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第97回 科研費「若手研究」の研究計画調書を徹底解説

科研費の若手研究は、若手研究者が独立して研究を推進するための代表的な研究種目です。
研究種目の趣旨に沿って、若手研究者が研究費を得る機会を広く与えるよう、採択率は40.2%(令和7年度)となっており、科研費の種目の中では比較的高い水準です。

研究計画調書の構成は基盤研究Cとよく似ていますが、ほんの少し異なる点があります。

本稿では、令和8年度公募の研究計画調書様式に基づき、その特徴を整理してみます。



研究目的・研究方法など(4頁)

早速ですが、研究計画調書をみてみますと、「研究目的、研究方法など」の欄があり、若手研究の中心となる部分です。

以下の内容について説明します。

・学術的背景
・着想に至った経緯
・研究課題の核心をなす学術的問い
・研究目的
・独自性・創造性
・国内外の研究動向と本研究の位置づけ
・研究計画
・準備状況

限られた4頁の中で、背景から問い、目的、方法・・・へと論理的につながる構成が求められます。

本欄において1点、基盤Cと異なる点があります。
それは
「本研究がどのような国際性(将来的に世界の研究をけん引する、協同を通じて世界の研究の発展に貢献する、我が国独自の研究としての高い価値を創出する等)を有するか」
について記載するよう指示がないことです。

また、若手研究では審査において国際性は独立した評定要素として設けられていません。

もっとも、国際的な研究展開や海外研究者との連携実績等があれば、研究の発展性や独自性を示す要素として記載することは有効でしょう。


応募者の研究遂行能力及び研究環境(2頁)

ここでは、

・これまでの研究活動
・主要な研究業績
・研究環境
・利用可能な設備や研究資料

などについて説明します。

これまでの記事の中でも説明しましたが、この欄は単なる業績一覧ではなく、

「なぜ自分がこの研究を遂行できるのか」

を示すことが重要です。

研究計画との関連性を意識して記載する必要があります。


人権の保護及び法令等の遵守への対応(1頁)

研究倫理や法令遵守に関する説明を行います。

対象となるのは、

・アンケート調査
・インタビュー調査
・個人情報を扱う研究
・ヒト試料を用いる研究
・動物実験
・遺伝子組換え実験

などです。

こちらについても、これまでの記事もご参考いただければと思いますが、この欄では、必要な倫理審査や安全対策について具体的に記載します。

該当しない場合には、その旨を記載します。


若手研究の特徴

若手研究の研究計画調書は、基盤研究Cとほぼ同じ構成です。

しかし、公募要領によると「若手研究」の目的・意義は要約すると

・若手研究者に研究費獲得の機会を与えること

・研究上の試行錯誤や新しい挑戦を支援すること

・将来大きく発展する研究の芽を育てること

とされています。

したがって、若手研究では学術的重要性や実現可能性だけでなく、研究の斬新さや将来の発展可能性も重要になると考えられます。


おわりに

若手研究は、若手研究者が独立した研究者として成長するための重要な研究資金です。採択率も高いため、アカデミアを目指す若手研究者は特に、確実に獲得したい研究費です。

基盤Cと似た様式ではありますが、研究計画調書では、

・研究課題の学術的重要性
・独自性・創造性
・実現可能性
・研究遂行能力

を限られたページ数の中で的確に示す必要があります。

また、若手研究の制度趣旨を踏まえて、単に研究内容を説明するだけではなく、
「なぜ自分がその研究を行うのか」
「その研究が将来どのように発展していくのか」

を適切に示すことが採択率向上につながるでしょう。

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