第36回 研究計画調書における「国際性」の書き方― 審査で適切に評価されるための考え方 ―
科研費の研究計画調書では、「本研究がどのような国際性を有するか」について、具体的かつ明確に記載することが求められています。この「国際性」は、単に海外との関係性を示すものではなく、研究の学術的価値を国際的な研究の動向の中でどのように位置づけるかを示す重要な観点です。
1.「国際性」の基本的な考え方
審査における「国際性」は、主に以下の観点から評価されます。
将来的に世界の研究をけん引する可能性を有するか
国際的な協働を通じて研究の発展に貢献するか
我が国独自の研究として高い学術的価値を創出しているか
重要なのは、これらを単に列挙するのではなく、自身の研究が国際的な研究の流れの中でどのような意味を持つのかを明確に示すことです。
2.記載の進め方
「国際性」は、次のような流れで整理して記載すると、論旨が明確になります。
(1)国際的な研究動向の把握
当該分野において、どのような研究が国際的に進展しているのかを簡潔に示します。
(2)未解決課題の明確化
国際的な研究の中で、なお残されている課題や限界を整理します。
(3)本研究の位置づけ
その課題に対して、本研究がどのような新規性・独自性を有するのかを示します。
(4)国際的な波及効果
本研究の成果が、国際的な研究にどのような影響を与えるのかを示します。
3.記載において意識すべき点
・「海外」と「国際性」を区別する
国際学会での発表や英語論文の発信だけではなく、研究の意義そのものが国際的にどのような価値を持つかを示す必要があります。
・世界の中での位置づけを示す
国内の状況だけで説明するのではなく、国際的な研究動向の中でどの位置にあるのかを明確にすることが重要です。
・影響の具体性を意識する
抽象的な表現に終始せず、どのように学術へ寄与するのかを意識して記載することが求められます。
4.まとめ
研究計画調書における「国際性」は、研究の価値を多角的に示す重要な観点です。
国際的な研究動向を踏まえること
本研究の独自性を明確にすること
国際的な波及効果を示すこと
これらを意識して記載することにより、研究の意義がより明確になり、審査においても適切に評価される可能性が高まります。
本項目は、研究内容を国際的な視点から再整理する機会でもあります。丁寧に言語化して記載することが、申請書全体の説得力の向上につながると考えられます。
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