければならない。
あずきちが、これからどんな道を辿っていくのかを見届けなければならない。
そして、AZKiにこれ以上のルート分岐は存在しないだろう。さながらルートΩ、ルートAZKiといったところだろうか。
それをこの目で、しっかりと見届けていこうと思う。
そしてもし、このnoteを読んでまだあずきちのライブを観れていない、という人がいたら、是非アーカイブチケットを買って視聴してみてほしい。
言葉を尽くして伝えたつもりではあるが、表現できるものには限界がある。
言葉で表現し尽くせるのならば、この世に歌というものは存在しない。
この感動を是非、味わって頂きたいのだ。
V DiVA AZKiの未来に幸多からんことを願って。
