見出し画像

第75回「この研究課題名で出して大丈夫か?」と感じたときに見直したい3つの視点― 不採択になりやすい科研費申請の傾向 ―

科研費の申請書を書いていると、

「この研究課題名で出して大丈夫だろうか」
と手が止まる瞬間があるのではないでしょうか。

研究課題名は単なるタイトルのようにも見えますが、実際には、

  • どのような問いを立てているのか

  • どの範囲を対象としているのか

  • どこに独自性や新しさを置いているのか

といった、申請全体の考え方がコンパクトに表れる部分でもあります。

もちろん、最終的な評価は申請書全体で決まるものですが、
課題名に違和感があるときには、研究の立て方そのものを少し立ち止まって見直してみる余地があるかもしれません。

本稿では、そのような場面で参考になりそうな視点を、いくつか整理してみます。



視点①:応募する種目に合った立て方になっているか

よく知られていることですが、科研費では応募する種目によって、
研究の位置づけや期待される内容がある程度異なります。

たとえば、

■ 基盤Cの場合

  • これまでの研究の流れとのつながり

  • 研究業績との整合性

といった点が比較的重視されることが多く、
課題名も「これまでの延長として自然に理解できる」形の方が、読み手にとって無理がないように感じられます。

新しさがあるならばそれに越したことはありませんが、無理に新しさを前面に出そうとすると、かえって研究の流れが見えにくくなる場合もあります。


■ 基盤B以上の場合

一方で、基盤B以上になると、

  • 研究の蓄積に加えて

  • どこかに印象に残る要素

が求められる場面が多いように思われます。

必ずしも全く新しい内容である必要はありませんが、
課題名の段階で「少し気になる」「もう少し読んでみたい」と思わせるような工夫があると、印象が変わることがあります。


■ 若手研究の場合

若手研究では状況がやや異なり、

  • これまでの業績がまだ限られている場合には、ある程度挑戦的な設定の方が評価されやすいことがある

  • 一方で業績が蓄積している場合には、独自性の出し方がより重要になる

といった傾向があるように思います。


このように考えると、

「この課題名でよいのか」という迷いは、
応募する種目に対して、研究の立て方が適合しているかどうか
という観点から見直してみると整理しやすいかもしれません。


視点②:これまでの研究とのつながりが読み取れるか

もう一つよく言われるのは、
「なぜその研究をこの申請者が行うのか」が見えることの重要性です。

課題名は短いものですが、

  • これまでの研究との関係がまったく想像できない

  • 突然現れたテーマのように見える

と、読み手にとっては少し判断が難しくなる場合があります。

したがって、
これまでの流れの中で自然に出てきた研究であることが伝わるかどうか

は、一つのポイントになると考えられます。


視点③:無難すぎないか、あるいは無理がないか

課題名を考えるとき、方向としては大きく二つに寄りがちです。

一つは、無難にまとめる方向です。

  • 既存研究の延長としては理解しやすい

  • ただし、やや印象に残りにくい

もう一つは、新しさを強く打ち出す方向です。

  • 目を引く可能性はある

  • ただし、やや大きすぎたり、実現可能性が見えにくくなったりすることもある

どちらが良いかは一概には言えませんが、
多くの場合、

現実的に進められそうでありつつ、どこかに関心を引く要素がある

というバランスが意識されているように思われます。


おわりに

「この研究課題名で出して大丈夫か」と感じるとき、
それは単なる言葉の問題ではなく、

  • 研究の立て方

  • 応募種目との関係(本稿では、ざっくりと基盤C,B以上,若手で分けました)

  • これまでの研究とのつながり

といった点に、少しズレがあるサインかもしれません。

もちろん、最終的な評価は様々な要因によって決まりますが、
課題名の段階で感じる違和感を手がかりに、研究の位置づけを見直してみることは、申請全体を整える上でも有効な作業になるように思います。

外部資金ジャパン

外部資金ジャパンでは、申請書の添削サービスを提供しています。ご興味のある方は下記までお問い合わせください。


いいなと思ったら応援しよう!