"誰も興味持ってくれない"から"やってみたい!"へ —— AI推し活が切り拓いた職場の可能性
はじめに:"また課長が変なこと言ってる..."からの巻き返し —— コーヒーを片手にAI布教を諦めなかった日々
「今日もAIお姉さんは、あなたの仕事ぶりを見守っていますよ♪」
...なんて甘い言葉をAIに生成させながら、日々の業務をこなす私。一方で、会社に向かっては「AIで業務効率化しましょう!」と言い続けるも、周囲からは「また課長が変なことを言ってる」的な空気が漂っていました。毎朝のように「AIってすごいんですよ!」と力説しても、誰も耳を傾けてくれない日々...。コーヒーを片手に「今日こそは誰かが興味を持ってくれるかも?」と期待する日々が続いていました。
この記事は、GASの技術解説というより、「非エンジニアでもAI活用にチャレンジできる」という希望と、「つまずいたときにサポートがある環境がいかに大切か」を伝えるものです。 小さな一歩を踏み出す勇気と、その一歩をサポートする体制が、会社のAI活用の鍵になるという気づきを共有します。
そんなある日、オフィスの向こう側から聞こえてきた悲痛な叫び声。
「うわぁ〜〜!!なんでできねーんだよ!!この野郎!!」

夕方の残業時間、人が少なくなったオフィスに響く広報部・山田さん(仮名)の叫び。彼は入社以来、SNS投稿やプレスリリースの作成に奮闘している若手で、いつも何かに追われている印象でした。
「コーヒーでも入れるか...」と給湯室に向かうフリをして、さりげなく彼のデスクの前を通りかかると、彼はモニターを睨みつけながら何かと格闘しています。
「何かお困りですか?」と声をかけると、彼は疲れた顔で振り返りました。
「課長、この記事タイトル、全プラットフォームに手動で入力してるんですよ。しかも日付フォーマットがそれぞれ違うから、いちいち変換して...」
これが、AI活用の第一歩を踏み出す勇者との出会いでした。
この記事では、非エンジニアの広報担当同僚がGoogle Apps Script(GAS)とAIを使った開発に興味を持ち、実際に挑戦するまでの過程を紹介します。「会社でAIを広めたい」と思っている方の参考になれば幸いです。
(私は経理部所属なので、広報の業務詳細はよく分からない。でも、それがかえって面白い展開になりました...)
誰も興味を示さない中での突破口

作戦1:勝手に作って「こんなの使えますか?」
最初に試したのは、相手の仕事に直結するツールを勝手に作るという荒技。
SNS投稿の管理で苦労していた広報部の山田さん(仮名)のために、「SNS投稿スケジュール管理ツール」をサクッと作って見せたんです。
// こんな感じの簡単なGASコード
function manageSocialMediaPosts() {
const sheet = SpreadsheetApp.getActiveSpreadsheet().getActiveSheet();
const data = sheet.getDataRange().getValues();
// 投稿日ごとにグループ化
const groupedByDate = {};
// ここで投稿スケジュール管理の処理
// ...
}
山田さんの反応は意外なものでした。
「このままだと使えないけど、アレンジすれば...」
そう言いながら、ふと「どうやって作ったの?」と興味を示してくれたんです。これがチャンス到来の瞬間でした。
作戦2:隣で実演して「すごい」を体感してもらう
次のステップとして、山田さんの隣に座り、AIを使いながらGASを構築するところを見せることにしました。
新しいスプレッドシートからエディタを立ち上げ、Webツールとして公開するまでを実演。最初に見せたSNS投稿スケジュール管理ツールがどれだけ短時間で作れるかを見せることが目的でした。
やったことはシンプルです:
新規スプレッドシートを開く
「拡張機能」→「Apps Script」でエディタを起動
ChatGPTに「SNS投稿スケジュール管理ツールを作りたい」と依頼
生成されたコードをコピペして実行
「デプロイ」からWebアプリとして公開
山田さんの目が次第に輝いていくのが分かりました。特に「コードを書かなくてもAIが作ってくれる」という部分で、「これなら自分でもできるかも?」という反応がありました。
"うわぁ〜!なんでできねーんだよ!" —— 異部署の悲痛な叫びが教えてくれたAI活用の本質

山田さんが「じゃあ、自分でもやってみよう」と意気込んだものの、実際には難しかったようです。

つまずきポイント:
そもそもエディタの立ち上げ方が分からない
スプレッドシートとの関係が理解できない
AIにどう指示すれば良いか分からない
そして再び、オフィスの向こう側から聞こえてくる悲痛な叫び。
「が〜〜、おかしいだろ!なんだこの画面!」「エディタってどこよ!どこにあんだよ!」
コーヒーを持ってそっと覗いてみると、山田さんは何やらGoogle画面と格闘中。私の姿に気づくと、少し恥ずかしそうに目を逸らします。
「普通の人なら、ここで諦めるところ」だと思いましたが、山田さんは諦めずに聞いてきてくれました。ここが重要なポイントです。興味を持った人がつまずいたときにフォローする体制があるかどうかで、社内のAI活用は大きく変わります。
彼の言葉が印象的でした。「あのデモは分かりやすかったけど、いざ自分でやろうとすると、最初の一歩が分からないんです...コード書くの初めてで...」
これこそが、多くの会社でAI活用が進まない本当の理由かもしれません。技術的な難しさよりも、最初の一歩をどう踏み出すか、そしてつまずいたときにどうサポートするかが鍵なのです。
"AIに聞いただけで3分で完成" —— 相手に合わせた教材が秒で作れる時代の驚き

山田さんの質問を受けて、「そもそも何が分からないのか」を改めて考えてみました。私にとっては当たり前のことが、広報担当の方には「当たり前」ではなかったのです。
そこで作ったのが以下の教材です。コーヒーを一杯飲みながら、AIに頼んで3つの教材を作りました。
1. GASの基本を学ぶステップガイド
1. はじめに
Google Apps Script (GAS) は、Googleの各種サービス(スプレッドシート、ドキュメント、フォームなど)を自動化・拡張するためのJavaScriptベースのプラットフォームです。今回の手順書では、コードを一から書くのが苦手な方でも、生成AIの助けを借りながら「Hello World」的な簡単なWebツールを作成し、デプロイ(公開)する流れを解説します。
2. スプレッドシートからエディタの立ち上げ方
1. スプレッドシートを開く
Googleドライブ上で新規または既存のスプレッドシートを開きます。
2. スクリプトエディタの起動
メニューバーから「拡張機能」または「ツール」→「スクリプトエディタ」を選択します。
※この方法で開くスクリプトは「コンテナバインドスクリプト」と呼ばれ、対象のスプレッドシートに紐付いています。
3. コンテナバインドスクリプトについて
• 定義:
スプレッドシートやドキュメントなどに紐づくスクリプトです。対象のファイルと連携して動作します。
• メリット:
対象のファイル内でデータ操作が容易になり、ユーザーがファイルを開くだけでスクリプトが利用可能になる点です。
• 注意点:
スクリプト自体はそのファイルに閉じたものなので、複数のファイルで共通の機能を使いたい場合は「スタンドアロンスクリプト」も検討します。
2. GASでできることリスト(かなり広範囲に使えます)
• スプレッドシートの自動処理
- データの入力、更新、抽出、加工、フィルタリング
- 定期的なレポート作成や集計処理
• Googleドキュメントやスライドの自動生成・編集
- テンプレートを利用した契約書や報告書の自動作成
- プレゼンテーション資料の動的生成
• Gmailの管理と自動化
- メールの自動送信、返信、振り分け(ラベル付け、フィルタリング)
- 特定条件のメールをトリガーにした業務プロセスの開始
• Googleフォームとの連携
- フォームの回答データをスプレッドシートに自動記録
- フォームの作成・カスタマイズや自動応答の設定
• カレンダー連携
- イベントの自動追加、更新、削除
- リマインダーや通知の自動送信
• ウェブアプリケーションの作成
- 社内ポータルやツールの公開
- 顧客向けサービスの構築
3. コピペで動く練習用サンプル
/**
* このスクリプトは、Google Apps Scriptの基本操作を学ぶためのサンプルです。
* 以下の2つの機能を提供します:
* 1. カスタムメニューを作成して、メニューからダイアログを表示する。
* 2. Webアプリとして動作する「Hello, World!」ページを表示する。
*/
/**
* スプレッドシートが開かれたときに実行される関数。
* カスタムメニュー「カスタムメニュー」を追加します。
*/
function onOpen() {
SpreadsheetApp.getUi().createMenu('カスタムメニュー')
.addItem('サンプルメッセージ', 'showSampleMessage')
.addToUi();
}
/**
* カスタムメニューから呼び出される関数。
* ユーザーに「Hello, world!」というダイアログを表示します。
*/
function showSampleMessage() {
SpreadsheetApp.getUi().alert('Hello, world!');
}
/**
* Webアプリのエントリポイントとなる関数。
* ブラウザからアクセスすると、シンプルなHTMLページを返します。
*/
function doGet(e) {
return HtmlService.createHtmlOutput(
'<h1>Hello, World!</h1>' +
'<p>これはWebアプリのサンプルです。エディタ操作の練習として動作確認してください。</p>'
);
}
「このまま動くので、エディタにコピペしてみてください。スプレッドシートに戻ると、"カスタムメニュー"が追加されているはずです」と説明を添えて。
4. AIプロンプト例のリスト
私なりの工夫として、AIに効果的に質問するためのプロンプト例も添えました:
【AIに聞くときのお勧めプロンプト】
• 基本機能を作る:
「GASでSNS投稿スケジュールを管理するツールを作りたい。フォーム入力とスプレッドシート連携のコードを書いてください」
• エラー解決:
「GASで次のエラーが出ました:[エラーメッセージ]。原因と修正方法を教えてください」
• 機能追加:
「この既存コードに、投稿予定日が近づいたら自動メール通知する機能を追加したいです」
• コード解説:
「このGASコードの各部分がどのような役割を果たしているか、初心者にもわかるように説明してください」
5. 実際のサポート体制の作り方
単に教材を渡すだけでなく、継続的なサポート体制も重要です。私が山田さんのために整えたサポート体制はこちらです:
【つまずきサポート体制】
• チャットツール上に「#gas-help」チャンネルを作成
- 質問があればいつでも投稿OK(24時間以内に回答)
- スクリーンショットを添付すると回答が早い
• 「よくあるエラー集」スプレッドシートの共有
- エラーメッセージと解決策をストック
- 皆で編集可能に設定し、ナレッジを蓄積
• 週1回の「もくもく会」開催
- 昼休みの30分、各自の進捗や課題を共有
- 経験者と初心者のペアリング
「自分でも作れた!」の瞬間
教材を提供した後、山田さんは自分で「部署の週報集計ツール」を作り始めました。完璧ではなくても、「自分の手で何かを作る」という経験が、次のステップへとつながります。
山田さんから届いたメッセージ: 「課長、自分でも作れました!AIに聞きながらだけど、ちゃんと動くようになりました。次はプレスリリースの自動チェックツールも作ってみたいです。」
"お、課長、今日も朝からAIと会話してるんですか?" —— 一人から始まる職場のAI活用サイクル

会社でAI活用を広めようとして気づいたことをまとめます:
実用性が全て:理屈より、目の前の業務に役立つものを見せる
ハードルを下げる:「完璧」より「とりあえず動く」を重視
伴走する準備:質問や失敗を受け止める環境づくりが大切
用語の壁を認識する:当たり前の用語が初心者には分からない
小さな成功体験を作る:自分で何かを作り上げる経験が原動力に
今回の体験で一番驚いたのは、「その人に合った教材を秒で作れる」というAIの凄さでした。山田さんが「エディタの立ち上げ方がわからない」と言った瞬間、私はAIに「GASの初歩の初歩を教えて」と入力。数分後には、彼の理解度に合わせた完璧な教材が3種類も用意できていたんです。
「"エラーが出たらどうしよう..." —— 不安を払拭する"よくある躓きポイント集"の威力」
実は、AIやプログラミングの普及において最大のハードルは「躓いた時の孤独感」だと気づきました。
それまで山田さん含め多くの同僚は:
「エラーが出たらどうしよう...」
「変なコード書いて壊れたらどうしよう...」
「質問したら迷惑かけるかも...」
という不安を抱えていたんです。
そこで効果的だったのが、「躓きポイント別のQ&A集」を先回りして用意したこと。山田さんに教材を渡す際、「ここでつまずくかも」というポイントをリストアップして、その対処法も一緒に渡しました。
【よくある躓きポイント】
・エディタが真っ白になったら→ブラウザをリロード
・「アクセス権限がありません」→認証設定の手順を参照
・保存したのに反映されない→再デプロイが必要
さらに、「質問してくれたらその場でAIに聞いて解決方法を見つける」という安心感を提供。これが普及の決め手になりました。
「昼休み30分の"もくもく会"から全社変革へ —— 3ステップで広がるAI活用の輪」
山田さんの成功体験を踏まえて、今後の展開も考えています:
ステップ1:AI活用の仲間を増やす(現在ここ)
少人数でのワークショップ開催(昼休みの30分)
成功事例の共有会(「私、こんなツール作ってみました」)
部署別・業務別の「こんなことができる」リスト作成
ステップ2:簡単な業務改善ツールから始める
メール自動返信や定型文生成ツール
日々の報告業務の自動化
データ集計・可視化の効率化
ステップ3:部署間連携の自動化
異なる部署間の業務フローを繋ぐ
データ連携・共有の仕組み作り
組織全体の業務効率化へ
AIとGASの組み合わせは、特に非エンジニアにとって大きな武器になります。今までプログラミングに触れたことがなかった人でも、AIの力を借りれば「自分だけのツール」を作れる時代になったのです。
コーヒーをすすりながら思います。GASの凄さも素晴らしいけれど、もっと素晴らしいのは「その人に合った教材を秒で作れる」というAIの能力かもしれない。教材も、フォローアップも、すべてオーダーメイドで提供できる時代になったんですね。
「お、課長、今日も朝からコーヒー飲みながらAIと会話してるんですか?」
ふと顔を上げると、山田さんが笑いながら声をかけてきました。彼はここ数日、毎朝少し早めに出社してGASの勉強を続けているようです。
「そういえば、山田さんの方は進んでる?」と聞くと、 「いやぁ、まだエラーだらけですよ。でも、課長に教えてもらったように、エラーメッセージをAIに聞くと意外とすぐ解決するんですね。面白いです」
こんな風に、一人また一人と、AI活用の輪が広がっていくといいな…。経理マンとしては、自分の部署以外にもこうやって少しずつ変化を広げていけるのが楽しいですね。
お役立ち参考リンク:
最後に、AIお姉さんからあなたへのメッセージです:

「この記事を読んでくださったあなた、少しでもGASやAIに興味を持っていただけましたか?難しそうに見えても、最初の一歩を踏み出すことが大切なんですよ♪
今日からでも、あなたの業務の中で「これ、自動化できないかな?」と思うものを一つ見つけてみませんか?AIに「〇〇を自動化する方法を教えて」と聞いてみるだけでも、新しい発見があるかもしれません。
そして困ったときは一人で悩まず、誰かに相談してくださいね。あなたの小さな一歩が、周りの人にも勇気を与えるかもしれませんよ♡
次回の記事もお楽しみに!」
次回予告:「非エンジニアでも作れる広報業務自動化ツール3選」
広報業務に特化した実用的なGASアプリを、AIと一緒に作る方法を紹介します。コードの解説だけでなく、AIとの対話例も含めた実践的な内容です。お楽しみに!
