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第128回 フォント・文字サイズ・余白・改行は評価に影響するのか―申請書の「読みやすさ」を考える―

科研費の申請書を作成していると、

  • フォントは何を使えばよいのか

  • 文字を小さくして情報量を増やすべきか

  • 余白はできるだけ減らした方がよいのか

  • 改行を増やすと内容が薄く見えないか

  • 太字や下線は使うべきか

といった疑問を持つことがあります。

研究内容が最も重要であることは間違いありません。

しかし、申請書は研究計画を審査員にわかりやすく伝えるための文書でもあります。

今回は、フォント・文字サイズ・余白・改行など、申請書の見せ方について整理したいと思います。


研究内容が最も重要である

まず前提として確認しておきたいのは、科研費の審査は研究内容を評価するために行われるということです。

審査員が評価するのは、

  • 研究目的

  • 学術的背景

  • 独創性

  • 研究計画

  • 実現可能性

などです。

そのため、

「このフォントを使ったから採択された」

「余白を減らしたから高評価になった」

ということは基本的にありません。

当然ですが、フォントや余白そのものが評価項目になっているわけではないからです。

しかし、だからといって見せ方が重要でないという意味ではありません。

審査員は限られた時間の中で多くの申請書を読みます。

読みやすい申請書の方が研究計画を正確に理解してもらいやすくなります。

フォントや余白そのものが評価されるわけではありませんが、それらが生み出す「読みやすさ」は結果として評価に影響すると考えてよいと思います。

フォントの種類はそれほど重要ではない

フォントの種類そのものが評価に大きく影響するとは考えにくいでしょう。

重要なのは、

申請書全体で統一されていること

です。

途中で複数のフォントが混在していると、かえって読みにくくなります。

特別なフォントを探すよりも、読みやすい一般的なフォントを一貫して使用することの方が重要です。

文字サイズはルールを守ることが大前提

一方で、文字サイズはフォントよりも重要です。

科研費の研究計画調書では、文字サイズについて指定があります。

限られたスペースに情報を詰め込みたくなる気持ちは理解できますが、指定より小さい文字を使うことは避けるべきです。

また、基準を満たしていても、

  • 図表内の文字が極端に小さい

  • 注釈が小さくて読みにくい

  • 行間が過度に狭い

といった状態では、内容を十分に伝えることができません。

無理に情報を詰め込み過ぎないことが大切です。

余白には意味がある

申請書を書いていると、

「余白があるともったいない」

と感じることがあります。

しかし、余白は単なる空白ではありません。

余白があることで、

  • 話題の切り替わりが分かる

  • 図表が見やすくなる

  • 全体の構成を把握しやすくなる

といった効果があります。

情報量だけを増やしても、読みにくくなれば理解される内容はかえって減ってしまうかもしれません。

余白は読みやすさを支える重要な要素です。

改行は内容を伝えるための工夫

改行についても同じことが言えます。

文章が長く続くと、どこが重要なのか分かりにくくなります。

適切な改行や段落分けによって、

  • 研究背景

  • 研究目的

  • 研究方法

  • 期待される成果

といった構造・流れが把握しやすくなります。

改行は内容を正確に理解してもらうための工夫と言えるでしょう。

太字や下線は効果的に使う

太字や下線は、重要なポイントを伝えるために有効です。

例えば、

  • 研究の独創性

  • 研究の特徴

  • 中核となる仮説

  • 期待される成果

などを適切に強調することで、審査員が重要な部分を見つけやすくなります。

ただし、多用は逆効果です。

文章の多くが太字や下線になってしまうと、何が重要なのか分からなくなります。

強調は、

「ここだけは確実に伝えたい」

という箇所に絞って使う方が効果的でしょう。

文字の色は慎重に考える

近年はカラーを使用した申請書も見られるようになりました。

しかし、本文の文字を色分けすることについては慎重に考えた方がよいでしょう。

もし、

  • 赤文字でなければ重要性が伝わらない

  • 色分けしなければ区別できない

という状態であれば、文章構成や表現方法に別の課題があるのかもしれません。

重要な箇所を示したいのであれば、

  • 見出し

  • 太字

  • 下線

  • 箇条書き

などの方法でも十分に対応できます。

少なくとも本文については、白黒で読まれることを前提に作成しておく方が安全でしょう。

読みやすさは審査委員への配慮である

審査員は限られた時間の中で、多くの申請書を読みます。

そのため、

「どれだけ多く書いたか」

だけではなく、

「どれだけ理解しやすいか」

も重要になります。

研究者自身は長期間考え続けてきたテーマですが、審査員は初めてその研究計画に触れます。

だからこそ、

  • 適切な文字サイズ

  • 読みやすい余白

  • 分かりやすい改行

  • 効果的な強調

といった工夫には意味があります。

読みやすさは、優れた研究内容を正確に伝えるためには欠かせません。

おわりに

  • 指定された文字サイズを守ること

  • 適切な余白を確保すること

  • 分かりやすい改行を行うこと

  • 太字や下線を効果的に使うこと

  • 色に頼らなくても伝わる構成を意識すること

は、研究内容を正確に伝える上で重要です。

研究内容を磨くことはもちろん大切ですが、

「審査員にとって読みやすい申請書になっているか」

という視点から見直してみることにも意味があるのではないでしょうか。

外部資金ジャパン

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