見出し画像

エノコログサ(狗尾草)


別名のネコジャラシの方が一般的にはしっくりくるかもしれません。

エノコログサは道端にひっそりと。しかし、しっかり根を張り力強く生きる姿が特徴です。また素朴な優しさがあり、猫が夢中で遊ぶ愛らしさがあります。

 

芥川龍之介 は『葱(ねぎ)』の作中で、まだ開発途中で寂しい武蔵野の秋の情景として、道端に生い茂るエノコログサが登場します。都会の華やかさの裏にある、うらぶれた現実や虚無感を象徴する背景として効果的に使われています。

 

その他、夏目漱石 は『虞美人草(ぐびじんそう)』でエノコログサは、人間のエゴや複雑な愛憎劇とは無関係に、ただそこにあり続ける冷徹な自然の象徴、あるいは「主を失った寂しさ」を表現する描写として一役買っています。

 

エノコログサは日本国内のほぼ全土に広く分布しています。身近な場所で最もよく見かける野生植物のひとつです。ぜひ、探してみてください。


いいなと思ったら応援しよう!