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もう卒業したやろがい【なんのはなしですか】

私は小さい頃、とにかく落ちる夢を見た。
ある時はビルから落ち、
またある時は崖から足を踏み外して落ち、
果ては乗ったこともない豪華客船の一番高いところから
東京湾に向かって飛び込んだ。
トムクルーズに負けず劣らずのスタントアクションだ。

やがて大人になるにつれ、そういった「落ちる夢」をみなくなった。
その代わりに、「学校の宿題に追われる夢」を見るようになった。
なぜか学校。
大半は話がコロコロ変わるよく分からない夢ばかりだが、
目が覚める直前で一番多いパターンがその夢だ。

そしてだいたい
(ああ忘れてた! もう間に合わないどうしよう~)
となったところでハッと目が覚める。
そこで私は毎度自分にツッコミを入れるのだ。

「お前、もう卒業したやろがい!」

例えば
同級生でも何でもない連中と教室で座っており、
同じく記憶にない教師が担任面して
「課題明日までだからな」
と気だるそうにリマインドをする。
で、自分は(あ~まだやってねぇや、どうすっかな)と
半分焦っている始末。

(ちなみに現実の私は、
ちゃんとやっていた時代とまったくやってない時代の
両方を経験している。全く褒められた話ではない)

で、焦ったところで目が覚める。

「いや、誰やねんお前ら!」
「そんで、お前(私)もう社会人やろがい!」
というエセ関西弁のセルフツッコミで目が覚める始末。
こういう夢を見た日は大抵朝からどっと疲れている。

またある時は、私が下校中の電車内にいる夢で、
そこには当時同じクラスの同級生と乗り合わせており、
他愛もない雑談をしている。
その中でふとその同級生から
「じゃあ、明日のテスト(確か数学?)頑張ろうな」
と声を掛けられて、夢の中の私は
「おう!」
と元気よく返す。
そこで目が覚める。

「いやもう卒業したやろがい!」
「あとお前、家反対だから電車で一緒になったことないやろがい!」
我に返ると、全く持って夢の意味不明さに驚愕するのである。

最近自分でもひどいと感じるのは、
目が覚めても、一瞬夢と現実の区別がつかなくなっているところ。

教室で恐らくホームルームか何かだったのだろう。
「えー、○○(何かの課題と思われる)は明日までに提出するように」
私はその声をめんどくさそうに聞いている。
そこではっと目が覚める。

(やべぇ課題終わってねぇ、今からでも間に合うか!?)
……?
………アレ?
起きて20秒くらいしてようやく気付く始末。

「だから、お前もう卒業したやろがい!」
「ありもしない課題に焦ってどないすねん!」
「何回このくだり繰り返すねん!」

そうしてツッコミをたたみかけながら、
私は炊きあがった炊飯器のごはんを混ぜるのである。