第41回 研究計画調書における「本研究の目的および学術的独自性・創造性」の書き方について
科研費の研究計画調書において、「本研究の目的および学術的独自性・創造性」は、研究の核心を簡潔に示す重要な項目です。
本欄では、研究のねらいと新規性を適切に伝えることが求められます。
本稿では、当該項目の記述にあたり、特に重要と考えられる「目的」「独自性」「創造性」の整理の仕方について述べます。
1. 記述上よく見られる点
申請書においては、以下のような傾向が見受けられることがあります。
研究背景の説明が中心となり、目的がやや不明確となっている
「重要である」「期待される」といった抽象的な表現にとどまっている
独自性が十分に具体化されていない
既存研究との関係がやや分かりにくい
このような場合、研究の焦点や新規性が十分に伝わりにくくなる可能性があります。
2. 基本的な構成
本項目は、以下のような流れで記述することで、内容が整理されやすくなります。
① 未解決課題の提示
既存研究の到達点を簡潔に整理しつつ、なお残されている課題を示します。
② 本研究の目的
本研究において明らかにしようとする内容を、簡潔かつ具体的に述べます。
③ 学術的独自性
従来研究と比較した際の違いを、視点や方法の観点から明示します。
④ 創造性
本研究によって期待される新たな理解や展開について述べます。
3. 研究目的の書き方
研究目的については、可能な限り簡潔に、かつ到達点が明確となるよう記述することが望まれます。
例えば、
本研究は、○○の機構を分子レベルで明らかにする
本研究は、○○モデルを構築し、その妥当性を検証する
といったように、研究の成果が具体的に想定できる表現が適切と考えられます。
一方で、
○○の解明を目指す
○○への貢献を目的とする
といった表現は、やや抽象的となる可能性があります。
4. 学術的独自性の示し方
独自性については、既存研究との関係の中で示すことが重要となります。
例えば、
従来は〇〇の観点から検討されてきたが、△△については十分に扱われていない
本研究では、■■という新たな視点/手法を導入する
といった形で記述することにより、どの点に新規性があるのかが明確になります。
単に「新しい」「独自性がある」と述べるのみでは、その内容が十分に伝わらないことが多いです。
5. 創造性の示し方
創造性については、本研究によってどのような新たな理解や展開が期待されるかを示すことが重要です。
例えば、
本研究により、従来は記述的に理解されていた〇〇について、より原理的な理解が可能となることが期待される
〇〇と△△を結びつける新たな視点が提示される可能性がある
といったように、研究による進展の方向性を具体的に示すことが望まれます。
6. 記載にあたっての留意点
本項目の記載においては、以下の点が参考になると考えられます。
研究目的は簡潔に示す(可能であれば一文で明確にする)
独自性は既存研究との比較の中で示す
抽象的表現を避け、具体的に記述する
創造性は「どのような進展が見込まれるか」という観点で示す
7. おわりに
「本研究の目的および学術的独自性・創造性」は、研究の方向性と新規性を示す上で重要な項目です。
本項目において内容が簡潔かつ明確に整理されていることは、審査者の理解を助けることにつながります。
本稿が、研究計画調書の作成にあたっての一助となれば幸いです。
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