目の痒みの対処法(#シロクマ文芸部)
晴れた日に、ぽかぽかしてきたし、「よし、散歩でもするか」と玄関を一歩出たその瞬間——。
……かゆい。
目が、いきなり、ものすごくかゆい。
毎年のことながら、更新され続ける花粉量に、私の目と鼻は見事に崩壊する。とくに目の痒みは尋常ではない。気が付けば無意識にゴシゴシ擦り、目頭の皮膚はくすみ、鏡を見ると「なんだか人生に疲れた人」みたいな顔になっている。
いや、違う。疲れているのではない。花粉でやられているのだ。
春といえば、私にとってはガーデニングの季節。
花が芽吹き、庭が賑やかになり、そして同時に雑草との壮絶な戦いが始まる季節でもある。
……なのに。
その前に、花粉が私を討ち取りに来る。
もちろん、私だって黙ってやられていたわけではない。
ネットで調べれば対策はいくらでも出てくるし、地元の専門医院だって調べて行った。
様々な対策を試した。
「これは効いたかも!?」と思うものもあれば、
「……これ、なんだったんだ?」という期待外れのアイテムも山ほどあった。
そのたびに私は怒りとともにそれをゴミ箱へ放り込み、心の中で小さく叫んでいた。
「金返せぇぇぇ!」
そんな戦いを続けてきた私だったが、今年、
「キタキター!花粉が来たぞ!」という、あの嫌な季節の到来とともに、ふと気づいたことがあった。
今まで私は、目の痒みをどうにかしようとして眼科に通い、抗アレルギーの目薬を使ってきた。
だが、よく考えてみるんだ<自分。
痒いのは目玉じゃない。
目頭なのだ。
そう。思い返してみれば、痒みが集中しているのはいつも目頭。
なのに私は「目が痒い=眼科」と思い込み、ひたすら目薬を差し続けていた。
そりゃ効かないよな。
だって痒いの、そこじゃないから。
ではどうする?
困ったときの——チャッピーの出番である。
私は震える指でスマホを取り出し、ChatGPTのアプリをタップした。
「目頭の痒みを解消するにはどうしたらいい?」
すると、返ってきた答えは
「抗アレルギー点眼薬を使いましょう」
いやいやいや。
それはもうやったのよ。様々な点眼薬を使ってみたさ。
何年もやったきたのよ。
私は必死で訴えた。
「点眼薬ではダメだったんです! 別の方法はありませんか!」
するとチャッピーは少し考えた後、
「目の周り用の市販の痒み止め軟膏があります」と教えてくれた。
しかも具体的な商品名まで。
私はすぐさまドラッグストアへ走った。
そして手に入れたのが、あの「デリケートゾーンの痒み・かぶれに」というキャッチコピーで有名な、非ステロイドの軟膏である。
(……これ、目の近くに塗っていいのか?)
と一瞬思ったが、背に腹はかえられない。
大きな期待を胸に、そっと目頭に塗ってみた。
すると——ピタッ。
……え?
ピタッ。
今まで暴れ狂っていた目頭の痒みが、まるでスイッチを切ったみたいに止まった。
え? なにこれ。嘘みたい。
今まで眼科を何軒も梯子し、数千円もする点眼薬を使い続けてきたというのに。
その結果が、数百円の軟膏で解決。
私の今までの投資は何だったんだろう。
結局、肝心の「痒い場所」に気づいていなかったのは、他の誰でもない。
この私だったのである。
これさえあれば、ルンルンルン🎵
心弾む春の到来を、心の底から喜べる日がやってきたのだ。
この軟膏と抗アレルギー点眼薬の合わせ技をもってすれば、私はついに、無敵のガーデナーへと変身を遂げたのである。
少なくとも、目頭に関して……に限っては。
なぜなら、雑草は花粉より、ずっとしぶといのだから。
※花粉によるアレルギー反応が目頭に出ていた私には、この痒み止めの軟膏が効果を示してくれましたが、症状には個人差があります。あくまで参考程度にしていただければと思います。
