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テーマを3回張り替えた男が、迷子やなかったと気づいた41歳の話

おい、そこで下書きフォルダ開いたり閉じたりしとるワレ。

そうや、お前や。

「前のテーマ、なんか違うかったしな」やと?

「今度こそこれでいける気ぃしてきたわ」やと?

「……書き出したら、またもやもやしてきよった」……やと?

甘いなぁ〜……アマアマや!!

偉そうに言うとるけどな。
ついこないだまでの俺や。

俺、発信始めて4ヶ月で看板3回張り替えとんねん。
それでもまだ、迷子の正体が分かっとらんかった。


3回張り替えて、客が1人も入ってへん店

教えたるわ。俺がこの4ヶ月で掲げてきた看板はこれや。

  • AI×和風ホラー×検証

  • AI×ラーメン×検証

  • AI×非エンジニアの生存戦略

神室町の空きテナントに、3回看板だけ張り替えた店や思てくれ。

一応、毎回それっぽい名前は付けた。内装もちょっといじった。のぼりも立てた。

で、客はどうなったと思う?

1人も入ってへん。

いや、覗くやつはおる。たまにな。
せやけど、覗いて「ふーん」で、そのまま角曲がってどっか行きよる。

俺はそのたびに、「あ、このテーマはハマらんかったか」思て、また看板を下ろす。

次はラーメンや。次はAI生存戦略や。

看板屋の領収書だけが、レジの下で分厚く積まれていく。

俺はテーマを変えとるつもりやった。
本気でそう思てた。

今になって分かる。
変えとったのはテーマやない。

ズレた場所にずっと店構えたまま、看板だけ変えとっただけや。


「泥臭い発信者」の看板掲げて、実は真似禁止コーナーを陣取っとった男の話

な、聞いとるか。ここが一番アホやぞ。

俺、看板3回張り替える間も、ずっと自信満々で掲げとったもんがあるんや。

「俺は泥臭く失敗も晒す、人間臭い発信者や」——この看板や。

最新AIで派手に転んだ話。
編集チーム組み上げて爆死した話。
アプリ作って公開まで行けんかった話。

こういうもんをズラーッと並べて、俺はこう思とった。

「失敗こそ価値や。きれいな成功談ばっか流しとる奴らとは違う。これが俺の武器や」ってな。

看板デカかったで。
泥臭い発信者・真島吾朗。金文字や。提灯まで下げた。

ほなある日、通りすがりの客がこう言うて通り過ぎていきよったんや。

「ああ、ここな。真似したらあかんことリストの参考になる店やで」

……は?

もっかい言うてみい。

「だから、先輩があそこで失敗した型をメモしといたら、後から来る人は踏まんで済むやろ?」

ちゃう、ちゃう、ちゃうねん。

俺が掲げとったんは、泥臭い人間臭さで殴る発信やぞ。

いつの間に、近所の真似禁止コーナーになっとんねん!

デカい「泥臭い発信者」の提灯の下で、俺はこの4ヶ月かけて、
このあたり一帯の先輩が地雷踏んどきました博物館の館長やっとったっちゅうことや。

失敗談が上手に書けるようになるほど、備蓄が増える。
備蓄が増えるほど、読者は安心して俺の失敗を参考にして、俺の通った道を避けて通る

一番助けたかったはずの相手が、一番俺の記事を「避けるため」に使うとる。

……笑いどころやないかい! 笑えや このボケェ!!

……チッ。

なんやねんその顔。「ああ、それは傷つきましたね」みたいなピュアな目ェ。やめぇや。

そない同情混じりの目ぇ向けられたら、金文字の提灯がベタベタに溶けてまうやろが。

次その顔したら、提灯ごと東京湾に沈めるぞ。


空に向かって矢ァ撃っとった話

……

……ほんまのとこ言うとな。

書いとる最中、ずっと気持ち悪かったんや。

記事を上げるたびに、なんか芯に届いてへん感じがしとった。

せやけど、その正体が自分でも分からんかった。

「まだテーマが合うてへんのやろな」——そう処理して、また次の看板に手を伸ばしとった。

先月、マーケティング腰据えて調べ直した。
そこでやっと、脳天に刺さった。

ターゲットを先に決めるんや。

誰に売るかを先に置くんや。

……いや、知っとるわ、そんなもん。

知っとるから、俺のターゲット欄にも「40代再起の非エンジニア」って、ちゃんと書いてあったわ。

せやけどな。

テーマの方は、ずーっと俺のやりたいことから逆算しとったんや。

和風ホラーやりたい。ラーメン検証やりたい。AI非エンジニア生存戦略やりたい。

先に「やりたい」が来て、後から「これは40代非エンジニアにも刺さるはずやろ」って屁理屈を後乗せしとっただけや。

的は、後ろに転がっとった。
矢ァは、空に向かって撃っとった。

そら4ヶ月撃っても、刺さらんわ。


今日の一釘

ええか。一個だけやぞ。

次の記事を書き始める前に、紙を一枚出せ。そこに、助けたい相手を1人だけ書け。

名前は仮名でええ。「佐藤」でも「昨日の俺」でもええ。

1人や。複数書くな。

そしてその下に、そいつが今日詰んどる症状を、一行だけ書け

土曜の夜、下書き5本抱えたまま、どれを出すか決められずに寝る

テーマを3回張り替えたが、まだピンと来てへん

こんなんでええ。

紙を机の左に置け。
それを見ながら、次の一本を書け。

1人、1行、以上や。


最後に

俺はずっと、発信の迷子や思とった。

書くテーマが見つからん、やり方が下手、気合が足りん——そう自分を責めとった。

全部外れや。

俺は発信の迷子やない。設計の順番を間違えとっただけや。

気合で再起するんやない。
根性で再起するんやない。

順番から、もっぺん組み直す。

それだけの話や。

わしが道は作ったった。

あとはお前の紙に、お前の字で、1人の名前を書いてこい。

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