第22回 基盤研究(S)とは?制度の概要と申請時に意識したいポイント
基盤研究は科研費の中核を担う種目ですが、その中でも基盤研究(S)は、最も規模の大きい区分として位置づけられています。
特別推進研究のような突出した構想というよりは、これまでの研究の蓄積を踏まえつつ、それを大きく発展させていく段階の研究を支える制度といえます。
制度の概要
基盤研究(S)は、一人または比較的少人数の研究者による研究を対象としており、研究期間は原則5年間とされています。研究費は5,000万円以上2億円以下の範囲で設定されており、個別研究としては最大級の規模となっています。
このため、本制度は、一定の研究基盤を有する研究者が、中長期的な視点で研究を発展させていくことを目的としているといえます。
審査方法
基盤研究(S)の審査は、書面審査を基軸として行われ、必要に応じて合議による審査が実施される仕組みとなっております。
特別推進研究のようなヒアリング審査は原則として設けられておらず、提出された申請書の内容に基づいて総合的に評価が行われる点に特徴があります。
審査においては、主に以下のような観点が意識されていると考えられます。
学術的意義・独創性
研究課題が持つ新規性や、当該分野における位置づけが適切に示されているか研究計画の妥当性・具体性
研究の進め方や方法が明確であり、実現可能な計画となっているかこれまでの研究の蓄積
申請者の研究実績が、本研究計画と適切につながっているか研究規模との整合性
申請されている研究費や体制が、計画内容と見合っているか
このように、基盤研究(S)では、
→ 申請書における論理の一貫性や完成度が、そのまま評価に直結しやすい
と考えられます。
そのため、個々の要素の優劣だけでなく、研究の背景から目的、方法、期待される成果に至るまでが、無理のない形でつながっているかどうかが重要になると思われます。
また、ヒアリングが行われないことから、補足説明の機会は基本的に想定されておりません。したがって、読み手に誤解なく伝わる構成や記述の明確さにも十分に配慮する必要があると考えられます。
応募を検討するにあたって意識すべき点
上記の審査観点を参照すると、基盤研究(S)への応募する際には、必然的に下記を意識する必要があります。
独創性と発展性の両立
新規性に加えて、これまでの研究との連続性が適切に示されているか研究計画の具体性
5年間の中での進行や成果が現実的に見通せるか研究の連続性・蓄積
過去の成果が今回の計画にどのようにつながっているか規模との整合性
研究費に見合った計画となっているか
これらを踏まえると、
→ 「着実に発展していく研究としての説得力」が重視される傾向にあると考えられます。
留意点
基盤研究(S)においては、新規性を示すことは重要ですが、それに加えて、これまでの研究との連続性や実現可能性が適切に示されていることが、研究計画調書全体の説得力につながると考えられます。
また、長期間の研究計画全般に言えることではありますが、内容が抽象的になりやすい点にも留意が必要です。研究の流れや到達目標を具体的に示すことが、評価において重要になると思われます。
まとめ
基盤研究(S)は、これまでの研究の蓄積を踏まえ、その発展を図る大型研究を支える制度です。
申請にあたっては、
独創性
研究の連続性
計画の具体性・実現可能性
といった要素を、個別に示すだけでなく、一貫した流れとして整理することが重要になると考えられます。
また、審査が書面中心で行われることから、研究内容に加えて、読み手に無理なく伝わる構成となっているかという点にも配慮が必要です。
これらを踏まえ、構想の新しさとこれまでの蓄積とを適切に結びつけて示すことが、申請全体の説得力につながるものと思われます。
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