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永世名人の青春:2000年代ハンゲームとインターネット黎明期の思い出

あの夜更かしの熱狂を覚えているか?

それは 1999年~2003年
ADSLが「爆速回線」と呼ばれ、
ネットは「個室から繋がる秘密の世界」だった頃。

私は深夜から朝方までハンゲームに張り付き、
ビリヤード(9ボール・8ボール)に没頭していた。

ビリヤードでの最終称号は「永世名人」
その上に「王様」、そして 「神様」 という称号があった。

あの頃、何に魅せられていたのだろう?
そして今、なぜこうしてnoteで記事を書いているのだろう?

1. 2000年代初頭のインターネット黎明期

① テレホーダイとADSLの時代

「23時、テレホタイム突入!」

この言葉を知っているだろうか。

当時のインターネットはダイヤルアップ接続が主流で、
「テレホーダイ」(夜11時~朝8時は定額)が最強プランだった。

ピポパポ…ギュイーン…ガラガラ…ピー

このダイヤルアップ接続の音を覚えているだろうか?
電話回線を使うため、ネットに繋いでいる間は電話が使えなかった。

しかし、時代はADSLへ。
「速えええ!!」と感動しながら、
みんながこぞってオンラインゲームを始めた。

ハンゲームは、そんな時代の最前線にあった。

② ネットスラングと顔文字文化

「2ちゃんねる」から生まれたネットスラングが、ゲーム内チャットでも飛び交っていた。

  • 「kwsk」(詳しく)

  • 「ktkr」(キタコレ)

  • 「gkbr」(ガクブル)

  • 「orz」(崩れ落ちる人)

そして何より印象的だったのが顔文字文化
特にハンゲームビリヤードでは:

☆⌒d(*^ー゚)b ナイブゥ~♪ (ナイスブレイク略)
*<(*^-')ノないぶぅ☆;:*:;☆*
:*.;".*・;・^;・:\(*^▽^*)/ないぶぅ~

こういった表現が飛び交っていた。
今の「草」文化や絵文字と比べると、手作り感があっていい。

チャットを早く打つために、
「おつ」と入力すると (_´Д`)ノ~~オツカレー と変換されるよう、
IMEなどに辞書登録をしていた人も多かった。

③ リンクフリーと相互リンクの時代

今回記事を書くために調べていたら、当時のサイトがまだ健在だった。

これらのサイトを見ていると、
「リンクフリー」「相互リンク募集中」という文言が目に飛び込んでくる。

今でいうSNSのフォロー・フォロワーの関係が、当時は「相互リンク」だった。お気に入りのサイト同士でリンクを貼り合い、閲覧者を紹介し合う文化があった。

「素敵なサイトには足跡を残そう」というマナーもあり、
掲示板に「すごく参考になりました!」と書き込むのが礼儀だった。
いまでいう「いいね」の先駆け的存在だ。

2. ハンゲームビリヤードの熱狂

① 称号制度と上下関係

ハンゲームのビリヤードには「称号」があった。

ぴよぴよ→へたっぴ→素人→一般人→上級者→達人→名人→永久名人→王様→神様

称号の上がり方

永世名人のアカウントでやってるときに、
初期アバターの”ぴよぴよ”が部屋に入って来たら、
無言退出してたな。(ゴメン!)

↓ ちょっと欲しいと思ってしまった、初期アバターのアクスタ

私のアカウントは 「moscow☆mule」

今見たら恥ずかしい..."☆"マークが黒歴史だ。
モスコミュールのカクテルから取った名前だったが、
サブ垢は確か「moscow★mule」だった。

お酒を飲める歳になったばかりだったから、
カクテルの名前がカッコいいと思ったのかな。当時の私…。

当時は「☆」や「★」、十字架「☨」などの特殊記号を使ったハンドルネームが流行っていて、みんなこぞって使っていた。
今考えるとちょっと痛い青春の思い出。

夜な夜な対戦を重ね、ついに 「永世名人」 の称号を手に入れた時は本当に嬉しかった。 「王様」「神様」まではさすがに届かなかったけれど。

久しぶりに懐かしくなって昔のアカウントでログインしようとしたところ... なんとハンゲームは「ハンゲ」に名前が変わっていて、古いアカウント情報ではログインできなかった。 あの頃の記録や対戦履歴は、もう見ることができないんだろう。

話を戻すと、私も「達人」と「名人」の間で地獄の往復を繰り返していた。
当時は「名人になれたら一人前!」と本気で思っていた。

そして、称号は上下関係を作り出した。
「一般人」は「名人」の前で遠慮し、「名人」の言うことは絶対だった。
でも、「名人」たちは優しく、初心者に技を教えてくれることも多かった。

② ハンゲーム独自の「暗黙ルール」の世界

「ラス9」「フリ9」「コンビ9」「早9」...

当時のハンゲームビリヤードには、正式なルールとは別に「暗黙のルール」がありました。

Yahoo!知恵袋の2005年3月の質問には、こんな投稿が:

つい、今しがた、ハンゲームのビリヤードをやってきました。
そこで、やっていると、聞き慣れない言葉がありました。
ラス9?<最後に9を入れなきゃダメ?らしい・・・・・途中で、コンビネーションショットなどで入れたらいけないらしい・・・もしも、フロックで入ろうものならかなりキツイお言葉が飛び交う・・・・>
フリ9?<フリーボールでコンビネーションショットを使い9を入れたらダメ?らしい・・・・>
・・・・・こんな、ルールというか、マナーありましったっけ?

読みにくいけど、これも歴史…

これに対する回答が秀逸です:

ハンゲームのビリヤード暦1年半のものです。
ハンゲームのビリヤードは、部屋名にルールを書くことが多いです。
(ラス9や、3先など・・・)
それを守らないと、相手から反感を食らいます。
(やさしい人なら許してくれますが・・・)

そんなルール一切無視で、普通の9ボールをしたいときは「自由だよ♪」の部屋に入ってください。

そうそう!部屋名でルール表記してた!

公式ルールとは別に「マイルール」が発達していたんです。部屋名に「ラス9」と書かれていれば、9番球は必ず最後に正攻法で落とさないと反感を買う。「コンビなし」なら、コンビネーションショットは禁止...。

まさに「ネット上の小さなコミュニティ」が形成され、独自の文化が育まれていたんですね。今で言うDiscordサーバーごとのローカルルールのようなものでしょうか。

そして、部屋名には他にも:

  • 「初心者お断り」(上級者専用)

  • 「会話なし」(チャット禁止の真剣勝負)

  • 「雑談OK」(試合よりおしゃべり重視)

  • 「3先」(3勝先取で交代)

などの表記があり、プレイヤーはこれを見て入室するかどうかを判断していました。

掲示板にはたまに「ルール守らない人増えた!」「運営は何もしてくれない!」などの投稿も。これもまた、コミュニティあるあるですね。

③ ガチ勢とエンジョイ勢の分裂

ハンゲームのビリヤードでは、「ガチ勢」と「エンジョイ勢」は完全に分かれていた。

  • ガチ勢 → 9ボールで キッチリ 立てキューを決め、最短で9番を沈める

  • エンジョイ勢 → 8ボールでゆっくりプレイ、むしろ雑談メイン

私は 「ガチ用アカウント」と「エンジョイ用アカウント」を分けていた
リアルで知り合いと楽しく遊ぶ時と、真剣に勝負する時では別人格になるような感覚だった。

中でも「名人」や「永世名人」の上級者同士の対決は圧巻だった。
チャットは一切無し、完璧な攻めと繊細なコントロール。
時にはマスワリを決める名人もいて、その技術に憧れていた。
(私もたまにはできたよ!)

例えば9ボールの場合、ブレイクショットから連続で1度もシュートミスをせず9番までの全ての的球を取りきることを、マスワリといいます。10ボールやローテーションなどのゲームでも、ミスをしないで全て取り切ればマスワリです(コンビネーションショットなどで9番を入れるなど、途中の的球が残った場合はマスワリと呼ばれない)。

ビリヤードものしり図鑑

④ チャットでのリアルタイムコミュニケーション

ハンゲームは、ただのゲームではなかった。

  • フレンドと毎晩「おつかれ~」とログイン

  • ”教えてあげる”って部屋作って初心者に教えたり

  • 対戦中はチャットで雑談

試合中もチャットが当たり前だった。仲のいい人との試合では、
「外せ!」 みたいな煽りのメッセージを送るのも定番だった。
逆に、試合をしないで鍵をかけた部屋で雑談だけすることもあった。

ちなみに、当時私は大学生だったが、
ハンゲームでは 専業主婦と毎晩ビリヤードをしていた。

現実では接点のない人と「ネットだからこそ繋がる感覚」も、ハンゲームならではだった。

3. ネット社会の変容と私の趣味の変遷

① 当時と今のネット文化の違い

当時と今では、ネット文化が大きく変わった。

当時は「ネット上の人格」と「リアルの人格」を完全に切り離していた人も多かった。今では両者の境界が曖昧になり、むしろ一貫性が求められる。

② ハンゲームからnoteへ:私の「熱中の系譜」

私の「沼の法則」を見つけてしまった。

  • ハンゲーム時代:称号上げとビリヤード上達に熱中

  • スプラトゥーン時代:6300時間、ウデマエXP2600まで到達

  • note時代:毎日記事を書き、PV・スキを追いかける

すべて 「昨日より上の自分になりたい」 という欲求に基づいている。

ただ、大きな違いもある。

つまり、今の私の趣味は「積み上げ型」になった。

③ 40代から見る2000年代への懐古

40半ばとなった今、2000年代初頭を振り返ると、
あの頃は「新しい世界の幕開け」だったように思う。

インターネットという未知の領域で、みんなが手探りで文化を作っていた。ルールがなく、だからこそ自由で、そしてマナーや「ネチケット」が重視された時代。

今のSNSのような洗練されたUIもなく、HTMLタグを手打ちしたホームページや、簡素なチャットインターフェースが最先端だった。

でも、そこには確かな温かさがあった。

「初めまして」「よろしく」「ありがとう」が当たり前に交わされ、知らない人同士が趣味を通じてつながる喜びを、純粋に感じられた時代だった。

おわりに

当時ハンゲームに夢中になっていた人たちは、今何をしているだろう?

あの「永世名人」の称号を持っていた猛者たちは、今もどこかでビリヤードを続けているのだろうか。それとも私のように、別の趣味に情熱を注いでいるのだろうか。

あの頃、夜更かしして「あと1ゲームだけ」と言いながらハンゲームにハマっていた人たちに、この記事が届いたら嬉しい。

そして、あなたは今、何にハマっていますか?

「積み上げ型」ですか?
「消費型」ですか?


記念に残しておきたい...懐かしの初期アバター

「アバター」「アイテム」「称号」...。

今のSNSやゲームでも当たり前の要素が、すでにあの頃から存在していたんですよね。形を変えて、私たちの熱中する対象も変わっていく。
でも本質は変わらないのかもしれません。

ぜひ、あなたの「ハンゲーム時代の思い出」もコメントで教えてほしい。
(そして…このnoteにスキを押してくれると、私の「数字を追いかける病」が喜びます)


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